（チャイムの音）

ねぇ...貴女、今日は放課後暇？

二人きりで話がしたいの。

ダメなら、それでも構わないけど。

...そう、よかった。

場所は屋上でいい？

...じゃあ、決まりね。

わたしは帰りの支度とか色々あって遅くなるから、悪いけど、先に行っててもらってもいい？

...ありがとう。

できるだけ早く終わらせるから。

それじゃ...。

（主人公が立ち去る足音とドアの開閉音）


（少し風が吹く屋上にて）

ごめん、待った？

...そう、よかった。

それで、話の内容だけど...。

...貴女、あの幼馴染の男と付き合い始めたの？

...そんなに慌てなくても、いいじゃない。

この手の噂は、女子の間ですぐ広まるから、わたしの耳にも入っただけ。

...もっとも、その反応を見る限り、噂は本当だったみたいだけど。

...怒ってる？

わたしが？

なんでそう思ったの？

...わたしもあの男を好きだった、から？

ふふっ...たしかに、普通ならそう思うかもしれないね。

けど...違うよ。

（少女が徐々に近づいてくる）

むしろ...。

（少女が主人公の至近距離で立ち止まる）

貴女が好きだったからよ。

（耳元で囁く）

ふぅー...。

（耳に息を吹きかける）

（主人公が少女から離れる）

ふふふ...かわいい反応するね。

そんな貴女も、愛おしくてたまらない。

けど、その顔をあの男にも見せてると思ったら...嫉妬で気が狂いそう。

...なんで、そんな目でわたしを見るの？

...わたしが、おかしい？

それは差別よ、貴女。

女の子が女の子を愛することなんて、なにもおかしいことじゃない。

むしろ、男女の恋愛なんかより、ずっと純粋で、精神的に完成された愛なのよ。

あの男も所詮、貴女を性的な対象として見ているだけ。

でも、わたしは違う。

貴女の優しいところも、
貴女の不器用なところも、
貴女の少し抜けているところも、
貴女の勉強が苦手なところも、
貴女の運動が苦手なところも、
貴女の内緒にしているオタク趣味や性的な嗜好も、
全部ぜーんぶ...。

わたしは受け止めて愛せる。

ふふふ...これが本当の愛なのよ、貴女。

（呆然とする主人公に歩み寄る少女）

んんっ...。

（少女はおもむろに主人公にキスする）

っは...ごちそうさま。

背徳的で、甘美だったよ。

ようやく貴女と口づけできて、嬉しい。

嬉しすぎて、記念に撮影しちゃった。

（禁断のキスシーンを撮影したスマホの画面を見せつける）

うーん、よく撮れてるね、これ。

我ながら、いい写真だと思うよ。

もちろん、わたしと貴女の記念すべき第一歩として、大切に保管させてもらうね。

でも、この喜びは世界中の人に分かち合ってもらいたいものよねぇ...。

たとえば、SNSに投稿したりとか...。

...どうして、そんなに慌てているの？

あっ、分かった！

彼氏に気を遣っているの？

それなら、問題ないよ。

わたしが投稿する前に、別れてくればいいの。

そうすれば、彼氏の方も納得してくれるよ。

中々いい考えだと思うけど、貴女もそう思うでしょ？

ね？

...ふふっ、分かってくれて嬉しい。

...あれ、泣くほど嬉しいの？

そう...ふふふっ。

（静かに涙を流す主人公を抱きしめ、耳元で囁く）

わたしも嬉しい...。

この嬉しさを忘れずに、一生愛し合いましょう...。

あ・な・た♥️

・台本（ゆるボイ！）
【女性向け？】彼女の異常な愛情【ヤンレズ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