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クールな炎の魔剣は世界と共に主人と終わる道を選ぶ
written by 松平蒼太郎
  • シリアス
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • サイコパス
  • クーデレ
  • 魔剣
  • レーヴァテイン
  • 戦闘
  • 心中
  • 転生
公開日2022年10月19日 07:25 更新日2022年10月19日 07:25
文字数
1947文字(約 6分30秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
魔剣
視聴者役柄
人間の男
場所
某所
あらすじ
別の世界から転生してきた炎の魔剣、レーヴァテインを拾った男は、彼女の力を使って数々の悪神・魔神の類いを滅ぼしていく。しかし、強敵と戦った際にレーヴァテインの力を限界まで引き出した男はその命を落としかける。そんな男の様子を見た彼女が最後に取った行動とは…?
本編
ん……ここは…?

そっか…また転生したんだ、わたし…

でもどうせこの世界も結局…

(主人公登場)

…誰?人間?

藪から棒になに?

いきなり力を貸せって言われても…

大体、貴方にわたしを扱う資格があるとは
思えない。

所詮、ただの人間にわたしは使いこなせない。

そう…知ってるんだ、わたしのこと。

なら改めて自己紹介を。

わたしの名前はレーヴァテイン。世界を焼き尽くすために生まれた魔剣。

わたしを使いこなせるのは、上級の神々か炎熱耐性をもった巨人族しかあり得ない。

貴方のようなただの人間がわたしを持ったら、即座に身体が灰になる。

そこまで言うなら試してみる?命の保障はできないけど。

分かった。ならわたしの柄(つか)、握ってみて。

(主人公の身体が炎に包まれる)

…言わんこっちゃない。身体、焼き切れるよ?

…ッッ!まさか、そんな…!

…驚いた。まさかわたしの力を押さえ込むなんて…

仕方ない。貴方をわたしの使い手として認める。

うん。でもせいぜい油断しないようにね。

そう。少しでも扱いを間違えればその瞬間、貴方どころか世界が滅びる。

そう…復讐のためにわたしに近づいたんだ。

なら世界なんて滅びても問題ないってことね。

いいよ。なんだか貴方、面白い。

できるだけ協力してあげる。せいぜいわたしを楽しませてね?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やるね。一振りであれだけの魔神を一掃するなんて。

うん。人間にしてはすごい。

もし貴方が神か巨人なら多分、世界ごと焼き尽くしてると思う。

だから少し惜しい。貴方が人間であることが。

…わたしの前の使い手?

死んだよ。わたしの炎に焼かれて。

でも彼は優秀な戦士だった。何人もの神を殺した。

違う。彼は巨人。巨人族の一員として神々と戦った。

でも最後は自分ごと世界を焼き尽くして死んだ。

今ここにいるわたしは、その滅んだ世界から転生してきたというわけ。

だからきっと、この世界も同じ運命を辿ると思う。貴方の手によって。

そっか…やっぱり貴方はわたしの使い手となるべく、わたしの元に導かれたんだ。

うん。最後まで力を貸してあげる。貴方自身が滅びる、その時まで。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…疲れた?少し休む?

そう…人間なのに無茶をする。疲労、限界なんじゃない?

(主人公、気絶)

言わんこっちゃない…仕方のない人。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おはよう。少しは休めた?

誰って…わたし。レーヴァテイン。貴方の使う炎の魔剣。

今は貴方の膝枕をするために人の姿をとってるだけ。

そ、そう…もしかしてわたしのこと、口説いてる?

綺麗、か…そんなこと言われたのは初めて。

うん…そもそも人の姿なんて滅多にとらないから。

でも貴方に褒められるのは悪い気がしない。

たまには人の姿をとってあげる。貴方をこうして休ませる時とかにね。

ねぇ…貴方、全然自分自身を省みないけど、このまま戦いの中で死んでいいの?

そう…復讐のことしか頭にないんだ。でもわたしは…

ううん、何でもない。とりあえず今は休んでて。また動けるようになったら、戦えばいい。

わたしも、いくらでも力を貸すから…ね?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちょっと!これ以上はやめて!貴方が死んじゃう!

バカ…!なんでそこまでして…!

…ッ、わかった。でももうこれっきりだからね。力を限界まで引き出すのは…!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ハァハァ…なんとか終わった…

貴方…酷い火傷。これじゃあもう…

死なないって…どの口が言ってるの⁉︎ 今まさに死にかけてるくせに!

いずれこうなることは分かってたのに…なんでこんな気持ちになるんだろ…

貴方と出会ってからわたし、変だ。貴方に死んでほしくないって思ってる。

わたしの歴代の使い手はみんな確実に死んでいったのに…

最も優秀だった前の使い手ですら、あんな悲惨な最期を遂げたのに…なんで…

ねぇ…どうせ死ぬならわたしと一緒に死ぬ?

たぶんわたし、このまま貴方が死んだら、また別の世界に転生して、他の誰かに使われることになると思う。

でも…もう嫌だ。また何度も同じことを繰り返すのは…

いい加減、わたしも終わりたい…

好きになった人を看取るのはもう嫌だ…!

だから死のう…?わたしと一緒に…

わたしの性能と…女としての魅力を認めてくれた貴方と共に終われるなら悔いはない。

貴方も戦いだけの人生は疲れたでしょ?わたしが終わらせてあげる。この世界と共に。

わたしの魔力、流し込んであげる…ンッ…

(キス)

わたしの魔力で満たされて死んで。きっとそれが貴方のこの世での唯一の幸せ。

好きだよ…貴方のこと、愛してる。

耳貸してあげるから…呼んで?わたしの名前…

ふふっ…ありがとう。嬉しいよ。ギュー…

(抱きしめる)

このまま抱き合いながら終わろっか?その方が貴方も安心でしょ?

わたし、もうどこにも行かない。ずっと貴方のそばにいる。

貴方が地獄に落ちたとしても…わたしも一緒についていくから。

次の世界でもよろしくね…?ふふふっ…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
クールな炎の魔剣は世界と共に主人と終わる道を選ぶ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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