男子寮の寮長を務めている貴方には、風紀委員長の彼女がいる。
これはそんな彼女との甘い日常のお話。

【食堂にて食事をしながら】

寮長くん。ここ、いい？

ありがとう。じゃあ失礼するわね。

…？ なに？急にソワソワしだして…

なんだ、そんなこと…いいじゃない。わたしたち、付き合ってるんだし。

そうね。貴方と仲良しの、どこかのお節介な後輩女子のおかげでね。

でもなんで…わたしのこと、好きになってくれたの？

だって…愛想はないし、目つきは怖いって言われるし…

おまけに怒ってないのに、怒ってる？ってよく聞かれるし…なのになんで…

あ、そう…ありがとう。

わたしのこと、そんなふうに言ってくれるのは貴方だけよ。

えぇ。普通の男子は見た目が怖い女子を敬遠するもの。

そ、そこまで褒めてくれなくてもいいわ…嬉しいけど。

そ、そんなことより、さっさとお昼食べましょ。冷めちゃうから。





【昼時の中庭にて】

仕事の話で申し訳ないのだけど…寮長くん、あまりむやみやたらに女子を男子寮に入れるのはやめなさい。

えぇ。そんな頻繁に特例を認めてしまっていたら、学内の規律が保てなくなるでしょう？

その…男と女なんだし、不純異性行為が起きないとも限らないわ。

締めるところはビシッと締めなさい。でないと、他の生徒からも甘く見られるわよ。

ホントに分かってる？今の貴方を見てるとちょっと不安…

優しくて緩い雰囲気なのは貴方の美点だけど…上に立つ人間としては、裏目に出ることもあるから気をつけて。

いえ、他の生徒の前では、厳格過ぎるくらいでちょうどいいわ。貴方の場合。

…ッ、当然でしょ。風紀委員としても、か、彼女としても貴方のこと、心配してるんだから…

まぁね…貴方、そんなにモテるタイプじゃないから、浮気は全く心配してないけど…

バ、バカ…！それはわたしも同じよ。

(腕にしがみつく)

わたしだって、貴方以外にモテなくていい…

えぇ…寮長くんさえいればそれで満足だから。

え？は？ここで？みんな見てるけど…

か、仮にも風紀委員長のわたしが学内の風紀を乱す行為を大っぴらにやるのは…

そ、それはそうだけど…！でも…！

(ため息)

まぁそうよね…貴方とこうしてイチャついてる時点で今さらよね…

でも唇はダメ。せめてほっぺに…

(キスされる)

貴方…人畜無害な顔して、意外と積極的なのね。

いえ…全然悪い気はしないわ。ありがとう。

…外野、うるさい。わたしと彼の時間を邪魔しないでくれる？

場所、変えましょうか。いちゃつくなら、もう少し静かなところがいいわ。

えぇ…風紀委員会で使ってる教室があるからそこにしましょ。今なら誰もいないし。

一応言っておくけど、不純異性行為の類いはしないからね？

分かってるならいいわ。行きましょ。

…えぇ。わたしも貴方のこと、好きよ。

ゆっくり二人だけの時間、過ごしましょ？

・台本（ゆるボイ！）
クールでぱっと見怖い風紀委員長の中身はかなり乙女
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