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ヴィランのヤンデレ女幹部に死ぬほど愛されるヒーロー ~葛藤編~ 
written by 平 朝臣
  • シリアス
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • 女幹部
  • ヴィラン
  • 彼女
  • 逆NTR
公開日2022年10月14日 21:19 更新日2022年10月14日 21:19
文字数
2109文字(約 7分2秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ヴィランの女幹部
視聴者役柄
ヒーロー
場所
活気に溢れた大通り→人気の少ない裏道
本編
(活気で溢れた大通りにて)


SE:人混みの声

SE:駆け足で寄ってくる足音

#息を切らしながら

はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。

ご、ごめんね…。

デートの支度に、手間取っちゃって…はぁ…はぁ…っ。

…へ?

君も、同じように遅刻して、今、来たばかりなの…?

#照れくさそうに笑いながら

な、なんだ…そうだったんだね、あはは…。

けど、よかった…。

久々に君とデートするから、遅刻したらどうしようって思ったけど、ある意味一安心だね。

くすっ…それじゃ、気を取り直して、行こっか。

SE:ゆっくり歩き去る足音

SE:人混みの声がフェードアウトする


(少し間を空ける)


(人気の少ない裏道にて)


そういえば、最近、ヴィランの出現がめっきり減っちゃったよね。

多分、最高幹部が2人もいなくなって、大幅に弱体化したからだと思うけど…。

ふふっ…でも、そのお陰で、こうやって君とデートできるんだから、私としては大歓迎なんだけどね。

…え?

構ってあげられなくてごめん、って…。

#慌てながら

べ、別に、謝らなくてもいいよ!

だって、君は『ヒーロー』なんでしょ?

なら、私のことなんか、気にしなくていいから。

#辛そうな表情で

というか、むしろ、私の方こそ、謝らなくちゃいけないの…。

『ヒーロー』である君の、一番近くにいながら、何も力になれてないんだから…。

…本当はね、君の妹ちゃんみたいに、肩を並べて戦いたかったんだ…。

そうすれば、ただ守られるだけの存在じゃなくなるはずと思ってね…。

…けど、現実はそう甘くはなくて…。

私の想いとは逆に、君の足枷となるだけだった…。

いつも、いつも、私を守るために、君が傷ついてばかりで…。

だから、時々、こう思っちゃうの…。

いっそのこと、君から離れてしまえば、全て解決するんじゃないか、って…。

でも、そんなことをする勇気もなくて、ただ時が過ぎていくだけで…。

…ねぇ、君…。

本当のところは、どうなの…?

私みたいな役立たずの彼女なんか、いない方がマシだって…きっと、そう思って…っ!

SE:リスナーが彼女を抱き締める音

#左耳 10cm 小声

ぁ…!

ど、どうしてなの…?

どうして、私なんかと…。

…え…?

偏見も恐怖も持たずに、接してくれるから…?

そ、そんなの、普通だよ…。

だって、分かるもん…。

こんなに優しい君が、ヴィランみたいなことするわけない、って…。

くすっ…でも、ありがとう…。

お陰で、ようやく、決心がついたんだ…。

たとえ、どんなことがあっても、私は、君の側にいるからね…。

SE:衣服が擦れる音

#正面 5cm 小声 色気を出しながら

ねぇ…来て…。

#瞼を閉じ、キスを待つように

んっ…。

#正面 10cm 鋭い声で

…っ!?

離れてっ!

SE:彼女がリスナーを突き放す音

#正面 通常距離

#険しい顔で

はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…っ。

危なかった…。

ここ最近活動を止めてたのは、このチャンスを狙うためだったとはね…。

とはいえ、遅かれ早かれ、こうなることは予想できてたけど…。

#普段の口調に戻って

…あれ?

どうしたの、君?

そんな呆けた顔しちゃって…。

#悲しそうな顔をしながら

…ふふっ、そっか…。

ついに、見ちゃったんだね…。

私が、この『力』を使って、ヴィランを倒す光景を…。

恐らく、君の想像通りだよ。

私も、君と同じ、『力』を使役できる存在…。

それも、ヴィラン最高幹部の一人に数えられるほどの、実力の持ち主として、ね…。

くすっ…実はね、ずっと前から、君のことが好きだったの。

それこそ、君が、彼女と付き合う前からね…。

#嫉妬を滲ませながら

…けど、私は、君を遠くから眺めていることしかできなかったの…。

私の『力』を恐れ、忌み嫌い、迫害する人間の存在が、私を阻んだせいで…。

『力』を持たないからこそ接近できたあの女が、君を奪い取ったせいで…!

#狂った笑みを浮かべながら

ふっ、ふふふ…!

だから、私は、ヴィランとなる代わりに、『あの方』から更なる『力』を授かったの…。

『ヒーロー』である君に近づき、その寝首を掻くという目的を装い…。

そして、あの女を殺し、なり変わるためだけに、ね…。

くすくす…どう?

今の私の顔、声、スタイル…。

どれ一つ取っても、あの女そっくりでしょ?

もちろん、君とあの女が紡いだ記憶も、しっかり受け継いでいるよ。

君との馴れ初めも、初めてのデートも、初体験も…。

全部、全部、全部、全部、ぜーんぶ…鮮明に、覚えているからね…。

ふっ、ふふふ…あははっ!

すごいでしょ、この『力』!

やっぱり、ヴィランになって…あの女を殺して、正解だったわっ!

あはっ、あっははは!

…ひゃぁっ!?

SE:リスナーが彼女を乱暴に押し倒す音

#正面 10cm 小声

#痛そうに呻きながら

んっ…んんぅ…はぁっ…。

#優しく微笑みながら

もう…痛いよ、君…。

私、君の彼女なんだよ…?

そんなに乱暴しちゃ、だめだって…。

くすくす…分かるよ…。

君が、今、考えていること…。

私を…殺したいんでしょ…?

ふふっ…でも、君に出来る…?

あの女の容姿も、性格も、想い出も持つ、この私を…。

『彼氏』としてじゃなくて、『ヒーロー』として…その手にかけられるの…?

それで、君は、本当に後悔しないの…?


(少し間を空ける)


…くすっ…やっぱり、優しいね、君は…。

SE:彼女がリスナーを抱き締める音

#左耳 5cm

んっ…はぁ…。

#慰めるように、優しく囁きながら

けど、それでいいの…。

私も、あの組織を抜けてきたから、君と敵対することもないしね…。

だから、これからは、私が、君を守ってあげるよ…。

無力なあの女に代わって…ね…。

くすっ…くすくす…。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヴィランのヤンデレ女幹部に死ぬほど愛されるヒーロー ~葛藤編~ 
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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