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【男性向け】一つだけの居場所【ヤンデレ・ツンデレ】
written by 平 朝臣
  • ツンデレ
  • 幼なじみ
  • 後輩
  • ヤンデレ
  • 年下
  • ストーカー
  • 修羅場
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年08月28日 15:42
文字数
3697文字(約 12分20秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
2 人
演者役柄
後輩&幼馴染
視聴者役柄
その場にいない先輩(幼馴染)
場所
現代
本編
(喫茶店のドアが開き、閉まる音)

後輩(以下、後):...へぇ、結構お洒落ですね。

幼馴染(以下、幼):でしょお?

なんたって、私とアイツが小さい頃からあった、昔ながらの喫茶店だからね。

後:こんな穴場があるとは知りませんでした。

先輩とデートする時はここにするのも、悪くないですね。

幼:あーはいはい。

そんなことよりも、さっさと座りましょ。

後:...それもそうですね。

(後輩と幼馴染が席に座る)

幼:私はカフェラテでも頼もっかなー。

アンタはどうする?

後:私はブラックにします。

幼:ブラック!?

見かけによらず、結構大人な嗜好なのね...。

後:先輩がブラックが好きなので、私も好みを合わせようと思いまして...。

それに、もし先輩と結婚したら、そういった好き嫌いも気にしないといけませからね。

将来、先輩の妻となる身としては、無視できない問題です。

幼:...あっそ。

じゃあ、注文しとくわね。

...あ、すいません。

カフェラテ1つとブラック1つ、お願いします。

後:...幼馴染さん。

なぜ、先輩に内緒で、私を喫茶店に誘ったんですか?

幼:...別に、大したことじゃないわよ。

アイツが最近気にしてるアンタがどんな人間か、ちょっと気になっただけ。

特に、深い意味はないわ。

後:...本当に、そうですか?

なら、先輩が同席しても、問題ないはずです。

なのに、わざわざ先輩が外せない用事がある日を選んだ上で、私との会話の場を設けるなんて、おかしいと思いませんか?

幼:...ハァ。

まぁ、そうよね。

何の目的もなく、仲が良くもないアンタを誘うなんて、する意味がないわ。

後:では、なぜ...。

幼:まどろっこしいのは嫌いだから、単刀直入に言わせてもらうわ。

...これ以上、アイツにつきまとわないで。

伝えたいことは、それだけよ。

後:...どういう意味ですか?

よく分かりません。

幼:そのまんまの意味よ。

アンタがしつこくつきまとってくるせいで困ってるって、アイツに相談されたの。

だから、幼馴染の誼として、ちょっと助けてあげよっかなって思っただけよ。

後:...でしたら、問題ありません。

それは先輩なりの照れ隠しです。

本当は、私のことが好きなんですよ、ふふふ...。

幼:...アンタ、本気でそう思ってんの?

もしそうなら、病院行った方がいいわよ?

後:心配には及びません。

私は至って、正常ですから、ふふ...。

幼:アンタみたいな自覚がない人が、一番危険なんだけど...。

まぁ、私が一言二言言ったところで、すぐに解決するとは思ってなかったけど、ここまで深刻とはね...。

流石に私も、アイツに同情するわ。

後:よく分かりませんが、先輩は困ってなんかいませんよ?

だって、いじめられていた私を助けてくれた上に、受け入れてくれたんですから...。

これはもう、相思相愛といっても過言ではありませんよ、ふふふ...。

幼:ハァ...あのね!

それがそもそも、間違ってるのよ!

アイツは、そこまでアンタのことなんか考えてないわ。

昔っからそうだけど、そういうのを見過ごせない性格なだけよ。

そのくせ、不器用な気遣いしかできないから、色々誤解されやすいのよね。

多分、いじめから助けたアンタを強引に突き放したら、最悪自殺でもしかねないんじゃないかって、アイツは思ってるはずよ。

じゃなきゃ、いちいち私に相談するわけがないでしょ。

後:...なんで、そこまで言い切れるんですか?

それは、貴女の想像ですよね?

であれば、私と先輩の仲を邪魔するような真似をしないでほしいんですけど。

幼:分かるわよ、幼馴染だし。

だいたい、何年アイツと一緒にいたと思ってんの?

年季が違うのよ、年季が。

高校から知り合った程度で、アイツを分かったフリしてる誰かさんとは違って、ね...。

後:っ...!

...ふ、ふふふっ...。

幼:...なにがおかしいのよ?

後:いえ、なんでもありませんよ...くふふ...。

幼:なら、いいけど...。

...あ、ちょうど来たわね。

(テーブルの上にブラックコーヒーとカフェラテが置かれる)

幼:はい、どうぞ。

後:...ありがとうございます。

幼:いいわよ、気にしなくて。

私から誘ったんだから、これぐらいどうってことないわ。

それより、冷めない内に飲んだ方がいいわよ?

コーヒーは、淹れたてが一番美味しいんだからね。

後:分かりました...では、いただきます。

(後輩がコーヒーを一口味合う)

後輩:ん...はぁ...。

...すごく美味しいですね、これは。

幼:でしょ?

