はい、おまたせ。
今年のバレンタインチョコだよ。
キミ、今年も私以外にもらえる人いないでしょ？
ありがたく受け取るのだ。

あれ、なんか反応薄くない？
もっとこう、大喜びしてくれてもいいと思うんだけど。
まさか、毎年あげてるから慣れちゃったとか？
贅沢なやつだなぁ、キミは。

そんなつもりはないって言われても、ここからさらに慣れて行かれても困るし。
なにか新しい刺激が必要かも。

そうだ！耳かきしてあげるよ。
ほら、お膝に頭乗せて。
なに恥ずかしがってるの。ほら早く。

（頭が膝の上へ）

えーっと耳かきは・・・。
うん？なんで都合よく耳かきを持ってるのかって？
ポーチに色々入れてあるんだ。他には爪切りとか綿棒とかも。
かわいいポーチ買っちゃったから使いたくなっちゃって。

それじゃ、始めるよ。
耳かき入れるから、動かないでね。

（耳かき）

思ったより溜まってるね。
もしかしたら最近掃除してたかもと思ったけど、
タイミング良かったみたいだね。

そうだよ？こんなできた幼馴染がいることに感謝しなきゃ。
毎年手作りのチョコを渡してくれる幼馴染なんて貴重だよ？
ふふっ、よろしい。

そういえば、こんなに近くでキミの顔を見たの初めてかもしれない。
不思議だな。毎日顔を合わせてるのに、ちょっと違って見える。

肌荒れぎみだけど、不摂生な生活してない？
ご飯も栄養あるの食べなきゃだめだよ？
今度また私がご飯作ってあげるね。

大丈夫、負担にはなってないよ。
料理自体好きだし、いつも美味しそうに食べてくれるから、
見てるこっちも嬉しくなっちゃうんだよね。

そうだよ？リアクションって大切だと思うな。
例えば・・・今みたいに気持ちよさそうにしてくれてると、
耳かきも楽しくなってくるし。
ふふっ、キミが良ければ今度から耳かきも私がやってあげるね。

（耳かき終了）

さて、耳かきはここまでで終わりね。
反対についてるふわふわしたのを入れていくよ。
入るよー。

（梵天）

へー、梵天っていうんだこれ。
ふわふわして気持ちいいよねこれ。
ふわふわー。

（梵天終了）

最後に息を吹きかけるよ。
ふぅーっ。
ふふっ、びくびくしてなんかかわいいね。

さて、反対の耳を上に向けてくれる？

（頭回転）

ありがとう。
それじゃ、こっちも耳かき入れるね。

（耳かき）

こっちも溜まってるね。
どんどんきれいにしていっちゃうね。

え？それでどうしたのかって、なにが？
・・・そっか。そんなに不自然だったんだね。

特に何かあったってわけじゃないんだ。
ただ、いつまでキミとこうして一緒にいられるのかなって。
当たり前のように毎日一緒にいるけど、いつかはキミに恋人ができたりして、
こんな感じで過ごすこともなくなってしまうのかなって思っちゃって。

うん？どうしたの？
・・・ふふふっ、「チョコもないのにそんな予定はない」か。
そうだね。私以外から貰えてないんだもんね。

それに、そっか。
一緒にいてくれるんだね。
キミは優しいね。

うん、安心したし覚悟も決まった。
耳かきに集中するね。
カリカリ・・・カリカリ・・・。

大きいのがあるから、ちょっとうるさいかもだけど我慢してね
クリクリっと。
よし、取れたよ。

（耳かき終了）

それじゃ、このあたりでこっちも耳かき終わりね。
梵天だっけ。ふわふわ入れてくよ。

（梵天）

ふわふわー。
気持ちよさそうだね。
細かい汚れも取れるし、一石二鳥だね。

（梵天終了）

はい、おしまい。
息を吹きかけるよ。
ふぅーっ。
はい、きれいになったよ。

ね、今度の休みの日空いてる？
良かった。ならデートしようか。

バレンタインとはずれちゃうけど、そのときにまたチョコ作ってくるね。
今度はちゃんと気持ちを込めて渡すから。
気持ちもチョコもちゃんと受け止めてね♪

・台本（ゆるボイ！）
バレンタインに幼馴染に耳かきされる話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
魚河岸