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ヴィランのヤンデレ女幹部に死ぬほど愛されるヒーロー ~破壊編~ 
written by 平 朝臣
  • シリアス
  • ファンタジー
  • 喧嘩
  • 切ない
  • ヤンデレ
  • 年下
  • 女幹部
  • ヴィラン
  • 闇堕ち
公開日2022年10月16日 21:55 更新日2022年10月16日 21:55
文字数
1882文字(約 6分17秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ヴィランの女幹部になった妹
視聴者役柄
ヒーローの兄
場所
瓦礫の山と化した市街地
本編
#荒い息を整える

ハァーッ…ハァーッ…ハァーッ…ハァーッ…!

#突然狂ったように笑い出す

…アハッ…アハハハッ!

なーんだ、こんなに簡単だったんだね…。

今まで、悩んでたのがウソみたい…。

これなら、もっと早くからやっておけばよかったのにね…。

お兄ちゃんも、そう思うでしょ…?

…どうしたの、お兄ちゃん?

そんなに、悲しい顔して…。

…こんなこと、もうやめろ?

アハッ…何、言ってるの、お兄ちゃん…。

むしろ、ここからが始まりなんだよ?

お兄ちゃんとワタシが、幸せに暮らせるための世界作りは…。

#少し悲し気に笑いながら

クス…お兄ちゃん、ワタシね…ずっと気づいてたんだよ…?

お兄ちゃんが、子供の頃から、『ヒーロー』に憧れてたことも…。

お兄ちゃんが、『ヴィラン』と同じ力を持って生まれたせいで、イジめられてたことも…。

それから、ワタシを守るために、1人で『ヴィラン』と戦い始めたことも…。

だけど、ワタシは、お兄ちゃんと違って、何も出来なかった…。

むしろ、いつも、いつも、守られてばかりで…。

だから、ワタシ、ずっと考えてたんだ…。

どうやったら、お兄ちゃんを守れるのかな、って…。

#不気味に笑いながら

クスクス…でも、そんな時に、『あの人』と出会って、こう言われたんだ。

「大切な人を守れる強さが、欲しくないか」、ってね…。

あ、もちろん、最初は断ったよ?

初対面の人に、いきなりそんなこと言われても、信用できないしね。

でも、最終的には、お兄ちゃんの傷つく姿を、これ以上見たくない気持ちの方がまさって…。

だから、ワタシは、『あの人』から、この『力』を受け取ったの…。

『あの人』が率いる組織の最高幹部…その最後の1人になるかわりに、ね…。

#狂った笑みを浮かべながら

アハッ…けどね、ワタシは、全然後悔してないよ!

だって、この『力』を手に入れたおかげで、今まで出来なかったことが出来るようになったんだもん!

お兄ちゃんを、守ることもッ!

お兄ちゃんを傷つけるヤツらを、始末することもッ!

お兄ちゃんの彼女を装って、擦り寄ってきた、あの『ヴィラン』の女を殺すこともッ!

全部、全部、全部、ぜーんぶ、出来るようになったんだ…!

アハハ!

だから、ワタシね、いいことを思いついたの!

今まで、お兄ちゃんを苦しめてきたヤツらや、『ヴィラン』を…!

うぅん…この世界を、全てブチ壊して…ッ!

そして、ワタシとお兄ちゃんが、いつまでも幸せに暮らせる世界に、作り直すのッ!

そうすれば、お兄ちゃんはもう、戦わずに済むんだからね…!

アハ、アハッ、アハハハッ!

ねぇ、ねぇ、スゴいでしょ、お兄ちゃん!

お兄ちゃんも、いい考えだと思うでしょ、ねぇッ!?

#急に正気に戻って、不安げに

…お兄ちゃん…?

なんで、頷いてくれないの、お兄ちゃん…。

ワタシ、お兄ちゃんのために、一生懸命考えたんだよ…?

なのに…なんで、褒めてくれないの…?

…こんなことをしても、幸せな世界は作れない…って…。

#歯軋り

ギリッ…。

#悔しそうに

どうして、分かってくれないの…?

お兄ちゃんの方こそ、何も分かってないじゃん!

どうせ、この戦いが終わっても、『ヴィラン』が生まれてくるのは止まらないし、その『力』を持った人間を差別する構造は変わらない!

それどころか、お兄ちゃんは、今まで以上に重い使命を背負わさせれるんだよ!?

『ヴィラン』と死ぬまで戦い続けるという、『ヒーロー』の宿命を…ッ!

#涙目になりながら

ワタシは、そんなお兄ちゃんなんか、見たくない…!

ワタシは、お兄ちゃんと一緒に、平和な生活を送りたいの…!

ただそれだけなのに…なんで理解してくれないの、お兄ちゃんッ!

#嗚咽を漏らす

グスッ…ヒック、エグ…。

#しばらく泣いた後、涙を拭って

…ッ。

分かった…それが、お兄ちゃんの答えなんだね…。

『ヒーロー』になったせいで、ワタシを倒さなくちゃいけなくなった、お兄ちゃんの…。

#突然、不気味に笑い出しながら

…クス、クスクス…。

SE:鋭い刃物を抜き放つ音

じゃあ、ワタシが、お兄ちゃんを負かして、その鎖を断ち切ってあげる。

そうすれば、『ヒーロー』っていう枷から解放されて、お兄ちゃんも自由になれるはずだもんね。

…どうしたの、お兄ちゃん?

まさかとは思うけど、ワタシと戦えないなんて、言うわけないよね?

クスッ…ダメだよ、そんなこと言っちゃ。

だって、お兄ちゃんは、『ヒーロー』なんでしょ?

なら、『ヴィラン』のワタシを、今ここで倒さななきゃ…。

そうすれば、きっと、叶うはずだよ。

お兄ちゃんが、ずっと目指してた、『ヒーロー』になる夢を…。

アハッ…でも、ワタシだって、負けないからね!

ワタシにも、実現させたい夢があるんだもん!

小さい時から、ずっと想い描いてた、お兄ちゃんと結婚する夢をね!

アハハハ!

それじゃ、いっくよー…お兄ちゃんッ!

SE:刃物を振るう音

SE:刃と刃が交差する音
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヴィランのヤンデレ女幹部に死ぬほど愛されるヒーロー ~破壊編~ 
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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