私はブラックを飲まないから、分かんないけど、ここの喫茶店では、豆の入手から焙煎まで、すべて自前なのよ。

だから、味も香りも信頼も、一級品なのよね。

後:それはすごいですね。

手間暇はかかりますけど、その店ならではの味わいが楽しめるのは、個人的には好きです。

幼:フフ...そうよね。

でも、最近は、個人経営の喫茶店自体が激減しちゃってるから、なんだか寂しいわよね...。

...ま、それは置いてといて。

私も、熱い内に、飲まないとね。

(幼馴染がカップに手をつける)

後:...そういえば、幼馴染さん。

幼:ん?

どうしたの?

(幼馴染がカップに口をつける)

後:幼馴染さんって、先輩のことが好きなんですか?

(カフェラテを口に含んだばかりの幼馴染が咳き込む)

幼:んむ!?

ゲホ...ゲホッ...!!

後:だ、大丈夫ですか...?

幼:ッハァ...だ、大丈夫よ...フゥ...。

って、そんなことより、どういう意味よ、それ?!

後:どういう意味って...そのまんまの意味ですけど...。

幼:そ、そんなわけないでしょーが!

だいだい、私とアイツはただの幼馴染よ。

それ以上でも、それ以下でもないわ。

後:...へぇ、そうなんですか...ふふふ...。

幼:な、なによ...。

別に、私はアイツのことなんか...。

後:嘘、ですね...。

幼:...ハァ?

後:昔から先輩のことが好きなのに、一向に素直になれないせいで、幼馴染から脱却できないんですよ、幼馴染さんは...くふふ...。

幼:ッ!

アンタ...!

後:ようやく分かりました。

貴女が、執拗に私と先輩の関係に口出ししてくる理由が...。

本当は、先輩を取られるのが怖いんじゃないですか?

幼:なッ...!?

後:でも、残念ですね...幼馴染さん。

皮肉なことに、貴女の言う通り、先輩は貴女を幼馴染としてしか見ていません。

その証拠に、以前私が先輩の教室を訪ねた時、先輩自身がそう言ってましたからね、ふふふ...。

幼:あ、あれは、興奮するアンタを鎮めるための方便よ!

そうに決まってるわ!

後:本当に、そうでしょうか?

あの口振りは、どう考えても先輩の本心だったと思うんですが...。

それに、付き合いの長い幼馴染さん自身が、それを見抜けないはずがありませんよね?

じゃなきゃ、先輩の影に隠れてあんな悔しそうな顔をしなかったはずですよ、くふふっ...。

幼:くッ...!

後:哀れな人ですね、貴女は...。

何年もの間、先輩を想い続けても、恋人になるどころか、距離すら縮まず...。

幼:やめなさい...。

後:挙げ句の果てに、先輩が気にかける私に嫉妬して、その恋路を邪魔しようとする...。

惨め過ぎて、嗤ってしまいますよ、くふふふ...。

(幼馴染がテーブルを叩いて立ち上がる)

幼:やめなさいって、言ってるでしょ!!

(幼馴染の反応を見た周囲の客がざわつく)

後:そんなに大声を出さないでください。

周りのお客さんの迷惑になりますから、ね...。

幼:ッ...!

(幼馴染が悔しそうに席に座る)

幼:くぅ...っ!

後:まぁ、そんなに怒らないでください。

私は幼馴染さんのこと、嫌いではありませんから。

...もっとも、私と先輩を引き裂こうとするのであれば、話は別ですが。

幼:...私は、今日だけで、アンタのことが大ッ嫌いになったけどね。

一瞬でも仲良くなれると思った私がバカだったわ、ホント...。

後:それは残念ですね...。

でも、仕方ありません。

私も貴女も、互いに譲れないものがありますからね。

幼:...悔しいけど、そうね。

でも、アンタだけには、絶対に譲らないわ。

アイツのためにもね...。

後:最終的に判断するのは、先輩自身です。

まあ、先輩が私を嫌いになるはずがありませんけど。

幼:フン...一方的な思い込みで、よくそこまで言えるわね。

後:それは、幼馴染さんのことでしょう。

私は違いますから。

私は先輩のためなら、なんでもしますし、どこまでも素直なキモチをぶつけるつもりです。

いつまでも幼馴染の立場に甘えている誰かさんと違って、ね...。

幼:ッ...!

後:さて、そろそろいい時間ですし、私は失礼させていただきます。

幼:...どこ行くつもり?

後:決まってるじゃないですか。

先輩がいる場所です。

そこが、私の居場所ですから...。

幼:居場所、ね...。

後:ええ、そうです。

いじめられていた私を救ってくれた先輩の隣...そこが、私にとっての安住の地なんです。

幼:...フフッ。

後:...なにか、おかしなことでも言いましたか?

幼:悪いけど、そこは幼馴染の特等席なのよ。

私にとっても、アイツにとっても...。

小さい頃からの付き合いに勝るものなんかないわ。

後:...では、こうしましょうか。

貴女と私、どちらが先輩の居場所として相応しいか、勝負をつけましょう。

幼:いいわね...望むところだわ。

だけど、今までの私と違って、手加減なんかしないけどね。

後:ふふっ...そうですか。

では、今日からスタートですね。

幼:お互いに望むものは、一つだけの居場所...。

後:手に入れられるのは、一人だけ...。

幼:たとえ、どんな手段を使っても...。

後:必ず、手に入れます...。

(以下の台詞は、左右側からそれぞれ同時に重ねてください)

後:先輩は、もちろん、私を選びますよね?

幼:アンタは、もちろん、私を選ぶわよね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【男性向け】一つだけの居場所【ヤンデレ・ツンデレ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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