0
家に帰ると病んだ女が待っている
written by 惹尾くろん
  • ヤンデレ
  • メンヘラ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2564文字(約 8分33秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
家に帰ると昔に別れた女が待っていた。しかも、何だか様子がおかしい。そいつは血走った目で俺に愛を囁いて…
本編
(SE:ドア開)
 あ……おかえり。
 お邪魔してます。
 どうやって入った?
 ああ、鍵はあなたのお母さんに開けてもらったよ。
 あなたと付き合ってます、忘れ物しちゃいましたって言ったら入れてくれた。
 ほら、最近あなた、バイト先の後輩の女、よく連れ込んでたでしょ?
 あなたの親御さんに挨拶もできないあの女。
 私が代わりにご挨拶しておいたから。
 いつも来てたのも私だと思ったみたい。

 あの女と同一視されるのは少し不愉快だけど。
 背に腹は代えられないもんね。
 ……何で、そんなに怯えた顔してるの?
 ……あぁ、私がカッター持ってるからか。
 ごめんね、怖いよね、気づかなかった。
 大丈夫、あなたに何かする気はないよ。
 あの女の服とか、写真とか、刻んでた所で。
 最中にあなたが帰ってきちゃったから、そのままだったの。

 すぐ済ませるから、待っててね。
(SE:衣擦れ)
(怒ったように)
 ……何で止めるの?
 もしかして、このゴミ、大事な物だとか言うつもり?
 あなたにとって、あの女は大切な人なの?
(SE:衣擦れ)
(冷たく)
 そう……
 そっか。うん。解った。
 あーあ、聞きたくなかったなぁ。

 あーあ……。
 ねえ、少し昔の話してもいい?
 一年前の今日、道端で転んだ私に絆創膏をくれたよね。
 私、人に優しくされるのなんて初めてで。
 すぐにあなたの事を好きになった。
 それから、あなたのバイト先に通うようになって。
 毎日店の外から、あなたの事を見てた。
 あなたと話す事は出来ないけど、私たちの心は通い合ってたよね。
 付き合おう、って言葉は無くても、私の事想ってくれてるのは解ってたし。

 幸せだったよね。
 三か月前、あの女が後輩として入ってくるまでは。
 私もね、少し考えたんだ。
 もっと一緒にいられる時間増やしたいし、同じところで働こうかなって。
 でも、あなたには自由にしていて欲しいし。
 喧嘩した時とか、職場が同じだとぎくしゃくしちゃうかなって思って。
 色々考えて、やめておいたの。

 それなのに、あの女、突然現れたと思ったらあなたに簡単に近づいて。
 私とあなたの時間を奪ったばかりか、
 勉強教えて、なんて見え透いた嘘であなたの家に上がり込んで。
 彼女である私でも入った事、無かったのに。

 ちょっと度が過ぎてるよね。
 それに、あなたもあなただよ。
 私がいるのに、他の女と家で二人きりなんて。
 普通私に許可取るとか、あるでしょ?

 ……まあ、済んだことはもういいよ。
 バイト先にも辞めるって連絡しておいたし。
 あの女との関わりも、もう無くなるしね。
 ん?
 ああ、あなたの家の電話、さっき借りたから。
 親御さんのふりして連絡しておいたよ。
 お礼はいいよ。
 あの女、ストーカーみたいで自分から辞めるって言うと逆上しそうだもんね。
 ああいうメンヘラって、何しでかすか解らないから。
 大丈夫、私があなたの盾になるから……

(SE:衣擦れ)
 ……え?
 ストーカーはお前……?
 お前って、私の事?
 あはは、何言ってるの。冗談にしてもちょっと行きすぎだよ?

