一年に一度の打ち上げ花火の日。年上お姉さんと見ませんか？

（チャイム音）
はーい。今、行きまーす。
・・フフ、いらっしゃい。久し振りだね・・
今年も。この町に帰ってきてくれたんだね・・
背は・・伸びて・・追い越されちゃったか♪
去年までは、お姉さんの方が高かったのに・・
感動の再会は、一旦ここまでにして。
・・とりあえず、リビングに行こうか♪

ところで今日は、どうしたの？
・・お姉さんに会いたくなったのかな・・？
・・フフ、冗談よ。今年も、2人で花火。
見る約束してたものね♪
毎年縁側で。
私が膝枕しながら、2人で花火を見ること。
まあ、膝枕は。私が好きで、してるんだけど♪

私ね？君が、この町から離れて。
凄く寂しかったよ？
弟みたいに可愛がってきた君が。
高校卒業を機に、就職の為に引越して・・
私は、いつだって君の隣にいたし。
君も、私の隣に居てくれてたから。
凄く寂しかったよ・・
ねえ・・ギューとしても良いかな・・？
有難う・・ギュー・・暫くこうさせてね。
・・フフ、お顔真っ赤だね。
でも、キチンと抱き返してくれて嬉しいな♪
君は照れ屋さんで、私にされるがままだったのに。
君も・・私と同じ気持ちなのかなぁ♪
そっか。寂しかったんだね・・
良かった。私だけじゃなくて。
私はね？君と・・どんなに離れてても。
君は夏になると必ず帰ってきてくれるから。
打ち上げ花火の日は、不安なんて飛んじゃうの♪
花火が打ち上げられたら、膝枕して。
2人で眺めて・・君は毎回眠たそうにするよね。
でもね・・それ程、私の膝枕が落ち着いて。
安心して体を預けてくれて、嬉しいから。
今日も。いーっぱい！甘えてくれたら嬉しいな！

ん！よろしい！
花火が打ち上げられるまで、結構かかるから。
先にご飯に、しちゃおうか♪

ご馳走様でした〜！
有難う・・たくさん食べてくれて。
久し振りの手料理にテンション上がって、つい？
・・嬉しい。なら、私が彼女になろうかな？
・・フフ、ごめんごめん♪
久し振りに会った君が可愛いから・・つい、ね？
あ！そうだ！
君・・もう二十歳になったよね？
お姉さんと・・一杯どうかな？
・・お酒大丈夫？・・ビールが良いの・・？
分かったわ・・じゃ、ちょっと待ってて
（歩く音）

お待たせ〜！どうぞ♪
じゃあ、乾杯。
美味しそうに呑んで・・この苦味が良いの？
へえ〜・・大人じゃん。フフ・・

そろそろ縁側に行こうか。
夜風が気持ちいいわね・・
・・そろそろ花火、打ち上げられるから。
お膝に、おいで？
フフ・・よしよし。よしよし。

あ・・きたきた！たーまやー！
綺麗だね。色鮮やかに、花が咲いて。
今年も無事に君と2人で。
こうして見れて嬉しいな♪
君・・お顔赤いよ？お酒のせい？それとも・・
大好きな、お姉さんの膝枕だからかな？
フフ・・お膝が熱いわ♪
私は・・誰にでも、こんなことしたりしない。
君だから・・したいと思えてくるの。
え・・？彼氏？
居ないわ。居たことも無いし、興味も無い。
だって、彼氏ができたら。
今みたいに、君と2人で花火見れないから。
まあ、君が。
彼氏に立候補してくれたら、嬉しいかな♪
（まあ〜嬉しいかな→呟きみたいな小声）

フフ・・何でも無いわ♪
本当に綺麗。幻想的で、うっとりしちゃう。
ん・・？ええ、そうね。来年も、こうして。
あ！彼女作ったら。お姉さん、妬くからね・・
2人の約束・・破っちゃダメよ。
フフ・・よしよし。よしよーし。

花火・・終わったね。て、あれ？
おーい・・おーい。
フフ・・今、眠りそうだったでしょう♪
ピクンとしたわよ？
花火・・終わったし。私の部屋・・来る？
一緒に寝ましょう？
え・・？恥ずかしい？
でも私は・・君と一緒に居たいし、寝たい・・
ダメ・・かな？さっきも言ったけど。
今日は、いーっぱい甘えて良いのよ♪
今まで会えなかった分。お預けにされた分。
お姉さんに甘えて欲しい・・かな。
・・うん！行こうか・・

はい、到着。
相変わらず良い匂い？・・有難う。
もう寝ちゃうのかな・・？それとも何かする？
・・え？耳かきして欲しいの？
良いよ。ならベッドに腰掛けるから。
また膝枕しようか♪
はーい・・じゃ、右耳から行きましょうね♪
（右耳かき）

耳かきも、久し振りだね。
どう・・？キチンとリラックスできてる？
・・なら良かった♪
え？本当は花火の時にお願いしたかったけど？
けど、何？どうしたの？
・・そっか、そうだよね。
花火の時に耳かきしたら、反対向くと。
花火が見れなくなっちゃうものね。
フフ・・そんなに私の耳かきが好きなの？
なら、お姉さん頑張っちゃおうかなあ♪
（暫く、良い子良い子）

おーい。おーい。もう・・仕方ないわね♪（吐息）
フフ・・おはよう。よく眠れた？
な〜んてね？反対向いてね。
はい、良い子良い子♪左耳いくわよ。
（左耳かき）

フフ・・また眠ってる。
私が一緒に寝たいと言った時。
口では、ダメと言っても。
やっぱり君は、甘えん坊だね♪よしよし。
これも、さっき言ったけど。
誰にでも、こんなことしない。君が好きだから。
もしも、君が彼女作って。
私の手が届かない存在になったら、て考えたけど。
そんな、心配。要らなかったね♪
君が幼い頃、私に言ったあの言葉。
大人になったら私と、結婚する！て。
今でもハッキリ覚えてるよ。
まあ。子供の頃だから、君は忘れてるかもだけど。
君が、誰とも付き合ってないなら。
お姉さん・・期待しても良いかな？
なんて。寝ている君に聞いても、ダメよね。
でも、私。待ってるからね。
君が、あの時の約束を果たしてくれること。
え・・今。お姉ちゃんて言った？
もう可愛い・・よしよし。よしよし。

よーし・・そろそろ終わり。
おーい。おーい。
フフ・・終わったわよ。
気持ちよかった？て、聞かなくても良いかな♪
私も寝ようかな？
電気は、小玉が良いの？分かったわ。

じゃあ、横になって。
君の隣に失礼して・・向き合いましょうね〜♪
照れる？さっきの耳かきで向き合ったじゃない。
今更恥ずかしがらないの♪
あ〜！背中向けた（頬膨らます）
なら・・ギュー！
こうして抱きしめちゃう。
お姉さんのことも癒してね？
うん・・有難う。良い子良い子。
お休みなさい

END

・台本（ゆるボイ！）
大人になった君との夏
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
遊雨紫音