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元気で明るい洗脳型偶像兵器はだった一人の男のアイドルになることを決意する
written by 松平蒼太郎
  • シリアス
  • SF
  • 人外 / モンスター
  • ヤンデレ
  • アイドル
  • 人型兵器
  • 闇堕ち
公開日2022年10月27日 13:25 更新日2022年10月27日 13:25
文字数
2408文字(約 8分2秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
人型兵器
視聴者役柄
マスター
場所
某所
あらすじ
人型兵器でありながら、アイドルとしての活動を続ける女の子は、マスターである男をプロデューサーと呼んで慕っていた。
しかしある日、出来心で男の部屋に忍び込んだ彼女は、『極秘計画書』なるものを読んでしまい、自分が作られた本当の理由を知ってしまうのだった…
本編
あっ、いたいた!お〜い、マスター…
じゃなくてプロデューサー!


えー?いいじゃん、アタシ的には
マスターよりプロデューサー呼びの方が好きだし。


そっちの方がアイドルっぽくていいでしょ?
えへへっ♪


うん!なんたってアタシのコードネームは
『スターライト』だからねっ!


アイドルとして世界中のみんなを
笑顔にするんだ!


プロデューサーにはもっと
そのお手伝いをしてもらわないと!


もー!面倒くさいって言わない!
ほら、次のロケ行くよ!
時間は有限なんだからさっ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


んー!よく働いたぁ!


ね、プロデューサー!
今日のアタシ、どうだった⁉︎


えー⁉︎ 普通って、なんで⁉︎
テキトー言ってればいいと思ってる⁉︎


プロデューサーとしてちゃんとした
アドバイスしてよー!


むー…プロデューサーってば
イケズなんだから…


でもなんだかんだ付き合ってくれるとこは好きだなー。さすがアタシのプロデューサー。


うるさくないよ!元気が取り柄なだけだし!


ていうか、プロデューサー!
今度発売するアタシのオリジナルソングの
話はどうなってるの⁉︎
待ち遠し過ぎて夜も眠れないんだけど!


もー!またそうやってはぐらかす!
いい加減、教えてくれたっていいじゃんかー!


へ?危険って…何が?


あっ、こらー!
アタシから逃げるの禁止ー!
待ってってばー!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ〜、楽しかった!


やっぱりアイドルは舞台で
歌って踊ってこそだよね!


プロデューサー、ありがとね!
最高のステージ、用意してくれて!


ふふふ♪
もー、ツンデレだなぁ。プロデューサーは♪


ね、プロデューサーはさ…
アタシのこと、どう思ってる?


あ、いや、アイドルとしてじゃなくて…
一人の女の子として…どう?


…ホントに?アタシ、可愛い?
プロデューサーから見ても?


えへ、えへへ♪
やった、プロデューサーに
褒められちゃった♪


うん!ありがとね、プロデューサー!
なんかアタシ、これからも
アイドルとしてやっていける気がする!


アタシは兵器だけど…
人間の女の子には負けないもんねっ!


ずっとそばで見ててよね!プロデューサー!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ドアをノック)


プロデューサー?
あれ、いないのかな…珍しい。


あ、良いチャンスだし〜…
勝手に部屋、お邪魔しちゃおっと♪


(部屋に入る)


ここがプロデューサーの部屋かぁ…
なんかいい匂いするなぁ…


…まだ帰って来ないよね?
ちょっと引き出しの中とか
漁っちゃったりしても大丈夫だよね?


アイドルにはプロデューサーのことを
知る義務があるし…うん、ちょっとだけ
失礼しまーす…


ん?何これ?極秘計画書って…


な、に、これ…アタシ、こんなの聞いてない…


嘘、だよね…
プロデューサーがアタシのことを、そんな…


あはっ、あはははは…!


そっかぁ…そうだったんだ。
アタシが作られた意味って
そういうことだったんだ…


『兵器』としての使命、果たさなきゃね…
プロデューサーのためにも…ふふふっ…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ、プロデューサー…来てくれたんだ。
アタシの単独ライブに…


この会場ね、アタシがプロデューサーのためだけに
用意したんだよ?すごいでしょ?


え〜?そんなの決まってるよ。


アタシの『兵器』としての本分を
果たしに来たんだよ。


うん…プロデューサーの部屋にあった
『極秘計画書』、読んじゃった。


アタシってさ…みんなを笑顔にするために
作られたんじゃなかったんだね…


アタシが作られたのは…
世界中の人類を洗脳するためなんだよね?
アタシのこの歌声で…


この計画書がホントならさ…
今までアタシのファンになってくれた
人ってみんな、アタシの声に「洗脳」されてた
だけなんだよね…


ねぇ、プロデューサー…?
タチの悪いドッキリなら
そうだって言ってよ…


アタシ、一人でも多くの人が
元気になるならって、いっぱい
頑張ってきたんだよ?


だけど…今までやってきたことは全部、
アタシの兵器としての能力を試す実験に
過ぎなかった。そういうことだよね?


そしてプロデューサーは…
アタシの本当のマスターじゃない。


本当のマスターはアタシを使って
全ての人間を自分の下に隷属させようとした…


プロデューサーはそれを止めるために
アタシのプログラムを書き換えて
自分をマスターだと認識させた。


アタシをアイドルとして活動させつつ、
最終的には兵器としての機能を
凍結させようとした…


アタシを普通のアイドルにしようと
してくれたんだよね?その気持ちは
すごく嬉しいよ。


でもね…ダメなんでしょ?
機能だけを停止させるなんて
都合のいいことはできない。


アタシそのものを廃棄処分するしかない…
それがプロデューサーが下した結論でしょ?


あはは…謝らなくていいよ。
苦しかったでしょ?アタシの
処分をどうするかでたくさん迷って…


アタシもどうしよっかなって思って…
最終的にここでライブを開くことにしたの。
プロデューサーのために。


アタシのオリジナルソング…
聞いて欲しいんだ。プロデューサーだけに。


うん…オリジナルソングのデータ、
プロデューサーの部屋から
ちょろまかしちゃった。


あれ、元々先代のマスターが
人間を洗脳させるために作った曲なんだよね?


だったら…プロデューサーだけにそれ、
聴かせてあげるね。


アタシ、決めたよ。今日からアタシは
プロデューサーだけのアイドルになるって。


かりそめのマスター権限のおかげで、これまではアタシの歌を聴いても大丈夫だったみたいだけど…この歌はどうだろうね?


無駄だよ…プロデューサーは本当のマスターじゃないもん。だから、アタシの制御装置を作動させることは無理。


言ったでしょ?
プロデューサーはマスターじゃなくて
プロデューサー。今までも、これからも。


そうだ。ステージを始める前に、本当の
コードネームを名乗っておくね。


コードネーム『アイドル』。
全ての人間の偶像になれって意味で
つけられたみたいだけど…絶対そうはならない。


アタシにはプロデューサーだけいればいい。


大好きなプロデューサーさえ、アタシの
ファンでいてくれればそれで満足だから。


聴いて、プロデューサー…
貴方だけのための歌を…ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
元気で明るい洗脳型偶像兵器はだった一人の男のアイドルになることを決意する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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