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【修羅場】有能な女軍師とクノイチの正妻戦争
written by 松平蒼太郎
  • 敬語
  • ファンタジー
  • 戦国時代
  • 女軍師
  • クノイチ
  • 修羅場
公開日2024年01月04日 12:51 更新日2024年01月04日 12:51
文字数
2616文字(約 8分44秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
2 人
演者役柄
女軍師、クノイチ
視聴者役柄
君主
場所
執務部屋
あらすじ
戦国時代…とある国の君主である男は、自身のアブノーマルすぎる性癖のせいで、いい年になっても未だに結婚できずにいた。しかし、そんな彼の正妻にならんとする女が二人。どちらも彼の部下で、一人はそば仕えの軍師、もう一人は他国への諜報員として活躍している忍びであった。二人の間に挟まれた男は、もはや彼女たちの言い争いを黙って聞いていることしかできなくて…?
本編
A.女軍師
B.クノイチ


A.…以上が現在、我々を取り巻く勢力の現状です。ご理解いただけたでしょうか?


A.はい、その通りです。流石は御館様。今はいたずらに他国に戦を仕掛けず、国力をひたすら充実させるのが得策かと。


A.えぇ。まずは国内の経済を活性化させるために、様々な政策を打ち出して…


A.…御館様?いかがされました?何か気になることでも?


A.…いえ、そのお心の内に秘めたことをおっしゃってください。今の話と関係のないことでも、大丈夫ですから…


A.む…本当に関係のないことでしたか。いえ、お世継ぎの問題はお家の存続と発展には重要な事柄ではありますが…


A.…たしかに今の御館様には、お世継ぎどころか、奥方もおりません。そもそも婚姻自体、誰ともなされていませんしね。


A.はい…たしかに重大な問題ですね。これまで御館様の性癖を知った女子(おなご)は全て御館様の元から去っていますから。これでは婚姻どころではございません。


A.そうですね…こうなれば仕方ありません。ここはひとつ、わたしが一肌脱いで…


(Bが帰還)


B.…お楽しみのところ、失礼致します。ただいま任務より戻りましたので、報告の方をさせていただきたいのですが…


A.…おかえりなさい。報告なら後でも大丈夫よ。今は御館様とわたしで大事な話をしているから。


B.はぁ…恐れながら、申し上げます。大事なことというのは、臣下の身でありながら、御館様に色目を使い、誘惑することでしょうか?いくら軍師様といえど、それは流石に度が過ぎるのではありませんか?


A.そんなことないわよ。御館様のお世継ぎ問題はこの国の問題そのものでもあるわ。それを解決するために、臣下として身体を張るのは当然でしょう?それに貴女も知ってるわよね?御館様の性癖…あれが一般の女子(おなご)に理解されると本気で思ってる?


B.そ、それは…ですが、どうして軍師様が御館様に色目を使う理由になるんです?いささか論理の飛躍が過ぎませんか?


A.それをわたしの口から言わせる気?勿論、御館様の子を孕むためよ。それ以外に何があるというの?


B.…ッ!軍師様、それは…!


A.ふふ…貴女も本当は御館様に気があるのでしょう?今、この場にはわたしと御館様と貴女の三人だけ…せっかくだし、腹を割って話してみない?


B.…かしこまりました。ですが、軍師様相手に今更話が通じるとは思えませんので…力づくでいかせていただきます。


(Bが男の隣に座って、しなだれかかる)


B.御館様…貴方が望むのであれば、わたしが何でもして差し上げます。勿論、夜伽の相手だって…ね?


A.あら、やっとメスの本性を現したわね。けど、もう御館様の正室はわたしって決まっているの。軍師として常にそばにいるのだから、これくらいは当然よね?貴女は側室として御館様を支えなさい?


