遅いぞ、ご主人。

いつまでこのわたしを待たせるつもりだ？

あまりに遅すぎるから、わたしの方から迎えに来てやったぞ。

なに？他のペットに餌をやりに行ってたから仕方ない？

ほぅ…自ら浮気を認めるとは、正直者だな。

そんなにお仕置きされたいのなら、直接そう言え。

は？そんなものは知らん。

貴様なら、腕の一本や二本失ってもまた生えてくるであろう？

なに？……ふ、ふん！そんな言葉でこのグリフォンを誤魔化せると思うな！馬鹿者が！

だがまぁ、褒め言葉として受け取っておいてやろう、うん…

おい…今「ツンデレ乙」とかいう戯言(ざれごと)をほざいたのは貴様か？

む…まぁいい。

とりあえず、その美味そうなお土産をいただくとしようか。

(咀嚼)

うん、美味い。

やはりわたしの目に狂いはなかった。

これを手に入れてくるとは、よくやった。褒めて遣わすぞ。

なんだ、そのヘラヘラした顔は…

ちょっと褒められたくらいで調子に乗るな、愚か者。

…ごちそうさま。さて、それでは食後の運動でもするか。

(鉤爪で鷲掴み)

しっかり捕まってろよ…飛ぶぞ。

(飛翔)



到着だ。ご苦労だったな。

どうした？空の旅は存分に楽しめたであろう？

なに？酔って吐きそうだと？

まったく、我がご主人ともあろうものが情けない…

仕方ない、ご主人の気分が落ち着くまで待ってやるとするか…



落ち着いたか？

なら、そこに寝ろ。

今からわたしが添い寝してやる。

なに？これから用事がある？

たわけ。わたしの相手をするより大事な用事があるか。

(寝転がってしがみつく)

逃がさんぞ、ご主人。

貴様は本来、わたしだけのモノなのだ。

他に1、2、……ええい、何体ものメスと付き合っておるのだ、貴様は！

このわたしを虜(とりこ)にしておきながら、ほかのメスと交わっていようとは…許しがたい。

何が誤解だ！

貴様からプンプン臭うのが何よりの証拠だ！

これ以上わたしを怒らせるな…！

この鉤爪で、貴様の喉を引き裂いてやってもいいんだぞ…！

…少しでも不穏な動きをすれば、首から上がなくなると思え。

(きつく抱きしめる)

こうやって抱きついて、ほかのメスの匂いを上書きしてやる…！

このグリフォンから逃れられると思うなよ？ご主人…

・台本（ゆるボイ！）
各世界に散らばるヤンデレなペットとの日常〜鷲獅子・グリフォン編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