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なぜか突然、女悪魔に襲撃されて監禁される羽目になった〜堕天の悪魔・アザゼル編〜
written by 松平蒼太郎
  • からかい
  • 告白
  • 監禁
  • ファンタジー
  • 拘束
  • 人外 / モンスター
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  • 悪魔
  • 悪役
  • 元凶
公開日2022年02月18日 17:33 更新日2022年02月18日 17:33
文字数
2093文字(約 6分59秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
悪魔
視聴者役柄
人間
場所
地獄
本編
悪いわね、こんな牢屋に監禁して。

どう?地獄の牢屋で食べるご飯は美味しい?

…本当に美味しそうに食べるのね、呆れたわ。

ん?あぁ、食器はその辺に置いといていいわよ。

あとで給仕が取りにくるから。

それより…今は君に話があるの。

えぇ…君、わたしたちの仲間にならない?

神なんて捨てて、わたしたち悪魔側につきなさい。

そうすれば、君の衣食住はすべて保障してあげる。

女が欲しいなら抱かせてあげるわよ。

地獄には男に飢えた女悪魔がうじゃうじゃいるもの。

君のお眼鏡にかなう女の子が一人くらいはいるんじゃないかしら?

ふーん…記憶はないけど、神様に愛されてた気がするからそれは無理、か……

ふふふっ…あははっ…!

あぁ、ごめんなさい。

君はずいぶん儚い幻想に縋り付くと思って。

えぇ、幻想よ。

君のその「神様に愛されてた気がする」っていう感覚に根拠なんてないものね?

ふん…だったらこう考えるのはどう?

君には特別な力があって、神々はそれを利用したいがために、君を籠絡しているに過ぎないって。

そんなことはない?その根拠は?……ないわよね。

今の君にとってたしかなのは、己の力のみ。

悪神とやり合えるだけの特別な力が自身に備わっているのは、理解しているでしょう?

それを狙って連中が君を監禁したと思えば、辻褄が合うと思わない?

あら、失礼。今の君には記憶がなかったんだったわね。

こんなこと言っても、監禁された記憶がないんだから、しっくりこないわよね。

だったら思い出させてあげる。

君の頭に、わたしの手を置いて………




どう?思い出した?

うふふっ、あはは…!

そうそれ!その顔が見たかったの!

何でこんな大切なことを忘れてたんだって、言いたげなその苦悶の顔!

ねぇ…この際だから全部教えてあげましょうか?

君の知らない真実をね。

えぇ。そもそも不思議だとは思わなかった?

どうして君が異様に神々にモテるのか…

ましてや、監禁されるなんてどう考えても普通じゃないわよね?

そう。そもそものきっかけは地上の人間と、天界の神々との間に起こった戦争。

人間は本来、神に抗える力なんて持たない弱小種族。

それがどうして神に対して反乱を起こし、あまつさえ手傷を負わせることができたのか…

それはね…ある一人の天使が人間に、神々に対抗するための知識や技術を与えたから。

えぇ。もちろんそれは、神々に対する裏切り行為に他ならない。

その天使はその裏切り行為を咎められ、天界から追われ、堕天使となった。

そしてその堕天使は今や、この地獄を治める大魔王をサポートする悪魔に成り果てた。

そう…その悪魔こそ、君の目の前にいる、このわたし。

名前はアザゼル。

地獄の悪魔軍団の第一旗手を務めてるわ。よろしくね。

それにしても…人間ってホント御し易い生き物よねぇ。

ちょっと力を与えられたぐらいで、すーぐ調子に乗るんだから。

そして君は天と地の戦争の最中、そんな愚かな人間に殺されかけた四神を助けた。

実はそれを仕組んだのも、わ・た・し♡

ふふっ、どういうことかって?

記憶を取り戻したなら分かるわよね?

わたし、あの時は元々の天使の姿に化けて「傷ついてる神々を助けてください!」って君にお願いしたのよね。

その際に君にこっそり、魅了(チャーム)っていう術を仕込んでおいたの。

これも神々に対してのみ有効な術。

これを仕込んだ理由は…もう言わなくても分かるわよね?

そう!すべては天界を、神々を滅ぼすための布石!

神々が君を巡って争ってくれれば、こちらが手を下さずとも、勝手に弱体化してくれるものね?

そう…あの一連の争いはすべて、わたしたち悪魔が神々に打ち勝つために仕組まれたもの。

この世に悪神が生まれたのも、わたしが人間の欲望を肥大化させ、罪という名の穢れを蔓延(はび)こらせたから。

えぇ、悪神は穢れを受けて生まれる存在だもの。

彼女らも神々の弱体化に一役買ってくれたわ。ありがたいことにね。

ついでに君のおかげで、連中のメスの本能が爆発してる様をたっぷり観察できて、とっても面白かった♪うふふっ♪

これで分かったでしょ?

いかに自分が悪魔(わたし)の掌で踊らされていたかってことを。

君はわたしの術のおかげで、彼女たちに好かれていたに過ぎない。

つまり…君はわたしの玩具(おもちゃ)だったってこ・と♡

うふふふっ…あははっ、あははははははははは!

…あら?ものすごい力ね。

まさか神を拘束するための魔法具がこんな簡単に壊されるなんて…

え?何でこんなことをしたのかって?

あの偉そうにふんぞり返ってる天帝を、玉座から引き摺り下ろすためよ。

わたしたち天使より、人間を可愛がったあの愚か者をね。

他の神は神で、それを容認してるし…

正直イライラした。

どうしてわたしたちより無力で愚かな人間の方を愛するのかって…

わたしの考えに賛同してくれる天使もたくさんいたわ。

といっても、最初の反乱は失敗して、それに加担した天使は大方討伐されたんだけどね。

天に討伐されずに生き残った天使は、みんな堕天使か悪魔になってるわ。今のわたしのようにね。

えー?お前が全ての元凶だったのか⁉︎ だなんて…

酷い言い草ね。まぁ間違ってはいないのだけど。

ふふふっ…無駄よ。君一人では何もできない。

いいわよ、ちょっとだけ遊んであげる。

大魔王様がここに来るまで、ね……あははっ!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
なぜか突然、女悪魔に襲撃されて監禁される羽目になった〜堕天の悪魔・アザゼル編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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