B.いいえ。いくら軍師様といえど、正室の座は譲れません。たしかにわたしは他国へ任務に行くことが多いですが、頭でっかちの軍師様と違って、御館様のことを本当の意味で満足させてあげられます。なぜなら、わたしは忍びとしてそういう技術を身につけておりますし、御館様の好みである尻や胸だって、軍師様よりも…ね?


A.ふっ、ふーん?けど、わたしは貴女よりずっと御館様のそばにいて、御館様のことを誰よりも知り尽くしているし…御館様のその時の気分や状況によって、夜伽のやり方を柔軟に変えることだって可能なのよ?貴女にそれができる?


B.当然です。忍びたる者、状況の変化に対応できなくてどうします?たとえ、御館様の趣味嗜好が変化したとて、全く問題ありません。必ずや、御館様を満足させることを御約束します。


A.たしかに貴女は御館様の懐刀で、この国一番の忍びだけれど…いつでも御館様のそばにいるというわけにはいかないでしょう?間者としての任務もあるわけだし…御館様がシたい時に対応できないのではなくて?


B.そちらも問題ございません。わたしの分身を常に護衛として複数置いておきますので。もし、そういった際にお呼びであれば、分身が即座に御館様のお相手をシて差し上げますから。


A.ふふ…なぁに?御館様の下のお世話が分身ごときに務まるのかしら?言っておくけど、御館様の性癖は…


B.分かっております…しかし、御館様の正妻になる者として、それくらいはできて当然かと。


A.どうあっても、譲る気はなさそうね…なら、わたしも本気でいかせてもらおうかしら。御館様、お隣失礼しますね…


(Aが男の隣に座って、しなだれかかる)


A.あぁ、御館様…♡ なんて素敵なお身体なんでしょう…♡ ゴツゴツしてたくましい…♡


B.ちょっと…いくらなんでもくっつきすぎです。御館様が身をよじって、嫌がっているではありませんか。


A.あら、これは嫌がっているのではなくて、緊張しているだけよ。ねぇ、御館様?


B.御館様、軍師様相手でも、無理しなくていいのですよ?女としてみるなら当然、わたしですよね?


A.無駄よ。御館様とわたしとの間には、すでに断ち切れぬ絆があるもの。わたしたちは平時も戦時も、常に一緒にいるんだから。今さら、一介の忍びにすぎない貴女が入る余地はないわ。諦めて、側室で妥協しなさい?


B.側室で妥協するのは、軍師様の方です。夜伽で御館様を満足させ、元気な子を孕めるのは、身体つきを見比べても、わたしの方が適任です。軍師様はどうか側室…第二夫人として、御館様の日頃の政務を支えるのが関の山かと思われます。


A.ハァ…身体しか取り柄のない女はこれだから…御館様のご自身を慰める行為の回数、厠に立つ時機、お食事を取られる時間…貴女はそれら全てを網羅してる?そうでなければ、この戦から即刻撤退なさい。貴女にこの戦場はまだ早すぎるわ。


B.わたしも舐められたものですね…これでも数多の敵地に忍び込み、必要な情報を勝ち取ってきたのですよ?御館様の私生活の様子など、いつでも調査可能です。軍師様こそ、忍びを甘く見ない方がいいですよ?その気になれば、軍師様ご自身の弱みだって握れるんですから…


A.ふふっ…それは一向に構わないのだれけど。せいぜい、偽の情報を掴まされないようにね?わたし、そうやって敵の目を欺くのは得意中の得意だから。


B.あははっ…!軍師様の腹黒さには頭が下がります…本当、図太い女狐だこと。


A.いいえ?貴女ほどではないわよ…コソ泥ネズミちゃん?


(AB同時にため息をつく)


B.このままだと埒が明かないので…御館様が決めていただけますか?どちらを先に抱くのか…


A.そうね…ここは御館様の判断に委ねた方が合理的だわ。御館様はどちらを正室としておそばに置きたいですか?


AB.ほら…迷っていないで、早くご決断を。御館様?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【修羅場】有能な女軍師とクノイチの正妻戦争
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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