- 耳かき
- ボクっ娘
- 犬娘
- 犬耳
- 擬人化
公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年08月25日 02:18
文字数
2425文字(約 8分5秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
犬娘
視聴者役柄
主人
場所
現代
あらすじ
仕事終わりのある日、あなた(聞き手)が自宅のドアを開けると、見知らぬ美少女(演じ手)が、猛ダッシュで抱きついてきた。
もちろん、あなたに身に覚えなどないが、話を聞いてみると、なんと彼女の正体は、あなたの飼い犬ーーー『シノ』が擬人化した姿だったことが判明する。
そして、『シノ』は、あなたへの奉仕をせがんだため、あなたは、耳かきをリクエストすることとなった。
『シノ』のそれまでの人生と、あなたへの感謝の気持ちを語られながら―――。
もちろん、あなたに身に覚えなどないが、話を聞いてみると、なんと彼女の正体は、あなたの飼い犬ーーー『シノ』が擬人化した姿だったことが判明する。
そして、『シノ』は、あなたへの奉仕をせがんだため、あなたは、耳かきをリクエストすることとなった。
『シノ』のそれまでの人生と、あなたへの感謝の気持ちを語られながら―――。
本編
(ご主人様が帰宅、ドアを開ける音)
...あっ、ご主人様ーっ!
(犬娘がダッシュで駆け寄り、勢いよくご主人様に抱きつく)
お帰り、ご主人様っ!
一人で寂しかったけど、ちゃんとお留守番できたよ!
誉めて誉めてっ!
ホラホラ、早く頭ナデナデして~……って、アレ?
どしたの、ご主人様?
なんかすっごく変な顔してるけど?
……君は誰?
ウソでしょっ?!
ボクだよ、ボク!
ご主人様の愛犬、『シノ』だよ!
ひどいよ、も~…。
…ま、でも、仕方ないよね。
ボクもご主人様と同じヒトになれたこと、今でも信じられないくらいだから。
あっ、そんなことよりも、ご主人様!
ご主人様は、ボクになんかして欲しいことってある?
ボクにできることなら、なんでもしてあげるよ!
…特にない?
ダメだよ、それじゃ!
本当になんでもいいんだから、遠慮しないでよ~…。
...じゃあ、耳かきをしてくれ?
耳かきって、ご主人様がたまにしてくれる気持ちいい“アレ”のこと?
別にいいけど、本当にそんなことでいいの?
...うん、分かった!
それじゃ、すぐにやろっ!
ほーら、ご主人様、早く早く!
(シノがご主人様の手を引っ張りながら駆ける足音)
はい、じゃ、ご主人様は横になって。
今日はボクが膝枕してあげるからね。
(ご主人様がシノの膝に頭を乗せる。耳の左右はお好みで)
...膝枕って、こんな感じなんだね。
いつもご主人様がしてくれてるから分かんなかったけど、膝を動かさないようにじっとしてなきゃいけないから、足が痺れちゃいそうだよ...。
...だ、大丈夫だよ、ご主人様!
ご主人様がして欲しいって言ってくれたことなんだから、ボクは平気だよっ。
...んじゃ、始めるよー。
(耳かきパートスタート。アドリブで台詞を入れてもOK)
......こんな感じで大丈夫?
......上手?
......えへへ、ありがとっ。
......ねぇ、ご主人様。
......ちょっと、昔話してもいい?
......ありがとう。
......ご主人様も知ってると思うけど、ボクはご主人様に選んでもらったわけじゃないんだ。
......ご主人様に迎えてもらう前、別のご主人様と一緒に暮らしてたんだ。
......そのご主人様はご主人様より若くて、幼い子供だったけど、ご主人様と同じくらいボクを可愛がってくれてね。
......だから、ボクもそのご主人様と一生添い遂げられると思っていたんだよ。
......けど、そのご主人様はそう思っていなかった。
......最初の内は楽しそうにボクにご飯をくれたり、毎日のようにお散歩に連れていってくれたんだ。
......でも、ボクがご主人様の言うことを聞かないと頭を叩いたり、ご主人様のお母さんやお父さんがすっ飛んできてハウスに入れられたりしたんだ。
......それに、ご主人様はご飯をくれたり散歩に連れていってはくれたけど、トイレの始末だったりそういうことは嫌がったんだ。
......だから、いつの間にかご主人様はお世話してくれなくなって、かわりにご主人様の家族に押し付けるようになったんだ。
......そして、ある日、ボクはご主人様と一緒に見たことのない施設に連れてかれた。
......ボクはてっきりお出かけかと思って、ずっとウキウキしてた。
......ご主人様が知らない人にボクを渡して、二度と帰ってこなくなるまでは。
......そこで初めて気がついたんだ。
......ボクは、ご主人様に捨てられたんだってことを。
(耳かきパート終了)
...こっちは終わったよ、ご主人様。
...どうしたの、ご主人様?
次は反対側をやるから、頭の向きを変えなきゃできないよ?
