裏の仕事に従事していた男はある日突然、一人の吸血鬼に襲われる。刀で武装した彼女の剣の技量は非常に高く、男は苦戦を余儀なくされる。一回目の戦闘では彼女をまくことができたものの、二回目の戦闘では身体をバッサリ斬られてしまい、死の淵を彷徨う。意識が朦朧とする中、彼女が男にかけた言葉とは…？

はぁ…つまらない。


ていうか、歯応え無さすぎ。


なんなの…？世の中の人間の男ってこんなに弱いものなの…？


ずいぶんあっさり斬られちゃうじゃん。


もっと抵抗してよ…じゃないと遊び甲斐ないし。


あーあ…つまんないの。もう帰ろ…


…あれ？あんなところに男が…？


あれ、遊び甲斐あるかなぁ…？


ちょっと試してみよ…ふふふっ♪


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(無言で斬りかかる)


おっ？躱された…


いい感じに不意打ちしたと思ったのに〜。


誰って？人斬りが趣味の吸血鬼ちゃんでーす！よろしくね、お兄さん♪


あははっ♪ 何？その貧相な拳銃一丁で対抗する気？


吸血鬼、舐めんなよー…


これでもあたし、けっこー強いんだから…ねっ！


(斬りかかる)


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はぁっ、はぁっ…


いいね、お兄さん…！中々やるじゃん…！


お兄さんみたいなのと出会いたかったんだぁ…！


今までの奴らは全然歯応えなかったから…ねっ！


(鍔迫り合い)


…っ！いいねぇ、お兄さん。その調子ッ…！


懐に短刀隠し持ってたなんて…用意周到だね。


けどぉ…その短すぎる刀でどこまで受け切れるかなぁ…？


このままだと押し切られちゃうね…どうする？


まさか吸血鬼と鍔迫り合いで勝つつもり？そんなわけないよね？


(蹴りを受けて後退する)


いっ、た…！ははっ、いい蹴りもらっちゃった…！


あはっ♪ お兄さん、尻尾巻いて逃げるの？


あたし、まだ全然満足してないんだけど〜？


えぇ〜？そんなつれないこと言わないで、もっと遊ぼうよぉ。


(男が逃げ去る)


あっ……もー、逃げちゃった。


ま、いいや。今日は疲れたし、ゆっくり休んでから、また遊ぼーっと。


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えへへっ…お兄さんっ♪ また会えたね♡


んー？ここにいるのはぁ、お兄さんの血をいただくため？


うん、血はこの刀で斬ってから飲む。


それのが噛みつくより手っ取り早いでしょ？


えー？だって噛みつくのとか面倒臭いし、ちょっとずつしか飲めないじゃん。


サクッと斬って、ドバーッて出たとこを一気に飲み干す方がよくない？


あ〜、それ、友達からもよく言われる〜。


「普通に噛んで飲めばいいじゃん」って。


あ、そうだったそうだった。あたしがここにいる理由ね。えーと…


そうそう！あたし、社長に雇われたんだ！


うん！「いつもうちの会社の邪魔するあの男を狩ってこい」って言われてさー、行ってみたらお兄さんだったってわけ。あたし、チョーついてる！


ん？お兄さん、社長と知り合い？


へー…ま、なんでもいいけど、早く遊ぼ？余計な邪魔が入る前にさ…


もー、またそんなつれないことを…


いいじゃん…超絶美少女剣士と遊べるんだよ？


むしろここで断る方が、これからの人生を送る上で損するんじゃない？


あはは！速攻でフラれちゃった！なんかウケる！


でもあたし、ホントにお兄さんのこと気に入ってるからさぁ…


あたしと、遊んでくれるよね？答えは聞かないけどっ！


(男に斬りかかる)


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…ッ！無駄、だよっ！逃がさないからっ！


(鍔迫り合い)


あーあ…また鍔迫り合いにもつれ込んじゃった…


ふふふ…酷いじゃん、可愛い女の子相手に逃げ出そうとするなんてさぁ…


嫌。絶対諦めない。


お兄さんみたいな人とはこれから先、絶対会えないから…！


だから…ここであたしに斬られて♡


それで、あたしにその血を提供して♡ お願い♡


むー…あたしのおねだり攻撃が効かないなんて…お兄さん、もしかしてそっち系の人？


あはは…そっかー、それならよかった…！


ほら…もうちょっと踏ん張らないと、押し込まれちゃうよ？それでもいいの？


(銃弾を腹に撃ち込まれる)


かはっ…ごほっ、ごほっ！


あ、はは…やるじゃん、お兄さん…


一瞬片手開けて.、即座に拳銃取り出して…迷わず引き金引くなんて、さ…


おかげでお腹に穴開いちゃった…痛いなぁ、もう…


でも…お兄さんもこれで終わり、だねっ…！


(男の身体を斬る)


はぁっ、はぁっ…あは、あははっ！


やった…！お兄さんに勝った…！あはは！


はぁ…それじゃあ、お兄さんの血、飲ませてもらうね…


(男の身体から流れ出る血を吸い上げる)


美味しい…やっぱりお兄さんの、美味しかった…！


はぁっ…傷口、塞がった。やったね♪


ふふっ、知らなかった？


吸血鬼は人の血を飲んで傷を回復するんだよ。


もうこれで逃げられないね…どうする？


えー、殺されたいの？それ、面白くなくない？


だって…お兄さんもまだあたしと遊び足りないでしょ？


あたしは足りないよ。もっと、もーっとお兄さんと遊びたい。


お兄さんをこのまま死なせたくないなぁ…


ね、もしよかったら、あたしの眷属になる？


そしたら、お兄さんの命は永らえるけど…どう？


ま、答えなんて聞く気ないんだけどねー。にひひっ♪


身体、起こすね。よいしょっ…


あーあ…血、たくさん出てる…


このままじゃ確実に死んじゃうね。


大丈夫…あたしが蘇らせてあげる。


心配しないで…お兄さんのこと、いっぱい愛してあげるから。


手始めに…契約のキス、交わそ？あたしに心を委ねて…


(キス)


愛してるよ、お兄さん…


最初は良い遊び相手くらいにしか思ってなかったけど…ここまで本気で殺し合ったのはお兄さんが初めてだから…


殺し合いってさ、究極の愛情の表現方法だと思わない？


だってさ、お互いの命を本気で奪い合ってるんだよ？


愛すべき相手に自分の本気を向ける…それって本物の愛に他ならないよね？


あたしは全力でお兄さんを斬り殺したから…お兄さんにはあたしの愛を受け取る資格があるんだよ。


怖がらないで…あたしを受け入れて。


あたしの眷属になったら、お兄さんは今よりもっと強くなれる。


強くなったらその分、あたしとたくさん遊べるでしょ？


あはは…いいよ、そんなの。


社長の命令なんてどうでもいい。


あたしはお兄さんを手に入れればそれで十分だから。


これからもいっぱい遊んで、いっぱい愛し合おうね？お兄さん♡ ふふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
美少女吸血剣士に付け狙われて血が足りない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