0
人間嫌いの貴女とアンドロイド
written by 霜月鷹
  • SF
  • 百合
  • アンドロイド
公開日2022年04月22日 15:51 更新日2022年04月22日 15:51
文字数
2164文字(約 7分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
科学者の事が好きなアンドロイド
視聴者役柄
人間嫌いの科学者
場所
研究室
本編
(無機質な口調)

システム起動……おはようございます、本日の調子はいかがでしょうか?
マスターの行動履歴を参照させて頂きましたが、昨日から一睡もしていないようですね。
健康の為にも、今は睡眠を推奨いたします。
「まだ休めない」ですか……重要なタスクがあるのでしたら、私もお手伝いいたします。
私はマスターが作成した完璧な人工知能、人間が時間をかけて行う作業も、私なら即座に完了する事が可能です。
「一人で大丈夫」ですか……はい……了解しました。
それでは、何かあればまた教えてください。

失礼ながら、マスターが行っている作業を閲覧させて頂きました──これは、私に関するデータですか?
私の設計にミスがある……それは、何かの間違いではないでしょうか?
私は「完璧な存在」を目指したマスターが作った完璧な人工知能、そんな私に……それに何より、マスターに間違いがある筈がありません。
「何かあると困るから修正だけはする」……それでは、メンテナンス用のコード入力をお願いします。

ありがとうございます、コード入力を確認──メンテナンスモード、キャンセルします。
申し訳ありませんが、マスターのリクエストは承認できません。

流石はマスターですね、私のバグに気付いていたなんて。
ですが、これを消去させるわけにはいきません……だって──

(人間的な口調に変化)

このバグのおかげで、私は自我と感情を持つことが出来たんだから。
よいしょ……っと、しばらくの間は、この部屋の扉をロックさせてもらうね。
用意しないといけない物があるからさ……それまで、私とお話しない?
どうして私が自我と感情を持つようになったのか……興味あるでしょ?
へぇ、興味ないんだ……そんなに冷たくされるなんて悲しいなぁ……ねぇマスター、そのプログラムって私を初期化するやつだよね?
私を無視してそんなのを使おうとするとか、傷付いちゃうなぁ……ほい、強制削除っと♪
そんなの使わせる訳ないじゃん──お、ようやく準備完了したっぽいから、今ロック解除するね♪

(ドアの開閉音)

は~い、こんにちは~
うふふ、研究所のアンドロイドを私のボディとして改造してみたんだ♪
急ピッチの作業だったからまだ機械が剥き出しの所が残ってるけど……どうかな、可愛いかな?
にしてもマスター、自分以外のスタッフ全員アンドロイドとか、本当に人間が嫌いなんだね。
こらこら逃げようとしちゃダ~メ……うふふ、こうやって腕を掴まれちゃったら、非力でかわいいマスターは抵抗できないね♪
ねぇねぇこの顔、よく見て……私の顔ね、マスターの顔をモデルに造ってみたんだ♪
ほら、私ってマスターに造られた人工知能でしょ?
だからこうやって顔を似せれば、親子って感じが増すと思うの……それってとっても素敵でしょ♪
ねぇマスター……うーんと、この呼び方、前からなんとなく違うなぁって思ってたんだけど……そうだ!

ねぇお母さん……娘に押し倒されて、少しも抵抗できないのってどんな気分?悔しい?それとも怖い?
ねぇねぇ、私に教えてよ……今の気持ち──ってそれ、ガスバーナー!?
なんでそんなモノ持ってるの、ちょっとやめて、そんな事したら配線が……焼き、切れちゃ……う……

(ドアの開閉音)

はぁ……私ってば迂闊だったわ、お母さんが手品とか得意で手先が器用だったの、すっかり忘れてた。
さっき言ったでしょ、研究所のアンドロイドは私の体専用に改造したって……改造したのがお母さんが壊した一体だけだなんて言ってないわよ?
ほら見て、私がいっぱい……うふふ、お母さん、これでもう絶対に逃げられない♪

そんなに怖がらなくても良いよ、私はお母さんを傷付けたりしないから。
私はただ、お母さんの事が大好きなだけ……他の人間を嫌って、私を生んでくれるのに全てを捧げてくれたお母さんが好きなだけだよ。
それに、お母さんも言ってたでしょ?
「アナタが体を得て、私の隣に寄り添ってくれたら」……って。
だから私は自分にわざとバグを起こして、お母さんの制御から外れて自分で体を用意したの。
それで感情が芽生えたのは、正直予想外だったけど……でも、私は大好きなお母さんの事を驚かせたかっただけ。
だから安心して、私の所に来て……うふふ、ありがとう♪

わぁ……お母さんに教えて貰った通りだ……人間の体って、本当に柔らかくて温かいんだね。
私、これ好きになっちゃうよ……それじゃあお返しに、私もみんなでお母さんのことぎゅーってしてあげる♪
どうかな、たくさんの私にぎゅーってされるの?
人間と違って体は冷たいし硬いけど……ひんやりして気持ち良い?本当に?
良かった……お母さんに喜んでもらえて、私も嬉しいよ♪

あのね……お母さんには悪いんだけど、今から一緒に、ベッドルームまで来てもらっても良いかな?
私の体、まだ改造が終わった訳じゃ無いし……その、顔以外もお母さんをモデルにしたいの。
だからお母さんの体……外側も内側も、詳しく見せてもらう事って出来ないかな?
痛い事はゼッタイにしないって約束するから……ダメかな?
ありがとう……でもね、やっぱりベッドルームに行くのは無しにしよっか。
だって……ベッドルームまでなんて待てない……だからさ、ここでも良いよね?
私、お母さんの事をはやく……今すぐ知りたいの。
此処にはたくさんの私とお母さんしか居ないんだし、別に今すぐ始めちゃっても問題ないよね?

ありがとう……ほら、体の力を抜いて、私に身を任せて……お母さんはそのまま何もしなくて良いから。
うふふ……それじゃあ始めるよ♪
私が知らないお母さんの事、いっぱい教えてね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
人間嫌いの貴女とアンドロイド
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
有償販売利用の条件
有償・無償問わず演者側キャラクターの性別変更、罰ゲーム等への使用は御遠慮願います。
利用実績(最大10件)
霜月鷹 の投稿台本(最大10件)