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男勝りな近接特化型兵器に偽りの愛情を注がれる
written by 松平蒼太郎
  • SF
  • ヤンデレ
  • 人型兵器
  • 人型兵器
  • 依存
  • 男口調
  • 戦闘
公開日2022年11月18日 11:47 更新日2022年11月18日 11:47
文字数
2396文字(約 8分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
人型兵器
視聴者役柄
マスター
場所
某所
あらすじ
近接戦に特化した人型兵器「ブレイド」はマスターに裏切られ、廃棄処分されそうになる。自分を廃棄処分しようとしたマスターに復讐を誓う彼女だが、そんな折、マスターの双子の弟と出会う。彼女は間違って彼を殺しそうになるが、その彼からマスターが病気で亡くなったことを聞かされてしまい…?
本編
なぁ、マスター…ホントにここで
合ってんのか?


ふーん…で?
マスターが倒すべき敵ってのはどこ?


…は?ここって、どこだよ……ッッ⁉︎


(攻撃される)


何すんだよ、マスター⁉︎
トチ狂ったか⁉︎


は、はぁっ⁉︎ アタシが不要って…
どういうことだよ!説明しろよ!


(再び攻撃される)


うわっ!テッ、メェ…!
裏切ったな!


最初からこうするために
アタシを専属の兵器に指名したのかよ!


許さねぇ…!よくもアタシの
気持ちを踏み躙ってくれやがったな!


兵器として、もっとマスターの
役に立ってやろうとしたのに!


ぜってー潰す…!覚悟しろ、マスター!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マスター…アタシを廃棄処分するとか
言って逃げやがった…


クソ…クソクソ!
なんでだよ…!なんでいきなりこんな…!


マスターの、バカやろーッッ!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ〜…ずっとこんなとこで
シケてても仕方ねえな…


マスター…テメェはアタシが殺す。
アタシ以外の誰にも殺されんなよ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


よぉ、マスター。
なんか面白そうな遊びしてんな。
アタシも混ぜろよ。


なんだよ、その顰めっ面…
最愛のお人形ちゃんがわざわざ
会いに来てやったんだぜ?
ちょっとは嬉しそうな顔しろよ…なっ!


(攻撃、鍔迫り合い)


へぇ…腕上げたじゃん。
アタシの攻撃見切るなんてさ…


腕力も上がったなぁ。
兵器のアタシとまともに
鍔迫り合いできるなんて…


こりゃあ面白え遊びが
できそう…だっ!


(押し込む)


どうしたどうしたぁ⁉︎
アタシを廃棄するって息巻いてたのは
どこのどいつだっけか⁉︎


おいおい…もう逃げの算段
考えてんのか?もっと遊ぼうぜ?なぁ⁉︎


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あー、マスター…
お前、なんか様子おかしいな?
なんかアタシと初対面で会うみたい
じゃねえか。


おいおい、冗談きついって。
アタシだよ。マスターが
壊そうとしたお人形ちゃんだよ。


コードネームも名乗った方がいいか?


アタシは「ブレイド」。
見ての通り、近接戦に特化した人型兵器な。


…あ?ここまで言って思い出さねえって…
舐めてんのか?それとも記憶喪失か?


あぁ⁉︎ 人違い⁉︎ んなわけあるか⁉︎
テメェはどう見てもマスターだろうが!


やっぱお前、アタシのこと舐めてるだろ。
ギタギタに切り刻んで…!


んだよ…命乞いか?わりーけど、
今さらそんなもんは……ッ⁉︎


ホクロが、ねぇ…
マスターの首筋にはデカいホクロがあったはずだ…


お、お前…マジでマスターじゃねえの…?
双子の弟…?


わ、わりぃ!本気で勘違いしてた!すまん!


あ?…いいのかよ、そんな簡単に許して…


ふーん…なんか雰囲気が微妙に
マスターじゃねえな、お前。
顔だけはマジで似てるけど。


じゃあ質問だ。アタシのマスター…
お前の兄貴はどこにいる?


