あ、勇者様……此方にいらしたんですね。
この子達が勇者様に会いたいと言っていたので、先程から探していたところだったのです。
みんな勇者様の……いえ、私達の旅の物語を聞いてから「勇者様に会いたい」と言ってきかなくて……うふふ、ありがとうございます。
ほら皆さん、こちらの方が私と共に旅をして魔王を倒した勇者様ですよ。
もう……そんなに慌てなくても、勇者様はどこにも逃げたりしませんよ？
それでは勇者様、お手数をお掛けしますが……私と一緒に、この子達に色々と旅の話をしてはもらえませんか？
はい、ありがとうございます♪

（足音）（ドアの開閉音）

たいだいま戻りました……えぇ、あの子達はみんな眠りにつきましたよ。
勇者様、やはり子供の相手をするのがお好きなようですね。
うふふ、旅の思い出を語っている時の勇者様……とっても楽しそうでしたよ♪
でも勇者様、その……私が泥沼で足を滑らせた時の事なんてよく覚えていましたね。
あの時は私達全員が未熟で……それにしたってあの時の事、話す必要……ありました？
まぁ良いですけど……それにしても、思い返すと長い旅路でしたね。
国の皆様に期待されて、険しい旅路に何度も心折れそうになって、それでも皆で一緒に乗り越えて……辛かったですけど、それ以上に素敵な旅でした。

おや……勇者様、どうなされたのですか？
そういえば勇者様、今日は色んな人とお話をしていましたからね……疲れてしまうのも無理はないでしょう。
もし宜しければ、私の膝枕で少し休んでいきませんか？
私は一向に構いませんので……はい、では此方へどうぞ♪
うふふ……こうしてみると、あのような強大な力を振る勇者様も、私と同じ人間だというのがよく分かりますね。
えぇ……勇者様も人間なんですもの、疲れてしまうのも無理はありません。
いいですよ……今日は思う存分、私のお膝で休んでくださいね♪

それでは勇者様、おやすみなさいませ……私の事は気にせず、どうかごゆっくりしてください♪

・台本（ゆるボイ！）
【魔王討伐の祝宴シリーズ】パーティーメンバーの僧侶とまったりした時間を過ごす
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