ホラ、早く早く。
(ご主人様が頭の向きを変える)
...じゃ、こっちも始めるね。
(反対側の耳かきパートスタート。こちらもアドリブなどは自由です)
......で、さっきの話の続きなんだけど。
......ボクが置いてかれた施設には、ボクと同じようにご主人様から捨てられたイヌがたくさん集められてたんだ。
......みんなボクと同じようにご主人様の元に帰りたがってたけど、ほとんどは迎えに来ないことに気づいて諦めてた。
......だから、ボクもせめて新しいご主人様に会えるようにって願ったんだ。
......けど、いつまで経っても新しいご主人様は来なかった。
......そんなある日、ボクと仲のよかったイヌが、施設の人に連れられてゲージの外に出ていったんだ。
......ボクは新しいご主人様が見つかったのかなって、思ったんだ。
......でも、数時間経った後、施設の人に抱えられて帰ってきたんだ。
......呼吸が止まった状態で。
......そこでボクはあの施設に預けられた本当の意味に気づいて絶望した。
......あそこは、新しいご主人様に会える場所じゃないことを思い知らされたんだ。
......そして、次の日、今度はボクがゲージの外に連れ出された。
......あの時は流石にボクも死を覚悟したよ。
......だから、抵抗もせずに、ハウスの中に入って連れてかれたんだよね。
......だけど、ハウスから出た時には、知らないお家の前にいたんだ。
......あの時はボクもどうしていいか分からなくて、お家の前を右往左往してたよ。
......でも、お家の前に立っていた人が優しく抱いてくれたことでようやく実感したんだ。
......ボクは、新しいご主人様に巡り会えたんだってことをね。
(耳かきパート終了)
...昔話も、耳かきも、これで終わり...だね。
...ねえ、ご主人様。
ボク、時々思うんだ。
いつか、またあの時のように、ご主人様に捨てられちゃうんじゃないかって。
だから、ボクが人間になった後に考えたんだ。
どうしたら、ご主人様に嫌われないのかなって。
結局、何も思いつかなかったけど、ご主人様が喜んでもらうことが一番じゃないかなって思ったんだ。
ボクがご主人様になんでもしてあげるって言ったのはそういうことなんだよ。
...ご主人様。
ボク、本当になんでもするから、だから...。
(ご主人様がシノを抱き締める)
...って、ご、ご主人様?!
な、なんで、いきなり抱き締めて...!?
...え?
...恩返しなんか、必要ない?
で、でも、ボクだけがこんなに幸せでいいの...?
ご主人様は、本当にそれでいいの...?
...ボクは家族だから、当たり前?
ボクが、家族...。
...っ。
(シノがご主人様の胸に顔を埋めながら涙を流す)
家族...これが、家族なんだね。
...ボク、ご主人様に会えて、ご主人様の家族になれてよかった...。
多分ボクの方が先に死んじゃうかもしれないけど、ボク、ご主人様の家族のまま死ねるなら幸せだよ...。
...ありがとう、ご主人様。
...これからも、ずっと一緒にいてね。
...あっ、ご主人様ーっ!
(犬娘がダッシュで駆け寄り、勢いよくご主人様に抱きつく)
お帰り、ご主人様っ!
一人で寂しかったけど、ちゃんとお留守番できたよ!
誉めて誉めてっ!
ホラホラ、早く頭ナデナデして~……って、アレ?
どしたの、ご主人様?
なんかすっごく変な顔してるけど?
……君は誰?
ウソでしょっ?!
ボクだよ、ボク!
ご主人様の愛犬、『シノ』だよ!
ひどいよ、も~…。
…ま、でも、仕方ないよね。
ボクもご主人様と同じヒトになれたこと、今でも信じられないくらいだから。
あっ、そんなことよりも、ご主人様!
ご主人様は、ボクになんかして欲しいことってある?
ボクにできることなら、なんでもしてあげるよ!
…特にない?
ダメだよ、それじゃ!
本当になんでもいいんだから、遠慮しないでよ~…。
...じゃあ、耳かきをしてくれ?
耳かきって、ご主人様がたまにしてくれる気持ちいい“アレ”のこと?
別にいいけど、本当にそんなことでいいの?
...うん、分かった!
それじゃ、すぐにやろっ!
ほーら、ご主人様、早く早く!
(シノがご主人様の手を引っ張りながら駆ける足音)
はい、じゃ、ご主人様は横になって。
今日はボクが膝枕してあげるからね。
(ご主人様がシノの膝に頭を乗せる。耳の左右はお好みで)
...膝枕って、こんな感じなんだね。
いつもご主人様がしてくれてるから分かんなかったけど、膝を動かさないようにじっとしてなきゃいけないから、足が痺れちゃいそうだよ...。
...だ、大丈夫だよ、ご主人様!
ご主人様がして欲しいって言ってくれたことなんだから、ボクは平気だよっ。
...んじゃ、始めるよー。
(耳かきパートスタート。アドリブで台詞を入れてもOK)
......こんな感じで大丈夫?
