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自信家な超火力兵器はマスターへの恋心を嫉妬という感情とともに自覚した
written by 松平蒼太郎
  • SF
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  • 独占欲
  • 婚約指輪
  • 人型兵器
  • 戦闘
公開日2022年10月20日 19:13 更新日2022年10月20日 19:13
文字数
3590文字(約 11分58秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
人型兵器
視聴者役柄
マスター
場所
SF世界
あらすじ
人型の兵器が開発され、戦いが激化する時代の話。
とある組織の一員として戦っていた男は上層部の命により、人型の専属兵器を持つことになる。『彼女』との出会いは彼の運命を大きく狂わせていくことになる…


砲撃型兵器『エンペラー』
→組織の中では最も破壊力のある人型兵器。自らの身体に収納している大砲で数多の敵を粉砕する広域殲滅を得意としている。
性格は自信家で、自らの強さを信じて疑わない。マスターに対しては当初は頼りない印象を抱いていたが、自らに歩み寄ろうとするその姿に次第に心を開いていく。マスターの結婚が決まった際に、彼への恋心を爆発させ、無理やりマスター専用の婚約指輪を嵌めさせて、兵器である自分との婚姻を結ばせた。
本編
うーん…待ち合わせは
この辺りでいいはずなんですけれど…


え?……あ、もしかして
貴方がわたくしの新しいマスターですか?


あぁ、そうでしたか。
合流できてよかったですわ。
待ち合わせ場所を間違えたかと
思いました。


えぇ、初めまして。わたくしが
今日から貴方の専属兵器となります
「エンペラー」と申します。
以後、お見知り置きを。


えぇ。「エンペラー」は
わたくしのコードネームです。


これから同じ組織に属する
相棒(バディ)として共に頑張りましょう。


え?第一印象、ですか?


うーん…ちょっぴり
頼りなさそうですわね。
身体の線も細いですし。


ふふ、別に落胆する必要など
ありませんわ。


いかに貴方が頼りないマスターであろうと、
このわたくしがついている限り
敗北などさせません。


貴方はわたくしのマスターとして
ドーンと構えていればよろしいのですわ。


では早速、訓練場でわたくしの
性能をお目にかけて差し上げましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あら、少しやり過ぎたかしら?
訓練場の地形が変わってしまいましたわね。


え、ええっ⁉︎ そんなに酷いの⁉︎
これしきのこと、戦場では当たり前
ではなくて⁉︎


む、むぅ…わかりました。
以後は訓練場を壊さないように気をつけます…


ハァ…初っ端からわたくしとしたことが
やってしまいましたわ…


あら、そう言ってくださるなんて
優しいのね、貴方。


えぇ、実戦では必ず成果を上げて見せますわ。
どうか期待しておいてくださいな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふふふっ…いかがです?マスター?
わたくしの超火力は…


ちょっとなんですの、その言い方!
敵の方がかわいそうだなんて…!
そんな甘いことが戦場で通じるとでも⁉︎


まったく…優しいのはマスターの美点では
ありますけれど、欠点でもありますわね。


もしもの話ですわよ?
もし敵が投降したフリをして
マスターに特攻を仕掛けてきたらどうします?
敵もわたくしと同じ兵器なんですのよ?


そう。敵に甘い態度は見せないこと。
わたくしのマスターなら
それくらいは心得ておいてください。
いいですね?


ん、よろしい。ではわたくし、
少し燃料を補給してきますので、
マスターも食事を取ってきて
よろしいですわよ。


え?食事を一緒に?


いえ…人型ですから食事はできますけれど、
燃料をタンクにぶち込めば済む話ですし…
わざわざ食事など取らなくても…


はぁ…命令なら仕方ありませんわね。
お食事、ご一緒させていただきますわ。


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ふーん…人の摂る食事も
案外悪くありませんわね。


えぇ。なかなか美味でしたわ。
ここの食堂、わたくしの舌に合ったモノも
用意しているのね。


えぇ、構いませんわ。食事は
これから一緒に摂ることに致しましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あら?マスター?
今日はオフのはずですわよね?
どうしてわたくしの部屋に?


メンテナンス?それなら自分で
全部やっていますわよ?


えぇ。この基地は技師不足で
末端の兵器まで手が回らないらしいんですの。


ですからわたくし、メンテナンスは自分で
やることに決めているの。


そうすれば一人でも多く他の子たちに技師の方が
メンテナンスを行えるでしょう?


わたくしには、優先的に技師が回されるという話になっていたんですけれど…まぁこれくらいは自分でできるので大丈夫とお断りしておきましたわ。


あら、別に優しくありませんわよ?
これくらい強者として当然でしょう?


えぇ。わたくし、この基地では一、ニを争う
最優秀兵器ですもの。


え…マスターがわたくしのメンテナンスを?
どういう風の吹き回しですの?


そう…少しは機械いじりが得意というのですね。


わかりましたわ。
では、少しマスターにお任せしてみますわね。


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へぇ…自分から言い出す
だけはありますわね。


でももう少し丁寧に
扱ってくれると助かりますわ。


えぇ。仮にもレディーの
身体を触るんですから。


これでも結構デリケート
なんですのよ?わたくしの身体。


ふふ、分かればよろしいですわ。


今後もメンテナンスはよろしく
お願いしますわね?マスター。


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ハァッ、ハァッ…


全く、どれだけ湧いてくるんですの⁉︎
この敵兵器は⁉︎


量産型⁉︎ 面倒ですわね、もう!


