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【男性向け】Clérambault's Syndrome【ヤンデレ】
written by 平 朝臣
  • 後輩
  • ヤンデレ
  • ストーカー
  • 片思い
  • メンヘラ
  • 年下
  • 学校/学園
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年12月02日 23:29
文字数
2513文字(約 8分23秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
後輩
視聴者役柄
先輩
場所
現代
あらすじ
ある日、屋上でいじめられていた後輩(演者)を偶然助けた主人公(視聴者)だったが、それ以来、後輩からストーカーのようにつけ回されることになる。
主人公は、後輩の依存的な好意に気づく一方、経緯から安易に断ることができず、事実上黙認していた。
かわりに、冷たくあしらうことで諦めさせようとするものの、後輩はなおも好意を捨てず、苛立ちばかりが募っていくこととなり、ついに―――。
本編
(朝、登校中にて)


あ...お、おはようございます、先輩...。

ぐ、偶然ですね...えへへ...。

...ここ最近、ずっと会ってるだろ、ですか?

そ、そんなことありませんよ...。

ほ、本当に、偶然なんですから...。

で、でも、通学路がいつもと違いますね...。

普段は、最短ルートをゆっくり歩いてるのに、今日は、回り道ですし...。

そ、それに、最近は、朝早く登校することが多いですよね...。

こんなに早く家を出ることは、今までなかったと思うんですけど...。

#眠そうに

おかげで、私も、早起きが習慣になってしまって...。

#欠伸する

ふあぁ~...。

SE:主人公が突然駆け出す足音

#眠そうな雰囲気から一転、慌てながら

...って、あ、せ、先輩...!?

なんで、いきなり走り出すんですか...!?

お、置いてかないでくださいよ~...!

SE:後輩が主人公を追いかける足音


(間を空ける)


(午前中の授業の合間、主人公の教室前にて)


SE:チャイムの音

はぁ...なんで、先輩は走っていっちゃったんだろう...。

別に、変なことはしてないはずなのに...。

...ちょうど、休み時間だし、先輩に聞いてみようかな...。

SE:教室のドアの開閉音

し、失礼します...。

あ、あの、先輩...今日の朝のことで、聞きたいことが...。

#目を見開く

っ...!?

せ、先輩...この女の人は、誰なんですか...?

...え?

先輩の...お、幼馴染...?

#安堵する

そ、そうなんですか...。

#何かに気づいたように慌てて

あ...で、でも、ちょっと待ってください...!

こ、この人とは、どういう関係なんですか...?

幼馴染って言いましたけど...じ、実は、そういう関係だったりするんじゃないですか...!?

せ、先輩、答えてくださいっ...!

#会話に割り込んできた幼馴染を、キッと睨み返しながら

...っ!

貴女は、口を挟まないでください...!

私は、先輩に...っ!

#主人公に宥められ、困惑しながら

...って、せ、先輩...?

べ、別にそういう関係じゃないから、落ち着け...ですか...?

ご、ごめんなさい...つい、興奮してしまって...。

#泣きそうなほどに不安げな瞳で見つめながら

あ、あの、先輩...。

私のこと、嫌いになりましたか...?

わ、私...先輩がして欲しいことなら、なんでもしますから...。

だから、嫌いにならないでください...。

じゃないと、私...っ。

SE:チャイムの音

あ...もう、授業が始まっちゃいますね...。

すいません、先輩...。

お昼になったら、また来ます...。

では、失礼します...。

SE:教室のドアの開閉音


(間を空ける)


(昼休み、屋上にて)


SE:チャイムの音

SE:屋上のドアの開閉音

#息を切らせながら

はぁ...はぁ...やっと見つけました...。

せ、先輩...屋上で食べてたんですね...。

はぁ...はぁ...て、てっきり、いつもみたいに...教室にいるかと思ってました...。

はぁ...はぁ...ふぅ~...。

SE:ベンチに座る主人公の隣に後輩が座る音

あ...先輩、お茶、いかがですか?