......上手?
......えへへ、ありがとっ。
......ねぇ、ご主人様。
......ちょっと、昔話してもいい?
......ありがとう。
......ご主人様も知ってると思うけど、ボクはご主人様に選んでもらったわけじゃないんだ。
......ご主人様に迎えてもらう前、別のご主人様と一緒に暮らしてたんだ。
......そのご主人様はご主人様より若くて、幼い子供だったけど、ご主人様と同じくらいボクを可愛がってくれてね。
......だから、ボクもそのご主人様と一生添い遂げられると思っていたんだよ。
......けど、そのご主人様はそう思っていなかった。
......最初の内は楽しそうにボクにご飯をくれたり、毎日のようにお散歩に連れていってくれたんだ。
......でも、ボクがご主人様の言うことを聞かないと頭を叩いたり、ご主人様のお母さんやお父さんがすっ飛んできてハウスに入れられたりしたんだ。
......それに、ご主人様はご飯をくれたり散歩に連れていってはくれたけど、トイレの始末だったりそういうことは嫌がったんだ。
......だから、いつの間にかご主人様はお世話してくれなくなって、かわりにご主人様の家族に押し付けるようになったんだ。
......そして、ある日、ボクはご主人様と一緒に見たことのない施設に連れてかれた。
......ボクはてっきりお出かけかと思って、ずっとウキウキしてた。
......ご主人様が知らない人にボクを渡して、二度と帰ってこなくなるまでは。
......そこで初めて気がついたんだ。
......ボクは、ご主人様に捨てられたんだってことを。
(耳かきパート終了)
...こっちは終わったよ、ご主人様。
...どうしたの、ご主人様?
次は反対側をやるから、頭の向きを変えなきゃできないよ?
ホラ、早く早く。
(ご主人様が頭の向きを変える)
...じゃ、こっちも始めるね。
(反対側の耳かきパートスタート。こちらもアドリブなどは自由です)
......で、さっきの話の続きなんだけど。
......ボクが置いてかれた施設には、ボクと同じようにご主人様から捨てられたイヌがたくさん集められてたんだ。
......みんなボクと同じようにご主人様の元に帰りたがってたけど、ほとんどは迎えに来ないことに気づいて諦めてた。
......だから、ボクもせめて新しいご主人様に会えるようにって願ったんだ。
......けど、いつまで経っても新しいご主人様は来なかった。
......そんなある日、ボクと仲のよかったイヌが、施設の人に連れられてゲージの外に出ていったんだ。
......ボクは新しいご主人様が見つかったのかなって、思ったんだ。
......でも、数時間経った後、施設の人に抱えられて帰ってきたんだ。
......呼吸が止まった状態で。
......そこでボクはあの施設に預けられた本当の意味に気づいて絶望した。
......あそこは、新しいご主人様に会える場所じゃないことを思い知らされたんだ。
......そして、次の日、今度はボクがゲージの外に連れ出された。
......あの時は流石にボクも死を覚悟したよ。
......だから、抵抗もせずに、ハウスの中に入って連れてかれたんだよね。
......だけど、ハウスから出た時には、知らないお家の前にいたんだ。
......あの時はボクもどうしていいか分からなくて、お家の前を右往左往してたよ。
......でも、お家の前に立っていた人が優しく抱いてくれたことでようやく実感したんだ。
......ボクは、新しいご主人様に巡り会えたんだってことをね。
(耳かきパート終了)
...昔話も、耳かきも、これで終わり...だね。
...ねえ、ご主人様。
ボク、時々思うんだ。
いつか、またあの時のように、ご主人様に捨てられちゃうんじゃないかって。
だから、ボクが人間になった後に考えたんだ。
どうしたら、ご主人様に嫌われないのかなって。
結局、何も思いつかなかったけど、ご主人様が喜んでもらうことが一番じゃないかなって思ったんだ。
ボクがご主人様になんでもしてあげるって言ったのはそういうことなんだよ。
...ご主人様。
ボク、本当になんでもするから、だから...。
(ご主人様がシノを抱き締める)
...って、ご、ご主人様?!
な、なんで、いきなり抱き締めて...!?
...え?
...恩返しなんか、必要ない?
で、でも、ボクだけがこんなに幸せでいいの...?
ご主人様は、本当にそれでいいの...?
...ボクは家族だから、当たり前?
ボクが、家族...。
...っ。
(シノがご主人様の胸に顔を埋めながら涙を流す)
家族...これが、家族なんだね。
...ボク、ご主人様に会えて、ご主人様の家族になれてよかった...。
多分ボクの方が先に死んじゃうかもしれないけど、ボク、ご主人様の家族のまま死ねるなら幸せだよ...。
...ありがとう、ご主人様。
...これからも、ずっと一緒にいてね。
クレジット
ライター情報
初めまして。
平朝臣と申します。
ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
平朝臣と申します。
ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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