仕方ありません!全員下がって!
わたくしが全て薙ぎ払いますわ!てーっ!


(敵部隊、壊滅)


ふぅ…これで敵部隊は全滅したはず…


(基地に通信を繋げる)


マスター、終わりましたわよ?マスター?


え……まさか、そんな…!


ッッ!やられましたわ!
急いで基地に戻らないと、マスターが…!


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あ……マスター?
目を覚まされました?


あ、あぁ…よかった、本当によかった…!


(抱きしめる)


マスター…申し訳ありません。
わたくし、敵の狙いを読み違えていましたわ。


えぇ…あの日、敵はわたくしたち主要戦力を
大量の量産型兵器を使って引きずり出し、
こちらの基地をガラ空きにしたのですわ。


あの時点でおかしいと思うべきでした。
敵はダラダラと戦いを長引かせるような行動
ばかりとっていましたし…


ですから申し訳ありませんでした。
マスターにこのような
重傷を負わせてしまって…


い、いえ、しかし…!
マスターを守ることも専属兵器としての
使命なのに、それを果たせずに
このような失態を…!


本当にお優しいですわね、マスターは…
わたくし、そんなマスターのことが好k…


…い、いえ!何でもありませんわ!
気になさらないでください!
それでは失礼します!


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わたくし今、何を口走ろうとしたのかしら…?
何かとんでもなく恥ずかしいことを…


おかしいですわね…胸がドキドキして
おさまりませんわ。何かの不具合でしょうか…


ほ、本職の技師の方に一度診てもらった方が
いいかもしれませんわね!


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うーん…結局不調の原因は
分からずじまい。なんだったのかしら…


あら?マスターと…知らない女性?
誰かしら…


…ッ、なんですの?
なんだかすごく不快ですわ…
何なんですの、この気持ちは…⁉︎


…あとでマスターに直接聞いた方が
手っ取り早そうですわね。


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マスター、お話が…って何ですの?
マスターもわたくしに話が?


え……それ、どういうことですの?
結婚って…何?


…嫌です。わたくし、マスターの
結婚なんて認められませんわ。


今、はっきり自覚しましたわ。
わたくしはマスターのことが好きなんだって。


えぇ。一人の女性として
貴方のことを愛しています。


ずっと不思議に思っていたんですの。
どうしてここ最近、マスターと話すだけで
動悸が早くなるのか…


でも、分かったんですの。
マスターが例の女性と仲睦まじげに話しているのを見たり、今マスターがその女性のモノとなることがはっきりしたりしたことで、ね?


わたくし、嫉妬していたんですのね…
マスターの人生のパートナーに
なるであろうその女性に…


ふふふ…まさか兵器であるはずの
わたくしが嫉妬という感情を経験することに
なるなんて思いもしませんでしたわ。


不具合や故障といったら
それまでなんでしょうけど…
わたくし、今の自分を
抑えられる気がしませんの。


マスター…貴方の意に背くことには
なりますが、マスターをわたくしの
私有物とさせていただきますわ。


ふふっ、無駄ですわよ。
わたくしを抑えるための安全装置
とやらは事前に外してありますから。


えぇ。わたくしと懇意にしている
技師さんに外してもらったのですわ。


いいえ?弱みなど握っておりませんわ。
ただ、「外してくれないとここで大暴れする」といったら快く解除してくれましたわよ。


これでマスターはわたくしを抑える
手立てを失ったわけですが…どうします?


ここでわたくしに永遠の愛を誓うか、拒否してこの基地もろとも爆破されるか…どちらがよろしくて?


マスターと勝手に婚約をしたあの女性も当然、巻き込まれるでしょうね…どうします?


あら、まだ首を縦に振らない?


マスター、考えてもみてください。


そもそも、貴方と専属の契約を結んだのはわたくしの方が先ですのよ?


それなのに、あの女がわたくしとマスターとの間に横槍を入れてきたのでしょう?


後からひょっこり現れた女にマスターを渡すなど
言語道断。絶対にあり得ませんわ。


というわけでマスター…貴方にはこれを
嵌めていただきます。


はい、指輪ですわ。わたくしが
マスターへの忠誠と愛を誓うための代物。


これでわたくしたちの絆は強固なものとなり、
わたくしもマスターへの信頼によって性能が大幅に強化されるというわけですわ。いいことづくめでしょう?


マスターのそばにいるべきは
このわたくし、『エンペラー』。


『絶対君主』の名において誓います。


マスターに仇なす者は残らず粉砕し、
マスターを未来永劫守り抜くと。


さぁ、マスター。誓いのキスを…


こら、顔を背けない。こっち、向いて?


(キス)


これにて誓いの儀は完了ですわ。


マスター…これからもわたくしが
貴方のことをおそはで
お守りしますからね。うふふ♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
自信家な超火力兵器はマスターへの恋心を嫉妬という感情とともに自覚した
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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