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家で監禁されてるのは、大学生の妹(次女)のせいだった
written by 松平蒼太郎
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公開日2022年03月17日 07:33 更新日2022年03月17日 07:33
文字数
2430文字(約 8分6秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役柄
場所
自宅
本編
兄さん、ただいま。いい子にしてた?

なんだ、また逃げ出そうとしてたんだ。往生際が悪いね。

でもこれで分かっただろ?

逃げようとしても無駄だってことが。

めちゃくちゃ重いでしょ?その手足についてる枷(かせ)。

うん。家の中は自由に動き回れるけど、外に出るまでには至らない。

分からず屋の兄さんのために、もう一度おさらいしておこうか。

まず、僕らが住んでるマンションの部屋は7階。

窓から飛び降りて逃げるのは不可能。これはいいね?

うん。次にうちのベランダからお隣のベランダまで逃げて、助けを求めるルートだけど…これも無駄。

非常時に蹴破る仕切り板の前に大量の重い荷物を置いてあるからね。

そのクッソ重い枷を付けてる兄さんにはまず動かせない。

兄さんが物理的に隣に避難するのは不可能ってこと。

だったらお隣かもしくは下か上の階の人に叫んで助けを求めればいいって思うよね?

あはは!無駄だったでしょ?

僕ら、ご近所付き合いを大切にしてるからね。

兄は頭の病気で退職しましたって、ご近所のみなさんには言ってあるんだ。

そ。叫んでも「あぁ、あの人は病気だったな」って思われるだけで、だーれも助けに来てくれない。

ふふ、そうだよ。

たまに外に連れ出していたのは、ご近所の方に怪しまれないようにするため。

姿を全く見せないと、変な疑念を持たれるかもしれないからね。

まぁあとは、兄さんのストレスを適度に緩和するっていうのと、僕らが単純に兄さんとデートしたいって意味合いがあるくらい。

で、玄関の鍵だけど…もう言わなくても分かるよね?

そ。流石にそっちにはなんの細工もしてないよ。

けど姉妹全員が出払うときは、出かける前に枷と手錠両方してるから、普通に鍵を回すのさえ難しいよね。

まぁ根性で頑張ったら開けられないこともないけど…

そこまでに費やすエネルギーも少なくはないし、そもそもそんな重い枷を付けたまま、遠くまでは逃げられないよね?

でもその枷、見た目すごいでしょ?

拘束監禁されてるっていうより、そういうファッションしてるってふうにしか見えないところが。

重量級で、しかも両手両足に付いてるから、走れもしないし。

ふふふっ、そういうことだよ。

兄さんが自由に動き回れるのは、この家の中だけってことさ。

これで分かってくれたかな?

兄さんがこの家から出ることは100%不可能だっていうことが。

あはは。お褒めに預かり、光栄だよ。

僕はこれでも理系だからね。

兄さんに僕らの元にいてもらうためにはどうすればいいか、論理的に突き詰めて考えた結果だよ。

そ。兄さんの逃走ルートを潰す提案をしたのはこの僕。

兄さんの行動の二手、三手先を読めば、簡単に分かる話さ。

姉さんと妹2人は、僕の案を忠実に実行してくれたに過ぎない。

うん。最初に兄さんを捕まえるように、姉さんに指示したのも僕。

食事か飲み物に睡眠薬を仕込んで、それを飲んだ兄さんが寝たのを見計らって、枷と手錠を付けるようにって言ったんだ。

けど正直、僕も驚いたよ。

あのモテない兄さんが彼女をつくってくるなんて。

99%ありえないとは思ってたけど、念のために準備はしておいてよかった。

ふふっ、まあね。

最悪の可能性も想定するのが、理系だからね。

さてと…僕はここで兄さんでも監視しながら、大学の実験レポートでもまとめようかな。

研究室?嫌だよ。

研究室になんていたら、兄さんと一緒にいる時間が減るじゃないか。

ただでさえ、僕の学部学科は忙しいんだから。

ついでにバイトもしてるし、兄さんといられる時間が姉妹の中で最も少ないのは、僕なんだよ?

つべこべ言わず、兄さんはここで大人しくしてればいい。

あとでちゃんと構ってあげるから。



(タイピング音)

んー…!ちょっと疲れたなぁ…

あ……ありがとう、兄さん。

うん。コーヒー、ありがたくいただくよ。

(匂いを嗅ぐ)

睡眠薬の類いは入ってない、かな。うん、大丈夫。

あはは、疑うような真似してごめんね。

けど万が一ってこともあるからね。

用心するに越したことはない。

ま、ここで僕を眠らせたところで、もうすぐ妹2人が帰ってくるから無駄なんだけど。

はいはい…兄さんの気遣いは素直に受け取っておくよ。そんなに拗ねないで。

あぁ、ありがと。肩まで揉んでくれるなんて優しいね。

…ん、そっか。大切な妹、か…

気持ちはすごく嬉しいよ。

兄さんは男手ひとつで、僕らを養ってくれたからね。

僕が大学で自分の研究ができるのも、兄さんのおかげだ。

好きなことをやらしてくれて、本当に感謝してる。

だから今度は、僕らが兄さんを養う番だ。

兄さんが最近、仕事で疲れてたのは知ってる。

隠さなくてもいいよ。

最近は帰りが遅かったし、すごく疲れた顔して夜中に帰宅してきたこともあったよね。

だから今回は、兄さんを休ませるという意味では、ちょうど良かった。

大丈夫だよ、心配しないで。

兄さん以外の男と付き合うつもりないから。

ふふ、そうだよ。僕もけっこうモテるよ。

女の子からも告白されたことあったっけ。

まぁ全部断ってるけどね。兄さん以外に興味ないし。

それで兄さん…僕は兄さんにとってただの妹なのかな?

どうもこうも、そのままの意味だよ。

いいかい?僕は兄さんにとって最も近しい異性の一人だ。

妹以上の感情があったりはしないのかな?

そっか…兄さんにとっては妹は妹でしかないんだね。

じゃあ、ちょっと実験してみようか…こんなふうに。

(キス)

どう?これでもただの妹としてしか見れない?

…うん、顔も真っ赤だし、心拍数も上昇してる。

少しは僕のことを異性として意識してくれた…

そういう結論を出して大丈夫そうだね。

(壁ドン)

ね、兄さん…僕をもっと異性として意識してくれてもいいんだよ?

少なくとも僕は、兄さんをそういうふうに意識してるし。

ふふ…相変わらず鈍いね、兄さんは。

まぁそれも仕方ないか。今までさっぱりモテなかったんだし。

これから色々実験するからさ…兄さんも付き合ってよ。

そう。兄さんがどうすれば僕を女として見てくれるのかっていうね…

さ、楽しい楽しい実験の時間だ。

ふふっ、そうだね…

兄さんの態度次第だけど、ソーイウコトも期待してていいかな…?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
家で監禁されてるのは、大学生の妹(次女)のせいだった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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