ツンツン
…ツンツンツン


あ、起きたね
おはよう
床に寝かせてしまっていることは…申し訳ない


ここはどこで、ボクが誰かって？
ここは、ボクの研究所で
ボクはキミをここへさらって…
連れてきた発明家だよ


急だったよね？
でも、すまない…
用があったから連れてきたんだ
…眠らせて、無理矢理だけど…


そうそう
キミへの用事だけど…


ボクの助手になってくれないかな？


キミ、さっき街で道案内をしていただろう？
他人のためにあれだけ尽くせるのなら
ボクの助手になってくれれば、ボクの発明の役に立つと思ったんだ


簡単なアルバイトだと思って…
どうかな？


ダメ？
まぁ、そう言うと思っていたよ


それなら…
強行手段だ


（スイッチを押す音）
（機械の駆動音）


驚いたかい？
ボクの発明した『マジックハンド君』だ
空中に浮いてて、いろんなことができるんだよ


そして、キミをターゲットに指定したからね
捕まえるか電池が切れるまで、ずっと追いかけ続けるよ


それに…


（スイッチを押す音）


ボクでもいくつ作ったか覚えてない程たくさんあるからね
せいぜい頑張って逃げ…って
もう捕まってるのかい…


まあいいや
マジックハンド君達、例の椅子に座らせて


（鍵がかかる音）


その椅子に座ったら、手首と足首、そして腰の部分についてる拘束具で動けなくするんだ
名付けて…うーん…
『拘束椅子君』だ


さてと…
ボクの助手になる気になったかい？


そう…まだダメか…


それじゃあ…


（耳元で）
もっと荒っぽいやり方でやるよ？
耳を…


（血を吸う音）


ふふ…また急だったね
少し血を吸わせてもらったよ


あ、言ってなかったね
ボク、吸血鬼だよ


それより、体が熱くないかい？
さっき、毒を投与したからね
ボクが噛んだところ、ジンジンするでしょ？


辛そうだね
ちょっとだけ耳、触ってあげる


サワサワ…


はい、おしまい
え？もっと？
うーん…


ボクにメリットがないなー
何かキミがしてくれるっていうのならなー


助手になる？
ありがとう


それじゃ…


（血を吸う音）


これでよし
もう逃げられないからね
またしばらくしたら、ボクに血を吸われたくなる


騙した？
別に、誰も解放するなんて言ってないじゃないか


それに、君は「助手になる」って言ったんだ
キミが逃げたら、それこそボクを騙したことになる


いいね？
別にキミを監禁するわけじゃない
たまに来てくれればそれでいいんだ


それより、拘束椅子君の拘束力をみたいから、抵抗してみてくれないかな？


むぅ…反抗的だな…


マジックハンド君でキミをこちょこちょとくすぐってあげたら、抵抗してくれるかな…


（金属音）


そうそう、いい感じだね
…うん、ありがとう
いいデータが取れたよ


それじゃあこれから
よろしくね

・台本（ゆるボイ！）
【フリー台本】クールっぽい発明家な吸血鬼
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
アイゼン