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Another Demise
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 絶望
  • 監禁
  • カノ姉
公開日2023年04月29日 18:46 更新日2023年04月29日 18:46
文字数
2547文字(約 8分30秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役の心中相手の姉
視聴者役柄
気弱ホスト
場所
演者役宅
あらすじ
黒根百合花様主催企画「絶望という花束を君に」参加作品

当作品は、拙作「恋とは心ばかり混色の破滅・白」ホストくん視点の、公式による非公式のIF続編という位置付けです。
「恋とは心ばかり混色の破滅・白」
台本へのリンク(※閲覧注意事項あり)
を読んでからの閲覧をおすすめします。

その後、彼は見知らぬ女性の部屋で目を覚ます世界線のお話。
本編
やっと、目が覚めた。

うん、生きてるよ。

君はね。

んふふっ、どうして、なのかしらね。

どうでもいいじゃない。
妹のことは神にとっても、私にとっても、どうでもよかったってことなのよ。

あ、そうね、初対面なのに名乗らずに話しちゃってごめんなさい。

でも、今の言葉でわかったでしょ?
私は、あの子の姉よ。

君にとってははじめましてかもしれないけれど、私は妹から君のこと、写真とかで見せてもらってたから。

でも、こんなことになるなんてね。
私、あの子のこと、何にも知らなかったみたい。

いいんだ、きっと、これが本望なのだろうから。
妹はきっと、最愛の君と一緒に逝けたのだと思ってるはず。

あの子、愛に飢えていたような気がするから。

妹のこと、ありがとうね。
んふっ。

ねえ、もしかしてだけど君、私のこと、怖がってる?
そりゃそうだよね。
心中した相手の姉が、目覚めたら目の前にいるんだもんね。
それも、ここは私のお部屋。

この家自体は、妹も一緒に住んでいたけれど。
君は来たこと、ないんだよね。

でも、しょうがないわ。
そもそもあの部屋に君を寝かしておいたら、妹と一緒に逝っちゃってたわけだし。
ここに連れてこない限りは、こうして二人きりの時間なんて作れないし。

戻るって、今は無理だと思うわ。
事件現場になっているのだから、到底居られる場所じゃないでしょう?

それに、君を放っておいたら、いつまたあんな危険なことをするかもわからない。
私は、ここに君のことを置いておきたいな。

あー、警察?
どうかしらね。
現場の住人である以上、無関係には出来ないだろうけれど、君は今や行方不明なのだから。

でも安心して?
妹のことについては、一方的な愛情のエスカレートの果てに君の部屋で一人でやったってことになるようにしておいたから。

まあそれも、あながち間違いじゃないと思うんだけれどね。

どういうことって、ああそう、あの子、君にはそんなとこ見せたりはしてないんだ。

うーん、世の中、知らない方がいいこともあるって言うのは、このことなのかしらね。
君の中のあの子のイメージを後になって歪めるというのも、趣味が悪いからやめておくわ。

そうだ、一応聞いておくのだけれど、身体は大丈夫?
思いの外すぐ目覚めてくれたとはいえ、ある程度は吸ってしまっているのだろうから。
結構、後遺症が残るとか、そういう話も聞くものだし。

そう、ならよかったわ。

ただ、万が一ということもあるのだから、しばらくは安静にしておくのよ。

まあ、ここから出すつもりなんてないし、心配は無用だろうけれど。

ええそうよ?
君は今日から、ここで生きていくの。

言ったでしょ?
このままの君を一人にしておくと、何をするかわからなくて不安で不安で仕方がないって。

いい?
これはね、君を守ってあげたいっていう、私なりの愛、なんだよ?

あらら、身体壁に向けられて拒絶されちゃった。

ねえ、そんなに私の気持ちが嫌なのかな?
私ね、妹なんかよりも君のこと、愛してたんだよ?

おい、耳塞ぐなよ。
ちゃんと私の話聞け。

そっかぁ、やっぱり拘束って必要なのね。

でも、そんな都合よく君の手を縛れるようなものなんてなさそうだし。

んしょっ。

んふふっ、力づくで手首押さえつけちゃったぁ。

これで、私の愛を存分に受け取ってもらえるわね。

んふふっ、聞いて?

私ね、妹に君のことを紹介された時から、その可愛らしい姿に惹かれてしまったの。
あの子には私のものって言われちゃって、連絡先もお店も紹介してくれなかったのだけれど。

仕方ないから、頑張って調べてお店まで行ったら、妹のこと持ち帰るところで、家までついて行ったの。
そしたら君、妹と一緒にとんでもないことしようとし出したから、睡眠薬で眠ったところを君だけ連れ出したっていうわけ。

永遠の誓いのつもりなのか、妹に唆されたのか知らないけれど、本当に危ないことをするなぁ。

君が心にどんなものを抱えていようと、そんなものは知らない。
でも、とにかくそんなことは許さない。

大丈夫。
私が、もう君にそんなこと、させないから。

ここで、君の心を傷付けるもの全てから君のことを守って、私たちだけの愛し合いをするの。

そんなことしなくていいって、まさか、君は私のこと、拒むつもりなのかしら?

もう、いいんだよ。

安心して?
あの妹なんて女はもう死んだんだから!んふふっ!

もうこの世にいない人のことを考えることほど、無駄なものなんてないわ。
そんなに幻影が大事なのなら、私はあの子の姉なのよ?
これほど都合のいい女がどこにいるのかしら?

そういうことじゃない?

へえぇ、君に抵抗の余地があるとでも思ってるんだ。

いい? 昨夜の真実を知っているのは、君と私だけ。
この意味、わかるかしら?

そう、私が君の秘密をバラすも隠し通すも、全てを握っているの。

君は、自分のしたこと、なんだかわかってる?
心中だとか聞こえのいい言葉使ってるだけで、やってることは犯罪でしかない人殺し、なんだよ?

いくら目障りな妹とはいえ、一応は君を脅す絶好の材料になってくれる可愛い妹だもの。

でもねでもね、私は君の態度次第ではこのまま、君ごとこの世界には存在しないものとして真実を葬り去ってあげてもいいの。

どうすればいいか、言うまでもないわよね?

大丈夫よ。
その手がたとえ罪に穢れていようとも、可愛い君だもの。
私なりの愛で、いぃーっぱい、愛してあげるわ。

妹なんて邪魔者も忘れて、この世界で私とちゃんと愛を深め合っていくの。
殺しても、逃がしてもあげない。
このままずっと、ここで一緒に。

ほら、ちゃんと私の目を見て?

ねえ。
ずっと見下ろしていて思うのだけれど、やはり、綺麗だわ。

んふふっ。

ああ、私だけを従順に愛してくれる素敵なお人形さん。
そんな君になっていくのを考えるだけでもゾクゾクしてしまうわ。

ほら、そんなに怖い顔しないで。
泣くのもダメよ。

君にはそんな顔は似合わないわ。
君が抱える暗い気持ちが、君の美しさを損ねているように。

ほら、君も私のこと、好きになろう?
愛してくれる?

どうせ終わりなんてずっと先のことなんだから、嫌がったって辛いだけなのよ?

まあいいわ。
今は無理でも、ゆっくりと私のことを愛せるようになるはず。

ううん、愛させるのだから。

さあ、何もかもを忘れて、何もかもを受け入れるの。

まずは、口、開いて?

震えてる。

んふふっ、可愛いわ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
Another Demise
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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