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恋人を喰った化け物に愛される
written by シガ爺
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2494文字(約 8分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
異形
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
本編
やぁ、君から私のところに来てくれるなんて嬉しいよ。
さぁ座って座って。
今お茶を淹れてくるからね。
それにしても君が自分から私のところに来てくれるなんて、子供の時以来じゃないかな。
え?お前とお茶なんかしない…?
……どうしてかな。君はわざわざ私のところに会いにきてくれた。
それは私のことが好きだからだろう??
また昔みたいに、『お姉ちゃん、お姉ちゃん。』って甘えてくれて良いんだよ??

ほら、この顔も、声も、身体も、君が大好きでたまらないモノのはずだ。
だと言うのに君は私の誘いを断るのかい?

『好きだからこそ許せない、それはお前の身体じゃない。俺の好きな人を返せ』??
あぁ、なんだ。そんなことを気にしてたのか。

どうでも良くないかな、そんなこと。
たしかに君の『元』恋人のアレの見た目を模倣してはいるけどさ。ただの模倣じゃないんだよ。
素材はほとんどアレから出来てるし、問題ないだろ?
私から君を横取りしたアレ、正直触るのすらおぞましかったけど君に愛してもらうためには少しの我慢も必要だもんね。
出来るだけ味わわないように丸呑みにしてやったよ。

それでどうしたのかって?
その後は簡単さ。ゆっくり、ゆっくり、出来るだけ苦しむように。
君に手を出したことを後悔させながら、私の腹の中でドロドロに溶かしてやった。
中から腹を叩くものだから喧しくて仕方なかったよ。
まぁ…その力がだんだんと弱くなっていくのは傑作だったけどね!あははっ!!
溶かし切った後はアレの記憶と遺伝子の情報を読んで、私の体を作り直したから今の私があるってわけさ。

どうだい?この身体よく出来ているだろう?
頑張ったんだよ、私。
髪の先まで本物そっくり、いや……本物以上の出来にしてある。
今は見えていないけど、もっと細かい所までより良くなるように作り込んであるんだ。
たとえばこ・こ、とかね。
(股に手を置く)
もう、そんなに嫌な顔しないでくれよ。
これは君が何度も、何度も、何度も何度も快楽を貪った穴だろ?
知ってるんだよ、君がアレとどんな逢瀬を交わしていたのか、どんな愛の言葉を囁いていたのか。
それを知る度に嫉妬でおかしくなりそうだった。
……でも我慢した。
きっと、きっと君は最後には私を選んでくれるって信じてたから。
今はただの練習期間、私と付き合う自信が出来たら私を迎えに来てくれる。
アレはその練習台。そう思って正気を保ってたんだけどさぁ???
君、結婚するとか言い出しちゃって。
ダメだよぉ、練習台相手に本気になっちゃ。
だから甚だ不本意だけど、君がアレを気にいったのなら私がアレになれば良い。
そう思って喰った。喰って溶かして利用した。

自慢じゃないがこの身体はアレよりよっぽど気持ちのいいモノになってると思うよ。
君に気持ちよくなってもらいたくて、君に好きになってもらいたくて必死に考えたんだ。

……どうして泣いてるんだい??
ほら、慰めてあげるからおいでよ。
この身体に抱きしめられると君は安心するんだろ?
頭、よしよししてあげるよ。
(頭に伸びる手をはたく音)

……!?どうして…?
どうして私じゃいけないの?
どうして君は私を受け入れてくれないの??
私、いっぱいいっぱい頑張ったんだよ??
君の好きな身体を用意した。
君に怪我させないように、人間が壊れない力加減も勉強した!!
料理も、掃除も君と居られるならって全部出来るようになったんだよ!?
君を満足させるためなら、君に愛してもらえるならなんだってする……!

だから昔みたいに一緒に居てよ…。
化け物なんていわないで……!!
昔君に怪我をさせてからずっとずっと後悔してたんだ…!!
反省してる、怖かったよね?苦しかったよね?
もうそんな酷いことしないと誓うから、どうか私のそばにいてよ!!!
私は、君が好きで好きでたまらないだけなんだ。君に好かれたいだけなんだ。君が好きになってくれるなら他には何もいらない。

何もかも忘れて私と一緒になろうよ。
そしたら君も幸せになれるはずだから。
最初は苦しいかもしれない。でも私には長い長い時間がある。
私と共に生きれば君だって、普通の人間の何倍も長く生きられるんだ。
その間に苦しみも、悲しみも、全部どうでもよくなるんだよ??そのうち私しか見えなくなる。そうしたら世界は私と君だけになるんだ。

それでも君は私を愛してくれないの??
……そっか、そうなんだね。
どうしても、私のことは。
化け物のことは愛せないんだ。
そっか、そっかぁ…♡
ははっ…あははっ……あはははっ!!!
あははははははっ!!!!
なら、もういっかぁ…。
君が私を愛さないならもう良いよ。
それでも私は君を愛してる、それだけでいいや。
だから、君も食べちゃおう。

(逃げた出そうとする男を異形の手で捕まえる)
ふふっ……逃がさないよ。
そんなに暴れないで?
今は優しく出来るけどいつ力加減を間違えるか分からないから。
君も、ぐちゃぐちゃに潰されたいわけじゃないよね?
そうだ…良い子だよ。
大丈夫、大丈夫だから。
ただ消化して、私に取り込むのも君と一緒になれるという意味では悪くない。
でもそれじゃ君と愛を囁き合うことも、抱き合うことも出来ない。
それじゃあ、あまりに寂しいだろう?
だから、君は私の中で生まれ変わるんだ。
蝶の羽化を知っているかな?
蝶の幼虫は蛹の中で一度ドロドロに溶けて、美しい蝶へと姿を変えるそうだ。
それと同じことさ。

私の中で君を壊して作り直す。
私しか見えない、私しか愛さない。
私しか必要ないって思える本当の君にね。

楽しみだよ。君が私から生まれ落ちるその日が。
……そうすると君は私の愛しい我が子であり、夫になるわけだ。
ふふっ…これで君は私の愛を独り占めできるね。
君にとってもこんなに嬉しいことはないよね。ほらもっと喜んでよ。
そうそう、嬉しい時はもっと笑った方がいいよ。
あんまり時間をかけても仕方ないからそろそろにしようか。
じゃあ……いただきます。
おやすみ、私の愛しいあなた。
(飲み込む音)
(間を空ける)
ふふっ…今動いた。君はお腹の中でも元気だねぇ。
あと少しだよ。あと少しで君は私のものになる。
そしたらずっと2人で生きていこうね。
私の愛しい人、あなたさえいればもう何もいらない。
あぁ……私達は幸せ者だよね。
これからずっと、ずーっと一緒に居られるんだから。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
恋人を喰った化け物に愛される
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シガ爺
ライター情報
 シガ爺と申します。
 ゆるゆるとフリー台本を書いている、しがない物書きです。
 ヤンデレ、人外娘、いちゃらぶ、年上ものが好きでよく書きますが、最近は他にも書けるように色々試してみてます〜。
 ご縁のあった方はお楽しみくださいませ。
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