ー設定ー

あなたは会社の新入社員で、彼女は年上の上司。
先輩後輩という関係から、あなたが告白したことで彼氏彼女の関係へと進展した。
上司もあなたのことが好きだったので、毎日厳しいながらも愛のある会話をしている。
ある日、あなたの昇進と同時に異動が決まってしまう。
寂しい気持ちのまま新たな職場へ向かうとなぜかあなたの上司が異動先にいて・・・

ガヤガヤ・・・(せわしなく動く社員)

これは佐藤さんに、こっちは人事課の田中さんに回してください。
はい、受け取っておきます。迅速な対応感謝します。(テキパキと)

・・・はい？この書類ですか？
うっ・・・この名前は・・・はい、私が直接渡しておきます・・・ありがとうございます。


(場面が切り替わって・・・)


コンコンッ・・・ガチャ・・・(ノックして扉を開ける)

(怒り気味に)

おいお前・・・この紙はなんだ？どうやったらこんな誤字脱字の酷い内容を書けるんだ？ん？

『他の仕事が押してて確認が疎かになっていた』って・・・
あのなぁ、それは全員同じなんだ。しっかりその辺を管理できなくては昇進なんてもってのほか、下手すれば一生窓際族だぞ？

・・・これはお前のためを思って言ってるんだ、分かってくれ。
お前はその・・・私にとって特別な存在なんだ。

(恥ずかしそうに)

なんたって・・・その・・・私の、彼氏・・・なんだから。

と・に・か・く！そんなに仕事が山積みでいっぱいいっぱいなら、周りの人を頼れ。
それと、少しは私に相談するなりしてくれ。

お前が頑張り屋なのはちゃんと理解してる。
だからこそ、1人で全部抱え込もうとしないで欲しいんだ。
次からは気をつけるように！・・・ふふっ、期待しているぞ。


(場面が切り替わって)


ガヤガヤ・・・(社員がせわしなく動く)

これは吉田さんに。すみません・・・これは私の管轄外ですので。
あ、そちらでしたら承ります。はい、ありがとうございます。(テキパキと)

(疲れたように)

・・・ふぅ。
ひとしきり捌けたかな。少し休憩を・・・

ガチャッ(上司が入ってくる)

あっ、おはようございます。

・・・はい？アイツ・・・じゃなかった。
私の後輩がどうかしましたか？まさか、なにか大きな失敗をしたとか・・・？

違う？そ、それでは一体・・・
へっ？昇進！？本当ですか！？
良かったぁ・・・！しっかりと教育してきた甲斐がありました！

(ある事を言われて)

えっ・・・それってどういう・・・
あっちょっと！

バタン・・・(扉が閉まる)

な、なんで・・・そんな・・・


(場面が切り替わって)


ー次の日ー

な、なぁ。昨日決まったことなんだが・・・昇進、そう昇進だ。
知っていたのか・・・
じゃ、じゃあ昇進と同時に異動になるというのは？
・・・聞かされていないか。やはりな・・・

あぁ、人手不足だった場所へ異動だそうだ。・・・そんな悲しそうな顔をするな。
またいつでも会えるさ。

ふふっ・・・(不穏な笑み)


(場面が切り替わって)


(新しい職場で)


おはよう、今日からお前の隣で働くことになったからよろしく。
・・・ん？『なんで異動先にいるんだ』って・・・

それはほら、上司に無理言って私もここに配属させてもらうよう頼んだんだよ。その代わり、ここではお前と同じレベルからのスタートになったがな。

そのおかげでこうやって隣同士で仕事が出来る。結果オーライというやつだろ？
あっ、でもお前の教育係としての立場はかわらないからな！


(場面が切り替わって)


あぁ、私が新人社員だった頃を思い出すな・・・なんだか若返った気分だ。

ん、休憩か？そうか、いってらっしゃい。

(優しい声で)

まだ少し仕事が残っているが・・・それくらいは私がやっておこう。
ふふっ、お前に感謝されるというのも、悪い気はしないからな。
ほらっ、ゆっくり休んでこい。

(しばらくして・・・)

おい・・・まだか・・・(イラつき始めて)

ゆっくりしてこいとは言ったがさすがに遅すぎるぞ・・・！
やはり優しくするべきではなかったか・・・

ぐぐぐっ・・・もう我慢できない！捜し出して説教してやる！


(場面が切り替わって)


(遠くから近づいて)

はぁっ・・・はぁっ・・・！見つけたぞ！何をチンタラしていたんだこのバカタ・・・
おい、ちょっと待て。その女は一体誰だ・・・？

っ・・・！それにその格好・・・まさかお前・・・！

(女が逃げて)

あっ！おい待てっ！クソっ・・・
女は逃がしてしまったか・・・

だがお前！お前だけは絶対に逃がさない・・・！
さぁ、言い訳を聞かせてもらおうか・・・！

『あの女に無理やり襲われた』・・・？『自分から誘いを受けてこんなことするはずない』・・・？

(声が震えて)

そんなの・・・そ・ん・な・の・ぉ・・・！！

(泣き出して)

し、信じられる訳ないだろ・・・！
信じたいのに、私の心の奥でお前を疑ってしまう・・・！

(錯乱して)

怖い・・・怖いんだ・・・！
た、頼む！私を捨てないでくれ・・・！お願いだから・・・！
ぐすっ・・・ひっぐ・・・

(抱きしめられて)

ううっ・・・うぅぅ・・・！
ごめん、お前をちゃんと信じてやれなくてごめんな・・・
愛してる・・・何があってもお前を・・・

(何かに気づいて)

お前・・・を・・・？

(泣き止み、口ずさむように)

お前を愛している・・・愛してる・・・？愛してるんだ・・・
だから・・・だからお前を・・・守ってやらなくちゃ・・・
愛してるから守るんだ・・・

(狂ったように)

あはっ、あはははははははははは！！！
そうだっ！お前は何も悪くない・・・！
お前をあんな下衆で汚らわしい豚から守れなかった私の責任だ！！
これからはこんなことが起きないように、私が危険からお前を守ってやる。どんな手を使ってでも・・・

(優しく抱きしめて)

大大大大大好きだぞ・・・これからもちゃんと私を愛してくれよ・・・？
あはっ、あはははっ・・・！

・台本（ゆるボイ！）
厳しい年上上司の彼女に他の女から襲われる所を見られて・・・
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
USIQUI