＊夜中の公園ベンチにて

だ〜れだ？
アハハ、まぁ分かるわけないよね。だってあなたと話すのはこれが初めてなんだから。
でも私はあなたのことちょっとだけ知ってるわ♪
一人暮らしで、最近夜にこの公園に散歩に来ること…とかね。

あ、手は離してあげるけど振り向いちゃダメだよ。声は…う〜ん…。大声じゃないなら喋ってもいいよ。

私は誰かって？
ウフフ、じゃあヒント！私の手、どうだった？

そう！冷たかったでしょ？まるで人間じゃないみたいに…ね。
次のヒント！今の時間帯は？

うんうん。夜中だね。こんな時間にここにいるのはあなたと…。

私だけ、だよ？


最後のヒント！私は今喉が渇いています！
さあ、私は誰でしょうか？

吸血鬼？ウフフフ…アハハハハハハ！

せ・い・か・い！

（後ろから抱きつく）

フフッ、後ろからギュッてされたら逃げられないよ？それに…ほら、耳元で…囁かれてると…だんだん力が抜けていくでしょ？

（耳元で）フーー…

フフッ、捕まえた♪
大丈夫だよ。血を吸ったらすぐに解放してあげるから。それまでちょっと動けなくしただけだから、ね？

ではでは、血を吸う前に…ちょっと首筋ペロペロするね〜。

（首舐め中）

こうするとね、感覚が麻痺して痛みがなくなるんだよ。その代わりに…

（耳元で）フーー…

ゾクゾクーってなるでしょ。くすぐったい？痛いよりはいいでしょ？もう一回…

（耳元で）フーー……フーー…

アハハ、動けないのにピクピクしてる。

ごめんごめん、あなたの反応が見たくてついイジワルしちゃった♪

それじゃあそろそろ…
いただきま〜す

（吸血中）

ん…これは…、もう少しだけ…。

（吸血中）

ハァ……あと…ちょっとだけ…

（吸血中）


フゥ…。今日は、このくらいでやめとこ…。

あ、大丈夫？あんまり血は吸ってないと思うけど…。
ゆっくり深呼吸して。そしたらだんだん動けるようになるから。

うん、大丈夫そうだね。それじゃ、今日はもう帰るね。え？また会うみたいな言い方？

あー…バレちゃったか…。実はね、あなたの匂いをもう覚えちゃったから、私が血を飲みたいな〜って思ったらまた来ようとしてたんだけど…。

もう夜に外出はしない？フフッ、無駄だよ？一人暮らしならいつでも襲いに行けるからね♪

部屋に招かなければ大丈夫、とか考えてる？
じゃあ、怪我したフリして入れてもらおうかな。私が吸血鬼って分かってても、あなたなら部屋に入れてしまうでしょ？

だってあなた、優しいもの♪

そろそろ行くね！
あ、これはお礼。

（鉄分のサプリを渡す）

それじゃ、“また”よろしくね〜♡

・台本（ゆるボイ！）
【フリー台本】後ろの吸血鬼
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
アイゼン