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連れ去り注意! ヤンデレタクシー
written by 夜木嵩
  • 監禁
  • ヤンデレ
公開日2021年07月10日 09:40 更新日2021年07月14日 14:56
文字数
2898文字(約 9分40秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ヤンデレタクシードライバー
視聴者役柄
社畜気質の会社員
場所
タクシー→???
あらすじ
飲み会の終わった時には終電の時刻を過ぎていた。
あなたは帰宅するためにタクシーを呼んだのだが……
本編
(ドア・閉)
「ご利用ありがとうございます。お客さん、どちらまででしょうか。

かしこまりました。
すみません、私、この仕事もまだ日が浅く、実はそちら方面は初めてでして、道を度々確認すると思いますのでご了承ください。
それでは出発しますね。

お客さん、酔っていらっしゃるようですが、大丈夫ですか?
そうですか。大変ですね、身体に合わない酒でも、付き合いで飲まなきゃいけないだなんて。

でも、そういうのって最近は“アルハラ”だとか言って問題になるんじゃないですか?
はあ、うちの会社にそんな倫理観あるわけないだろって、そんなとんでもないところで仕事してるんですか。
私だったらすぐ転職ですね。特に、そういうところって女性への意識も低そうですし。
やっぱりそうなんですね。まあ、お互い大変ですね。

私ですか? 私は、こんな客商売やってますから仕方ないことではありますけど、神様が地上に降りて来たのかというくらい優しい方もいらっしゃいますが、正直やってられないっていう方も一定数乗られますからね。
安心してください、お客様のことは迷惑だなんて微塵にも思ってませんから。

むしろ、私の心労なんかよりもお客様が心配です。
そんな職場ではストレスも溜まるでしょうし、終電過ぎまでの飲み会というのもこれからもありそうですよね。やはり、辞めるということも真剣に考えておくべきなのではないでしょうか。

私の立場から言わせていただくと、飲んで終電を逃していただかないと乗ってもらえないので悩むところですけどね。

ふふ、冗談ですよ。お客さんの心身の健康が一番です。
ただ、日頃から使ってくださるのは構わないですよ?

……そうですか。やっぱり高いですもんね。
いえ、それが普通ですよ。今回の距離なら、電車でも200円ぐらいじゃないでしょうか?
それが10倍以上ですからね……

でもお客さん? お客さんはちょっぴりラッキーなんですよ。
何がって、私です。
私も最近知ったんですけど、タクシードライバーの中で女性って、3%しかいなんですよ。
ね、ラッキーでしょ?

……って、今あからさまにどうでもいいって顔しましたね?
じゃあ今度助手席にオスの三毛猫でも乗せようかな。

まあ、そういう問題じゃないというのはわかってますよ。
この幸運で運賃が安くなるっていうことじゃありませんからね。

むしろ、ラッキーなのは私の方だと思います。
だって……ってあれ? お客さん?
眠ってしまいましたか……お疲れでしたもんね。

正直迷ってましたが、眠っているなら大丈夫ですよね……?」

(走行音)

 ◇

(鳥の声)

「あ、目、覚めました? お客さん、随分深い眠りでしたね。
寝心地はどうでした? 車の中だと、適度に揺れて心地いいんですか?

って、どうしたんですか? 頬つねっちゃって、夢だって疑ってるんですか?
でも、それもそのはずですよね……

ここ、ご覧の通り、何にもない山の中……です。えへへ。
……ごめんなさい! 私、道間違えました!

途中からおかしいなとは思っていたんです。それで、聞いてみようと思えばお客さんは夢の中。
こうなるとわかっていたら、起こしてでも道を聞くべきでしたね……

あと、本当に申し訳ないんですけど、彷徨っているうちにどうやらガス欠を起こしてしまいまして、携帯のバッテリーも切れてて、連絡の取りようもなく、お客さんの携帯を利用できないかなと思っているのですが……

えっ、お客さんの携帯もダメですか? うわぁ……ことごとくダメですね……すみません、すべては私のせいです。

え? タクシーに無線はないのか?
ふふふ、お客さん、車のナンバーを見ればわかるかと思いますが、実は白タクなんですよ。
ですから、連絡する手段はないんです。

これは、来た道を戻るしかないですね……しかも、私も真っ暗な中で来てしまったので、こんなにも何もない山道だとは思いませんでした。
他の車が来てくれればどうにかなるとは思うのですが、見渡す限り自然ばかりで家も畑もないんですよね。

あ、分かれ道ですね……
すみません。私、真っ暗だったのでどっちから来たかわかりません。
どうやら、帰る術がなくなってしまったみたいです。
こうなると、無暗に体力を使うのも危険ですね……

あ、でも、右側の道の先、小屋みたいなの見えませんか?
ということは、あっちの方に集落があるかもしれません、行きましょう。


うーん、人気、ないですね……何が集落があるかもしれません、ですか私。
仕方ないので、小屋の中に入ってみます? 鍵、開いてるみたいですし。」

(扉を開ける)

「あ、思ってたより広いですね。
それに、ちょうどいい具合に食料があります。
ただ、地図も、場所を示すものもないみたいです。

というか、見た目に反してここ、地下までありますよ!?
来てください!」

(階段を下りる)

「……どうしました? 怖いんですか?
まあ、そうですよね。こんな山道の途中の小屋に、監禁部屋みたいなものがあって

大丈夫ですよ。罠もないですし、危なくないです。
しかも、先に私が入ってるんですから。

もう、意外とビビりなところ、あるんですね。
中々入ってくれないんですから」

(鍵を掛ける)

「さて、これであなたと完全に二人きりですね。

え? 話が違う?
私、何の話をしました? 罠はないと言いましたけど、私が仕掛けないとは言ってませんよ?

ええそうです。最初からこうするつもりでした。
数日前、あなたに一目惚れしてしまったんです。
そしてあなたは昨夜、終電過ぎまで飲み、帰宅の術を探していた。
これはチャンスだと思って、タクシーを装ってここまで運ぶことにしたんです。

途中で少しやめようかと思ったんですが、あなたは無防備に眠っていましたからね。
でも、その寝顔だけじゃなく、本当にあなたは無防備な人ですね。
あなたが眠るまでは、ちゃんとあなたの言う目的地に向かっていたんです。
そこから数時間目を覚まさないとは、攫いやすくて助かりましたよ。
そういうところも私、好きですよ。

え、帰りたいんですか? 別に、いいじゃないですか。
俗世との関わりなんて絶ってしまいましょうよ。
あなたがあのまま会社に勤めていたらろくなことにならないんですから。

あなたはここにいれば、仕事なんて考えなくていい。人間関係に悩まされることもない。
生きていればそれで十分な楽園なんですから。

それでも、見知らぬ女に捕らわれるのは嫌?
そんなの、あなたが誤解しているだけです。
あなたは監禁されたのではなく、私に救いを求めた。そう思えばいいんです。
それに、見知らぬ女なんて距離を置く言い方、私、悲しいです。
これから、いろんな意味で私を知っていくんですから、完全に他人だっていう言い方はやめましょう? 

そうですね。二人きりで暮らすことになるんですから、初対面の妻、とかどうですか?
それに、これから早速関係を深めていくので、初対面なんて言葉も取っちゃいましょう。
ほら、これからの私たちの関係にぴったりな言葉の完成です。

というわけで、私たちのこれからはすべて、私に任せてください。
家事も、お仕事も、なにもかも。
特に外に出なければいけないことをあなたにさせるわけにはいきませんからね。

大丈夫です。あなたはつらい思いをすることはないんですから。
だから、末永くよろしくお願いします」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
連れ去り注意! ヤンデレタクシー
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
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