（なんの危機感もなくゆったりとした口調）
やっほ〜。おつかれ、今日も学校だるかったね〜って、あ、危ない。どいて。

（グシャッという水分の多いモノが潰れるような音）
ん……んん？
あぁ、おはよー。
君の膝枕で目覚められるなんてラッキー…。
ってうわぁ……‼︎ちょっと！！顔掴まないでよ！
……もう、大丈夫、大丈夫だから。
私が吸血鬼ってこと知ってるだろ？
だからそんなに心配しないでって。
大抵の傷ならすぐ治るのがこの身体のいいところなんだし。
えーっと、なんだっけ？
帰り道で、マンションのベランダから植木鉢が落ちてきて……君に当たりそうな所を私が助けたんだっけ？
そっかそっか。どうやら記憶は飛んでないみたいだ。

これで君を助けたのは何回目だっけ。
もう両手の指じゃ足りないくらいかな。
私が吸血鬼じゃなかったらとうの昔に死んでたよ。
ってか実際死んで、復活してるわけだからもう10回以上死んでるわけだ。
君のためなら死ねる、もここまでいくと安売りのしすぎだね。

そうだあれ、あれ覚えてる？
君が信号無視の車に轢かれそうになった時。
とっさに私が君を突き飛ばしてさぁ。
ギリ間に合うかな？と思ったけど私の足だけ轢かれちゃって。
あの時は中々エグかったよねぇ。
膝下からこう…ブチッといっちゃってさ。
いやー、あれはめちゃくちゃ痛かった。
今となっては懐かしいな。

今回はどうだった？頭にクリーンヒットした気がするんだけど相当ヤバかった？？
血だけじゃなくて、脳みそとかも見えちゃったかな？？
いやーん、君に私の見られちゃいけない所まで見られちゃった〜。
……ってどしたの？息荒いよ？気持ち悪い？
あー、そっか君スプラッタとかダメな人だったね。
忘れてたよ。
まぁ私もこんな公園のベンチでいつまでも寝てるわけにもいかないし。
君もゆっくり出来るところで休みたいだろ？
なら私の家行こうよ。
ここからそんなに離れてないからさ。

ただいまー、そしていらっしゃい。
適当に座ってて〜。
君が良ければベッドとかに座ってても良いんだぜ？
……うそうそ、冗談だよ。
君には彼女さんがいるもんね。
本当は女の子の家に2人きりになるのも気にしてるんだろ？
分かってるさ。
お茶でも飲んで、帰りたくなったら帰ればいい。
ほら、紅茶淹れてきたから飲みなよ。
安いティーパックだけど、こんな美少女吸血鬼に淹れてもらえたんだ。
感謝して飲むよーに。

ふふっ……、美味しいかい？
それは良かった。
それにしても、君はつくづく運が良い。
いや、私の運が悪いのかな？
君のことを守れているわけだから、私としては幸運だとも言えるけどねぇ。
はー、それにしても疲れた。
ん？そりゃ疲れるさ。
私たち吸血鬼は体の再生くらいなら平気でやるけど、その分の体力やらなんやらは消費するんだよ。
あー、もう疲れて何もやりたくないなー。
これは君が面白おかしく彼女さんの話でもしてくれないと回復できないかもー。

お、彼女さんのこと聞かせてくれるの？
えへへ、悪いねぇ。
私みたいなのはそういうゴシップに目がないのさ。
特に君に関してはね。
それでそれで？今の彼女さんはどういうところが好きで付き合ったの？？
（少し間をおく）

へぇ〜彼女さん、優しいし尽くしてくれるタイプで、一緒の委員会やってるうちに付き合うようになったんだ。
君確かにほっとけないタイプだからそういう子にモテそうだしねぇ。

それだけじゃない、身体が小さいから守りたくなるような感じがしてたまらない？？
いやー、惚気るなぁ。
私が頼んだこととはいえ胸焼けしそうだよ。
まぁ、確かに。身体の小さい子は可愛いよね。

腕力で押さえつけやすいから。
ん？そんな事しない？？
馬鹿言うなよ。
君がその彼女さんと一緒にいる時に、そう言うこと考えてないとでも？
……いーや、絶対考えてるね。
小さい頭を手で押さえつけて、暴れる手足を組み伏せて、苦痛に歪んだ、ぼろぼろ泣く彼女の姿が見たいってそう思ってるはずだ。
だって君、スプラッタ苦手とか言っておきながら私が君を助けて傷だらけになるたびに興奮してたじゃないか。
気づかれてないとでも思ってたの？
馬鹿だなぁ。吸血鬼は人間の何倍も感覚が鋭いんだよ？
私が傷つくたびに君が股間を固くしているのなんて丸わかりだったさ。
そんな君が、小さな身体の彼女を側において暴力衝動を覚えないわけがない。
殴って縛って、傷つけて。力の限り蹂躙したいって思うよね。

その気持ち、今の彼女さんは満たしてくれるのかな？
君が抱えてるくらーい感情、彼女さんにぶつけれる？
無理だよねぇ。嫌われちゃうもんねぇ。
もし思いっきりぶつけたら、彼女さん死んじゃうかもしれないもんね。

でも……そんな君のどうしようもない欲望も、私なら満たしてあげられる。
何度壊されても、何度犯されても、私なら君のそばに居てあげられる。
ほら、君のその手で私の首を絞め上げたいよね。
街歩いてるだけで何回も声かけられるような美少女の顔を、形が変わるまで何度も何度も殴りつけたくて仕方ないよね。
許してって、もうやめてって泣いて懇願する女の子が見たいよね。
私なら、私だけがその気持ちを叶えてあげられる。
だから今のつまらない彼女なんてほっといて私を君のモノにしてよ。

そんなことされて私は苦しくないのかって？
もちろん苦しいさ。
でも、君はそんな風に私が苦しむ姿に興奮するんだろ？
じゃあ私が苦しむのなんて問題じゃない。
それに、君になら何をされても気持ちよくなれる自信があるからね。

えー？？君に私を変態と言う権利があると思ってるの？
君は自分が女の子を痛めつけて興奮する変態だってこと分かってる？
……まぁ、私も君にめちゃくちゃにされて悦ぶ変態なのは事実だけどね。
ねぇ、いいだろ？私と一緒になろうよ。

……ふふっ、嬉しいなぁ。約束だよ？
明日彼女さんとキッチリお別れしようね。
そうだ…！彼女さんの前で私のお腹思いっきり殴って見せようよ。
『お前はこんなこと受け入れられないだろ』って見せつけたいんだ。
あぁ、彼女さんに君の悪い噂なんて流させないからそこは安心してね。
もしそんな事したら、私が食べちゃうぞって言っておくよ。

私たち変態同士、お似合いのカップルだね。
私たちはお互いの歪んだ部分がピッタリハマっちゃったんだよ？
もう抜け出せない。もう離さない。
君のために何回だって死んであげるから。
何回だって私を壊してね……♡
期待してるよ。私の愛しいあ・な・た♡

・台本（ゆるボイ！）
のんびり吸血鬼に本性を見抜かれ愛される
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シガ爺