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先輩は愛を否定する
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 先輩
  • 依存誘導
公開日2024年01月28日 17:35 更新日2024年01月28日 17:35
文字数
2666文字(約 8分54秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
頼れる先輩
視聴者役柄
後輩
場所
帰り道
あらすじ
いつも通り、部活の先輩との穏やかな帰り道。
先輩は頼れる人で、いつも色々な相談を聞いてもらっている。
そんな先輩にふと、他の異性についての恋愛相談をしてみたら……
本編
なぁんだ、後輩くん、私の帰り、待っててくれたんだ。
別に帰っちゃっててくれてもよかったのに。

それとも、一人じゃ寂しくて帰れない?
なんてね。

一緒に帰りたいのは、私の方かもしれないね。

いつの間にか、一緒に帰るのが自然になってさ。
後輩くんと話すのが、楽しいから、なのかな。

後輩くんも、楽しい?

よかった。

で、どうなの?
部活の方は頑張ってるってのは見てるからわかってるけど、最近危ないという話のお勉強の方は。

もうじきテストでしょ?

あ、じゃないよ。
その様子だと、今度のも私が教えてあげなきゃいけない感じかなぁ?

私だってテストあるんだからさ。
学年違うからテスト勉強にならないし。

うそうそ、私は後輩くんと違って、普段からしっかりと復習してるから、後輩くんに構ってあげられる余裕があるのだ!
話はいくらでも聞くよ。

もちろん、勉強だけじゃなくて、何だっていいからね。

私は後輩くん専属のお悩み相談室だから。
言い過ぎ?

でも本当、遠慮とかしなくていいからね?
私、後輩くんに頼られるの好きだし。

頼ってばっかじゃなんかヤダ?
そういうの、気にしちゃうか。
後輩くん優しいもんね。

後輩くんだから、頼るくらいタダでいいのに。
って言うと、借りがあるみたいなんだよね。

その代わり、後輩くんはいつも私のこと、尊敬してくれるじゃんか。

私も結構なよなよしてるから、他の人から慕われるとかないんだよね。
後輩くんだけなの。
かけがえのない存在だね。

だから、本当に、いるだけで十分というか、もうそれが私にとっての借りだからお互い様ってことなんだよ。

本当に、いてくれるだけでさ。

なんか、しんみりしちゃった。
らしくないね。

ん、早速相談事?
いいよ、先輩に言ってみな。
へへっ。

女子の脈?

……誰?

あ、いや、違うの。
なんか後輩くんからそういうこと聞かれると思ってなくて、ビックリしちゃったんだよね。
怖がらせちゃってたらごめんね。

で、誰なの?

部の同級生のマネージャーちゃん?
クラスの中心人物のギャルの子?
別の学校に通ってる後輩くんが幼馴染って言ってる子?
それともまさか、委員会でウザ絡みしてくる先輩の女?

そっかマネちゃんか。
確かに、最近よく後輩くん、目で追ってるなぁって気はしてたよ。
後輩くんは気持ち隠すの下手だから、すぐわかっちゃう。

気になるのも仕方ないか。
あの女、後輩くんに向かって普通に色目使ってるし。
後輩くんのこと、狙ってるよアレ。

やめときな。
あんな見境もなく人のこと誘ってくるようなケダモノ、別に後輩くんのこと愛してなんかないんだから。
後輩くんがちょっとカッコいいからって、カッコよさの搾取だよ。
ちょっと楽しんだら、次のよさそうな人のとこにすぐ飛びついちゃう。
あんなのに引っかかってほしくないな。

それに、あんな単純なアプローチでなびいちゃうようなかっるい後輩くんも後輩くんだよ?
あの女、やたらと後輩くんに詰め寄ってアピールしてるけど、好きとかカッコいいとか、そんなくだらなくて脆い言葉に惑わされちゃダメなんだから。

でも、告白しちゃう前に後輩くんが私にちゃんと相談してくれてよかった。
もちろん、聞いてくれるって信じてたけど。
危うく傷付いちゃうとこだったんだから。

いいかな?
男の子がいいなぁって思う女ってね、いいなぁって思うように自分を作ってるんだよ。
だから、ドキッとするのは当たり前かもしれないけどね、それ以上に大切なことなんて無視してるんだから。

後輩くんの心を理解する気もなくて、ただ自分が満たされればいいだけのうすっぺらーい恋愛感情なんて、向き合っちゃダメなんだよ?

そうは思わなかった、ね。
男の子らしいというか、見る目がないというか。

そいつのどこがいいの?

ケガした時にすぐ心配して駆け寄ってくれて、丁寧に手当てしてくれたこと、ね……
少し前に、後輩くん、脚ケガしてたもんね。

確かにあの女、後輩くんにばっか献身的なとこ見せてるような。
後輩くんの夜更かしとか食生活とか、そういうとこまでいろいろ言ってたりしてるのも聞いたし。

後輩くんは、そういう、尽くしてくれるとこに愛を感じちゃうタイプなの?

そっか、だから後輩くんは愛を感じちゃったのか……

それならさ、この際だから教えてあげる。

幻想だよ。
愛なんて。

人はさ、愛を求めてるとか愛がなかったら生きていけないとか言うけど、未だに愛が何なのかよくわかんないままじゃない?
よくわかんないんだから、永遠の愛とか誓ったってあっさり別れたりするの。

そんなものに、人生預けちゃったら危ないよ?
やっぱり後輩くんが傷付いちゃう。

ごめんね、さっきは後輩マネちゃんのこと、薄っぺらいとか言っちゃったけど、確かに後輩くんを「愛してる」っていうのはそうかもしれないね。
ちょっと感情的になっちゃった。

でも、愛してるってね、一時の気の迷いかもしれないでしょ?
いくらカッコいい後輩くんだったとしても、彼女は白馬の王子様みたいな幻覚を抱いてるかもしれない。

さすがに後輩くんも、等身大の男の子だもんね。
本当以上の期待を寄せられても重いし、応え続けるなんて大変でしょ?

あ、あの子ってそういう感じじゃないか。

ほ、ほら、彼女が支えてあげたいっていうタイプだとしても、それはそれでさ、過保護というか、心配性すぎる感じで、かえって「愛する」後輩くんのことがよく見えてないかもしれないでしょ?
なんというか、人のことを大切にできる自分が好き、みたいな。

結局愛なんてね、愛する人のためになってないんだよ。
自分のことが見えなくなっちゃうんだから、暴走するのも当然だよね。

だからさ後輩くんはね、私と一緒になるのがいいと思うんだ。
私はね、後輩くんを自分勝手に愛したりなんかしないよ?

後輩くんとは、今までの信頼で繋がってるから無理に求めたりする必要なんてないってわかってる。
今日だって、自然に二人で帰ってるみたいに。

後輩くんも一緒に帰るのが楽しいって言ってくれた。
だから、これくらいでいいの。

でも、もし後輩くんが今のこれくらいで満足できないって言うんなら、後輩くんの望むがまま、私はどこまでも受け入れてあげられる。

このまま、穏やかに一緒にいようって言うならもちろん。
もっと青春らしくはしゃぎたいなら、それも。
もし、私にドキドキして、欲しくなっちゃうなら、それだって。

後輩くんのペースでいいの。
理想を押し付けたりも、尽くすことに酔ったりもしない。
ただ、一緒にいられればそれが一番私は幸せだから。

ねえ、明日からも、毎日一緒に帰ってくれる?
後輩くんの相談も、頼み事も、なんだって聞いてあげる。

なんだって、私に頼っちゃえばいいんだから。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
先輩は愛を否定する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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