は?いない?嘘つくなよ。
アイツは今ものうのうとどっかで生きて…


…は?病気で死んだ?マスターが…?


う、嘘だろ…アイツがそんな簡単に
死ぬタマかよ!そんなの絶対あり得ねぇ!


は?遺書?マスターの…?


(遺書を広げて読み始める)


あはっ…ははは…!
バカだ、アイツ…!


別れを辛くさせないように
あんなくだらねえ芝居打ったのか…


だよな。冷静に考えてみりゃその通りだ。


本気でアタシを廃棄処分したいなら
マスター権限でアタシの全機能を
オフにすればいい。


わざわざ戦いを挑んだってことは…
多分そういうことなんだろうな。


ん、そっか…お前、マスターから
アタシに遺書渡すように頼まれてたんだな…


悪かったな。すげぇ迷惑かけた。
そんじゃ、アタシはこれで…


さぁな…ずっとその辺フラフラしてりゃ、
どこかで燃料切れて、勝手に朽ちるだろ。
もう生きてる意味もねぇしな。


あ?……お前がアタシのマスターに…?


いや、でも…アタシはお前のこと
本気で殺そうと…


(抱きしめられる)


んっ…バカ。そんな強く抱きしめんな。
痛えだろ…


いや…けど悪くねえ。
マスターもこんなふうに抱きしめて
くれたことあったっけか…


サンキュー…ちょっと胸貸してくれ…


(嗚咽)


マスターの、バカッ…!
こんなことされたら余計辛いじゃんかよ…!


アタシ、マスターのこと
嫌いじゃなかったのに…!


ちゃんと看取らせてくれよ…バカァ…!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おい、マスター!大丈夫か⁉︎
怪我なかったか⁉︎


そっか…よかった。マスターに
もしものことがあったらアタシ…


だ、大丈夫…なんか昔のこと思い出したら
身体震えてきちまって…


なぁ…マスターは大丈夫だよな…?
先代みたいに勝手にアタシを置いて
死んだりしねえよな…?


ホ、ホントだな⁉︎ 絶対だぞ⁉︎
アタシを置いてくなんて許さねえからな⁉︎


でもやっぱ不安だ…さっきだって
余裕で怪我しそうになってたし…


あ、マスター…さっきちょっと
隠れ家にいいとこ見つけたんだ。
ついてきてくれ。


いいから。ほら、早くついてこいって。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どうだ?けっこういいとこだろ?
周り森だし、敵からも発見されにくい。


まぁな。いつまでも寝無し草ってのも
アレかと思って。


…いい加減、落ち着いた場所で
お互い愛を育みたいよな?


(押し倒す)


隙だらけだぜ、マスター。
つか、アタシと打ち合うくらい
膂力あんのに、こんな簡単に押し倒される
なんて、どうしたんだ?


へぇ…そっか。よく分かってんじゃん。
アタシのこと。


マスターの言う通り、アタシはまだ先代の
ことを引きずってる。


ちゃんとマスターはマスターとして
見なきゃいけねえのに…未だに
先代と重ねて見えてさ…


ダメだよな、アタシ…
未だに先代への未練が断ち切れねえ…


マスターをこうやって押し倒してんのもさ、
多分アタシがマスターを先代と同じように
見てるからだと思う。


最低だよな…アタシが好きなのって
本当は今目の前にいるマスターじゃなくて…


(キスされる)


いきなり何すんだよ…


…いいのか?アタシ、もうお前を
お前として見れなくなるかもしれねえぞ?


代わりでもいいんだな?
もう取り消しは効かねえぞ?


分かった…なぁ、『マスター』?
アタシ、お前のことが好きだ。


最後にあんな喧嘩別れみてえな
終わり方して、寂しかったんだぞ…


もうアタシから離れんな…
アタシたち、ずっと一緒だから…な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
男勝りな近接特化型兵器に偽りの愛情を注がれる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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