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カフェ店員の計略
written by 夜木嵩
  • 監禁
  • ウェイトレス
公開日2021年07月10日 09:05 更新日2021年07月14日 14:51
文字数
2191文字(約 7分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
カフェ店員
視聴者役柄
常連客
場所
カフェ
あらすじ
とあるカフェの常連客のあなたに、店員はとある相談をする。
その真意は、あなたを捕えるための探りで……
本編
「いらっしゃいませー。
あっ、お待ちしていましたよ。
何かあったんですか? いつもなら来るはずの時間になっても来ないんですから。

確かに10分遅いだけですけど、心配なものは心配なんですよ?
……そうですか、私が気にすることじゃない……ですか。

それで、注文はいつものでいいですか?
はい、じゃあすぐにお持ちしますね!


お待たせしましたー! え? いくらなんでも早すぎる?
当たり前じゃないですかー、あなたがこの時間に来て、この注文をするのは決まってることなんですから。

え? もしそうじゃなかったら? お店の心配なら不要です。閑古鳥は鳴いていませんし、あなたの頼むものって、定番のメニューなんですもの。それこそ、あなたが気にすることはないんです。

え? 根に持ってるのかって? だとしたらどうします?

……すみません、困らせちゃいましたね。
長話していてコーヒーを冷ますわけにもいきませんから、私は仕事に戻りますね。
ごゆっくりどうぞ。


ふぅーっ、マスターから今日は上がっていいって言われたので今から私はお客さんです。
お隣、いいですか?

あーっ、今、混んでないんだから空いてるところに行ってくれって顔しましたね?
ムカついたので、あなたの返答を待たずに座っちゃいます。
え? そんなこと思ってない? だとしたら、隣に座っても問題ないですよね?
たまには二人で一息つくのもいいじゃないですか、話し相手になってくださいよ。

それじゃ、私もあなたと同じ物をっと。マスター!
えへへ、笑われちゃいました。

それで、あなたに話し相手になってもらおうっていうのも、相談したいことがあるんです。
マスターとかじゃなく、あなたにです。

安心してください、聞いてくれるだけでも充分ですから。
実は私、好きな人がいるんです。ここ数日特にその人のことばかり考えてしまって、眠れなくなったり、仕事でも私生活でも失敗が増えたり、何ともモヤモヤしているんです。

……告白しちゃえってかなり大胆に言いますよね。告白ってなんだか、断られたら関係が振り出しに戻りそうで怖いじゃないですか……
そうなると、どうしても両想いっていう確証がないと踏み出せなくて……

かといって何もしないまま、いつ会えなくなるかもわからないというのが不安を駆り立てているんです。恋というものが不治の病だっていうの、わかる気がしてきました。

ちょっと目を合わせてくれるだけで気があるんじゃないかって思い上がったり、他の女性と一緒に居るところを見ると、そもそも相手には彼女がいるんじゃないかって不安になって、心が落ち着かないんです。
こんな日々を続けられるほど私、強くなくて、どうにかならないかなって思っているんですよ……

はぁ、どうしても離したくないなら、監禁ぐらいしかない……ですか。
確かに、真っ当な関係を望んでいても、相手にその気がないとどうしようもないですからね。
ただ、そんな倫理観と好感度を度外視するようなやり方はどうかと……

でも、あなたにとってはありなんですか?

……そうですか。世の中、いろいろな人がいますもんね。
ただ、おかげで安心しました。

これで、あなたを心置きなく監禁できます」

「おはようございます。何が何だかよくわからないって顔、してますね。
いいですよ。知りたいこと、何でも教えてあげます。

ここはどこか、ですか。ここは私の部屋です。私、頑張ったんですからね? 眠ったあなたを運ぶの、大変だったんですから。

どうして私に監禁されているのか、ですか。自分で言ったんですよ? 好きな人を絶対に離さないんだったら監禁しかないって。しかも、あなたはそういう愛もありだって言ってました。

つまり、私は好きな人に好きな人の相談をしていたんです。
驚きました? 好きな人を監禁しちゃえ、なんて言ったら自分が監禁されることになるとは思いませんでしたよね? そうです。あのコーヒーに睡眠薬を仕込んだんです。

仮にあなたが監禁されることを嫌だと言っていたら、あのまま閉店間際まで寝かせておくつもりでしたが、予測通りあなたは監禁されるのはありと言ってくれたので、ここまで運んで縛っちゃいました。

本気で言ってないって、今更何を言っても無駄です。
あなたがカフェで読んでいた本、ブックカバーで何読んでるかはわかりづらかったですが、あれ、ヤンデレ系のラノベですよね?
だから、私はあなたがヤンデレを好きなんじゃないかと思って昨夜聞いてみたんです。

それに今の表情、満更でもなさそうですよ? 普通の人なら、早く出してほしいとか、何されるかわからないとか思って、怖がるんじゃないかと思うんです。
あなた以外を監禁したことはないので想像も含みますが、大きく外れてはいないはずです。

それを踏まえると、やっぱりあなたは監禁されたいということになるんですが、間違ってませんよね?

よかったです。私はあなたを離さないでいられて、あなたはその愛を受け止めてくれる。
お互いに幸せですね。

今日から晴れてあなたは私のものです。いっぱい愛してあげるつもりですが、責任は取ってくださいよ?
だって、私をヤンデレにさせたのはあなたなんですから。
あなたを好きにならなければ、私は好きな人を監禁するような女にはならなかったんですから。

ええ、もちろんです。こうして監禁したからには、あなたを世界中の誰より強い愛で、あなたが私しか考えられなくなるくらい満たしてあげます。

あなたなら、全部受け止めてくれますよね?」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
カフェ店員の計略
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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