0
【四罪/勧誘】水面下で蠢く悪意に見初められる〜虚栄の鯀編〜
written by 松平蒼太郎
  • からかい
  • ファンタジー
  • 敬語
  • サイコパス
  • 四罪
  • 中国神話
  • 異世界
公開日2024年05月23日 17:30 更新日2024年05月23日 17:30
文字数
1101文字(約 3分41秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
鯀(こん)
視聴者役柄
不死身男
場所
某所
あらすじ
人々を人質に取った鯀(こん)という悪神の元に、男は一人で出向く。男と対面した彼女は、人質をあっさり解放するが、代わりに彼を自分の主君に仕立て上げようとして…?
本編
あら…あらあら。貴方様ではないですか。このような辺鄙な所にようこそおいでくださいました。もしよろしければ、お茶でも…


ふふっ…相変わらずつれないんですから。少しは愛嬌を見せてくれてもいいんですよ?


それはともかく…相変わらず、素晴らしい眼をお持ちのようですね。わたしの幻術を掻い潜って、ここまで辿り着くとは…


はいはい…わかってますよ。人質は解放します。そういう約束でしたからね。


ですが…貴方様はここに残ってもらいます。積もる話もあることですし…ね?


あら、よろしいんですか?ここでわたしを放っておくと、また新たな場所で悪事を働くやもしれませんよ?


ふふふ…賢明な判断です。貴方様はやはり、わたしの上に立つべきお方…改めてそう確信いたしました。


はい。是非とも、わたしだけの『陛下』になっていただきたいのですが、いかがでしょう?


ふふ、それは残念です…貴方様とであれば、どんな虚飾もすべて本物になると思っていたのですが…


あら、言ってくれますね…虚構はあくまで虚構でしかない。わたしの思い描く理想は、砂上の楼閣でしかないと、そうおっしゃるのですね?


そうですね…たしかに、貴方様の言うとおりです。わたし一人ではきっと実現し得ないでしょう…罪と罰に満ち溢れた、暗黒の世界は。


ですが…それはわたし一人であれば、の話です。貴方様という、人でありながら人ではない究極の存在がいれば、わたしの理想は現実のものとなり得るでしょう。


…えぇ。それだけ貴方様のことを買っていますから。人でも神でもない貴方様は、いずれその存在を疎まれ、天界から追放されるでしょう。たとえどれほど、天帝陛下に忠義を尽くしたとしても、ね?


貴方様に仕える守護獣たちも例外ではありませんよ?今のうちに断言しておきますね…彼女らもいずれ、貴方様を見放します。貴方様ご自身が穢れに満ちた時、彼女らはこぞって貴方様に牙を向くでしょう。


ですが、ご安心ください…その時はわたしが優しく受け止めてあげます。あらぬ罪を背負わされた貴方の帰るべき場所は、わたしが用意しておきますので。


えぇ。今はそれで構いません。天界の神々のために、せいぜいその身を粉にして働いてください。そしてボロボロになった貴方様を、わたしが優しく迎え入れてあげるのです。その為の準備も着々と進めていますから。


それでは手始めに…ここから南方で、わたしの仲間が反乱を起こしています。彼女らの元に行ってみてはいかがでしょう?きっと素敵な出会いがあるはずですよ。


ふふふ…さぁ?たとえ罠だったとしても、貴方様はそちらに向かうのでしょう?わたし、貴方様のことはすべて理解していますから。


えぇ、行ってらっしゃい。貴方様のことはずっと、ずーっと見守っていますから…ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【四罪/勧誘】水面下で蠢く悪意に見初められる〜虚栄の鯀編〜
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
 pixivにてフリー台本を投稿しています。
 台本の創作は自由にやらせてもらっております。よろしくお願いします。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
松平蒼太郎 の投稿台本(最大10件)