 私はあなたの愛する人でしょ?
 彼女をストーカー扱いは酷いよ。

(SE:衣擦れ)
 そんな事言わないでよ。
 私とあなたは恋人同士、でしょ?
 ああ、そっか。
 あの女に何か吹き込まれたんだね。
 あなたがそんな酷い事、言う訳ないもんね。

 そうだとすると、あなたを一人にする訳には行かないなあ。
 またあの女が会いに来たら、もっとおかしな事吹き込まれちゃうかもしれないし。
 私のお家で一緒に暮らそうか。
 うん、それがいい。
 さ、準備して帰ろ……

(SE:叩く)
 ……何、するの?
 だめだよ、暴力は。
(SE:衣擦れ)
 ねえ、さっきからあなた可笑しいよ。
 私はいかれてなんかないよ。
 何でそんなにあの女を庇うの?
 そんなにあの女がいいの?
 私を振ってまであの女を守りたいの?
 私の何がいけないの?
 全部全部、あなたの為なのに。
 こんなにあなたが好きなのに。
 あなたは私の全てで、私にはあなたが必要で、
(叫ぶ)
 あなたには私が必要なのに!!

 あは、あはは、あはははは!
 だめだよ、だめ。
 私以外を見るあなたなんて許さない。
 やり直そう。最初っから。

 はじめまして、私……
(SE:衣擦れ)
 ……はぁ。
 チャンス、あげたの解らなかったかな。
 私、気は長いほうだけど、今回はあんまり余裕ないんだから。
 あまり我儘言うのはやめて?

 ああ、そっか。
 もしかして、あの女と寝たの?
 だから執着するのかな。
 あなた、経験無かったもんね。
 初めての相手って記憶に残るって聞くし。

 じゃあ、それを書き換えればいいんだよね?
 さっきお母さん、出かけたみたいだし。
 お父さんはまだ帰ってこないよね。お仕事中だもん。
 こんな形で私の初めてを捧げるとは思ってなかったけど……
 あなたとなら、いいよ。
 
(SE:切り付け)
 ああ、逃げないで。
 あなたに危害は加えたくないから。

 ……服、脱がせちゃうね。
 あなたが逃げないように、カッター向けるけど、
 暴れなければ何もしないから、安心して。
 ……今のあなたは、少しおかしいから。
 念のため、ね。

 ……よいしょ。片手だと脱がせるの大変だね。
 少しくらい協力してくれてもいいんだよ?
 なんて、自分で脱ぐのは恥ずかしいか。
 ……ん、綺麗な身体……
 この身体に、あの女が触れたと思うと、吐気がする。
 大丈夫だよ、すぐに綺麗にしてあげるから。

 ええと、こういう時って何から始めるのかな。
 ああ、全然準備してないよ……
 まずは愛の囁きから、かな?
 ……好きだよ。
 大好き。
 愛してる。
 心の底から、愛してるよ。
 あなたがいない人生なんて、考えられないくらい。
 
 ……次は、キスだよね。
 目、つむって?
 ちゅ……
(怒ったように)
 何で、顔背けるの?
 だめだよ、ちゃんと唇と唇を合わせてするキスが、愛情の証になるんだよ。
 ね、だから……
(キス音)
 ……顔背けないでって、言ったよね。
 刺されたいのかな?
 そういう趣味なら、別にそれでも良いけど。
 そうじゃないなら、なるべく傷つけたくはないな。
 もう一回、キスするから。
 次背けたら、刺すね。

(キス音)
 ん……嬉しい、ちゃんとキス、出来たね。
 ふふ、ありがとう。
 あなたの唇、柔らかくて、冷たい。
 それに、少し震えてる……
 緊張してるのかな?
 大丈夫、全部全部、私に任せておいて?
 それじゃあ、続き、しよっか。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
家に帰ると病んだ女が待っている
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
惹尾くろん
ライター情報
 個人Vtuberをしながら台本やシナリオを執筆しています、くろんです。
 得意ジャンルはヤンデレ、退廃、インモラル。
 流行りものも書きます。
 お役に立ちましたら幸いです。
有償販売利用の条件
商用、非商用利用共に可能です。
利用実績(最大10件)
惹尾くろん の投稿台本(最大10件)