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お姉さんマーメイドと日向ぼっこ
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • おねショタ
  • 年上
  • お姉さん
  • マーメイド
  • 人魚
  • 人外 / モンスター
  • 切ない
  • 日向ぼっこ
  • 日光浴
公開日2022年10月02日 00:24 更新日2022年10月02日 00:24
文字数
1996文字(約 6分40秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
マーメイド
視聴者役柄
少年
場所
海岸の岩場
あらすじ
海岸の岩場で日向ぼっこをしていた貴方の前にマーメイド族のお姉さんが現れる。彼女も貴方と同じ場所で日向ぼっこをしに来たようだった。彼女と言葉を交わしていくうちに、貴方は彼女に対して心を開くようになる。
本編
あ、そこの君。ここ、わたしの特等席なんだけど?

ふふ、冗談よ。お隣、失礼するわね。

ん?どうしたの?人のことじっと見て…

えぇ。見ての通り、マーメイドよ。

たまにこうして陸に上がって日向ぼっこするのが趣味なの。よろしくね。

ふふ、別にいいわよ。このままここに居てくれて。

人がいたのには驚いたけど、嫌ってわけじゃないから。

むしろよくこの穴場を見つけたわね。やるじゃない。

気持ちいいわよねー、ここ。日当たりもいいし、ゆったり寝転べる角度の岩場だし…

そうね。今日は風も穏やかで気持ちいいし…最高の日光浴日和ね。

(あくび)

なんだか眠くなってきちゃった…君も一緒に寝よ?

うん、おやすみ…夕方になるまでゆっくり過ごそっか…

(寝息)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(あくび)

ん〜…よく寝た。もう夕方かぁ…

あ、おはよ。君もリラックスできた?

え?ドキドキしたって…どうして?

あ、あはは…ありがとう。そんなふうに言われたの、初めてだな…

そりゃあね。容姿を誉められる機会なんてそうそうないから。わたしより綺麗なマーメイドなんていっぱいいるし。

わたしはそろそろ海に帰るけど…君も帰る?

そ。じゃあここでバイバイね。

また機会があればここで会いましょ。それじゃあね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いらっしゃい。今日はわたしの方が先だったわね。

いいわよ。隣、どうぞ。

そういえば君、ここには何回くらい来てる?

へぇ…まだ二、三回くらいなんだ。じゃあご新規さんってわけね。

ん?あぁ、わたしが陸に上がる理由?

別に大した理由じゃないわよ。単に日光浴がしたいなってだけ。

普段は海の中っていう光を浴びにくい環境にいるから。

マーメイドって言うなれば半魚人だから…人としての性質も持ち合わせてるのよ。

そうそう。光を浴びて気分をリフレッシュしたいーってこと。

君もこうして日光浴に来てるわけだし、なんとなく分かるでしょ?

あら…もしかして寒い?

そう…最近は少し冷えるものね。まぁまだ許容範囲内なんだけど。

ねぇ…もしよかったら、わたしがあたためてあげようか?

どうやってって…こうやって。

(抱きつく)

どう…?これなら少しはあたたかいでしょ?

大丈夫よ。暖をとるだけだから、全然恥ずかしくないわ。

君は…やっぱり恥ずかしい?

そう…君も男の子なのね。ふふ…

なら、もう少しくっついちゃおうかしら…ギュー…

(少し強めに抱きつく)

わたしもポカポカしてきちゃった…

人肌ってこんなにあたたかいのね。

そうね…誰かに抱きつくのは初めてかも。

まだそんなにたくさん会ってるわけじゃないのに…身体を預けるなんて不思議…

ん?……えぇ、もちろん。いつでも遊びに来ていいわよ。

わたしも常にここにいるわけじゃないけど…また会えたら会いましょ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はぁ…今日は天気、良くないみたい…

この天気じゃ、流石にあの子も来てないだろうし…帰ろうかな…

あっ…君。こんなところで何してるの?

もう…貝殻拾いなんて、こんな雨の日にすることじゃないでしょ?

水位が上がって危ないんだから、早く帰った方が……危ない!

(抱き止める)

もう!言わんこっちゃない!こんな日に海に来るから…!

え……そうなの?わたしに会いに…?

そ、そう…ありがとう…

そりゃあわたしも嬉しいけど…でも雨の日の海は危ないんだから、無理しちゃダメ。わかった?

ん、よろしい。じゃあ安全なところまで移動しよっか。

…? どうしたの?急に固まって…

(抱きしめられる)

あっ、と……大丈夫?もしかして今の、怖かった?

そっか…よしよし。もう大丈夫だからね…

そうだ。よかったら、わたしの心音聴く?

うん。心音は人をリラックスさせる効果があるらしいから。

いいよ。ほら、胸に耳当てて…

(心音)

どう?少しは落ち着いた?

そっか…落ち着いたんならよかった。

さ、安全なところまで移動するよ。このままわたしに掴まって。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふぅ…ここならあの岩場よりは安全でしょ。

ん?あぁ、ごめんね。すぐ下ろすわね。よいしょ…

ふふっ、どういたしまして。君が無事でよかった。

ここから一人でお家まで帰れる?

え?うーん…困ったなぁ。わたしも一緒にいたいのは山々なんだけど…

わかった。じゃあお家まで送ってあげる。

大丈夫よ。見てて…それっ!

(ヒレが足に変わる)

ふふ、驚いた?短時間だけどお姉さん、少しの間だけ人間になれるのよ?

さ、行こっか。ご家族も心配してるだろうし。

えぇ、いいわよ。手、繋ごっか。

ふふ…弟ができたみたい。なんか嬉しい。

ううん、なんでもない。ただのひとりごとだから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ、あれが君のお家?

そっか…じゃあここでお別れね。

うん…わたしの魔法、長くは続かないから。

すぐ海に帰らないと、干あがっちゃうし。

もう…そんな泣きそうな顔しないの。男の子でしょ?

(抱きしめる)

大丈夫…また会えるわよ。いつものあそこに来れば。

うん、絶対。次の晴れた日にまた来て。

そうね、約束。またいつも通り、日向ぼっこでもしよっか。

うん、バイバイ。また海で会いましょ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
お姉さんマーメイドと日向ぼっこ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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