え...いらない、ですか...。

ご、ごめんなさい...。


(しばらく沈黙が流れる)


#重い雰囲気を変えるように、無理矢理明るく切り出しながら

そ、そういえば、先輩と初めて会ったのも、ここでしたね...!

あの時、私は、いつものように、ここでいじめを受けてました...。

同じクラスの女子達に制服を脱がされ、下着姿を写真に撮られて...。

私は泣きながら、その写真を消去するように頼んだんですけど、かわりに、お金を要求されました...。

けど、それは、普通の女子高生が持ち合わせてるような金額じゃなくて...。

なのに、女子達は、それを明日までに持ってこなければ、写真をばらまくと脅迫してきたんです...。

当然、先生や警察に、連絡することも考えました...。

でも、当時の私は、それを選ぶ勇気すら、持っていませんでした...。

もう諦めて、素直にお金を工面しようかと思ってた時...。

先輩が、屋上に現れたんです...。

今でも、その時のことは、鮮明に覚えています...。

先輩は、逃げ出そうとする女子達を片っ端から捕まえた後、いじめの内容を全て吐かせ...。

そして、あられもない姿の私に、制服をかけたと思いきや、そのまま去っていきました...。

しかも、次の日には、それまでのいじめも含めた、女子達の悪行が、白日の下に晒され...。

結果、私は、ようやく、いじめから解放されたんです...。

あの時は、学校中が大騒ぎになりましたけど、私を救ってくれた先輩の名前が、出てくることはありませんでした...。

#苦笑しながら

というか、むしろ、先輩だけが、いつも通りに生活してましたからね...。

...でも、私は、一生忘れませんから...。

先輩が、私のヒーローだってこと...。

...って、あ、あれ...?

先輩、もう食べ終わって...。

SE:主人公が後輩を置いて屋上から立ち去る足音

#慌てながら

あ、せ、先輩...!

どこに行くんですか...!?

わ、私、まだ、食べ終わってないんですよ...!?

SE:後輩が主人公を追いかける足音


(間を空ける)


(放課後、下校中にて)


SE:チャイムの音

せ、先輩...!

きょ、今日は、もう帰るんですか...?

じゃ、じゃあ、一緒に帰り...。

#面食らったように

...え?

これ以上、俺にまとわりつくな...って...。

ど、どういう意味ですか...?

だ、だって、今日の朝は、一緒に登校しましたし、お昼も屋上で二人で...。

そ、それって、先輩が私のこと...す、好きだからじゃないんですか...?

じゃないと、説明つかないじゃないですか...。

そ、そうですよね、先輩...?

#呆然としながら

...え?

お前のことは、嫌いじゃないが...好きでも、ない...?

#声を震わせながら

よ、よく分かりません...。

じゃ、じゃあ、先輩は、好きでもない女の子と一緒に登校したり、お昼ご飯を食べたりするんですか...?

そ、そんなの、おかしくないですか...?

ねぇ、先輩...答えて...っ!

#小さく悲鳴をあげる

ひゃっ...!?

#パニクりながら

な、なんで、急に、怒鳴るんですか...!?

わ、私、おかしなこと言ってませんし、先輩を怒らせることなんか...!

#絶望に染まった表情で

...ぇ?

それは、ただ、我慢してただけ...って...。

#泣きそうになりながら

な、なに、言ってるんですか...?

わ、私...先輩の言ってることが、理解できません...!

だって、先輩は、私を助けてくれて...そこから、私を好きになって...っ!

SE:先輩が逃げ出す足音

#悲痛に叫びながら

って、せ、先輩...!

ま、待ってください...!

私っ...!

...っ。

#涙声で

先輩...どうしてなんですか...。

教えてくれないと...私、分かんないですよ...。

先輩......先輩......。

......。

#突如として、静かに狂気を醸し出しながら

......あ、そっかぁ...。

先輩は、私を、試してるんですね...。

私が、本当に先輩を好きだってことを、証明して欲しいんだぁ...。

ふふっ...そういうことなんですね...。

分かりましたよ、先輩...。

私、絶対に、先輩を捕まえてあげますからね...。

ふふふ...ふふふふ......!!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【男性向け】Clérambault's Syndrome【ヤンデレ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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