- ホラー
- ヤンデレ
公開日2021年07月10日 09:45
更新日2021年07月14日 14:57
文字数
2058文字(約 6分52秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
「メリーさん」
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
もはや説明不要の都市伝説、メリーさんからの電話。人形「メリー」を捨てた少女のもとにその人形がやって来るという。
そんなメリーさんからの電話、俺が捨てた「メリー」は誰なのか。
そんなメリーさんからの電話、俺が捨てた「メリー」は誰なのか。
本編
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、ゴミ捨て場にいるの。
……え? 俺は人形なんか捨ててない?
そうだろうね。あなたは人形なんか持ってなかったもの。
それにあたし、人形じゃないし。
さあ、だったら何者なんでしょうか、あたしは」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、公園の前にいるの。
はぁ……正体を教えろって、途轍もなくナンセンスなこと聞くわね……
でもいいわ、特別にヒントをあげる。あたしは都市伝説のお人形さんとは違うからね。
でも、そのお人形さんとあたしは同じ。持ち主に捨てられたの。
ええ。もちろんあなたのこと。あなたが捨てた、人形よりも大切なもの。
……はあ、わからないんだ。
もしかしてあたし、あなたに大切なものだって思われてなかったのかな……?
そうだったらあたし、本当に悲しいわ。
捨てられただけでも悲しいのに、あまつさえその存在さえも忘れられちゃうようなあたしだったのかな……
ねぇ、一体、あなたにとってあたしって何だったの?
って、答えられないよね。だって、まだあたしが誰かもわかってないんだもん……
でも、あなたに忘れられたなんて認めたくない。
ねえ、あたしが家に着くまでには思い出してよ?」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、あなたの住むマンションのエントランスにいるの。
それで、あなたはあたしの正体、わかった?
……。
あたし、今泣きたいよ……うぅ……
声に出したら本当に涙出てきた……
なんで……なんであなたはあたしのことを覚えてないのよ……
あたしはこんなにもあなたのことで頭がいっぱいなのに、この心はあなたを求めて止まないのに……
早く、思い出して。お願い。あたしからのお願い。
……いや、いいわ。思い出せないとしても、必ず思い出させるから。
それにしても、あなたのマンション、相変わらずエレベーターが来るのが遅いわね……諦めて階段を使おうかしら。
でも、なんだろう。こうしてあなたの家に向かう時のわくわくした気持ち、一階に降りてこないエレベーターに痺れを切らして階段を駆け上がっていたこと、鮮明に思い出せるんだ。
あなたは何にも思い出してくれないけれど。
今、階段を上ってるわ。一歩一歩、あなたのもとへ近づいているの……
待っててね」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、公園にいるの。
そう。家の前まで立ったんだけど、あたし、とっても大切なものを落としてきちゃったみたいで……
だから、もうすこし待っててね。
……雨、降ってきちゃった。
早く、見つけないと。
だって、あたしとあなたのつながりを示す、今、一番大切なものだから。
あの時あなたは、あたしと一緒に捨てたけど、二つともあたしに押し付けたからね。
まだ、ずっと大切に持ってたんだ。
……ここまで言えば、あたしが誰か、大切なものが何か、思い出してくれるかな。
そう……でも、必ずあなたのもとへ向かうから」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
やっと見つけたの。
二つが重なって落ちててね、ちょっと、運命感じちゃった。
……え、雨?
心配してくれるんだ。あたしが誰かもわかってないくせに。
……っ! 思い出してくれたの!?
え? もうお前とは別れたはず……?
そうだね。あなたはあたしを捨てたんだもの。
でも、ダメだよ? 自分のものだからって雑に捨てちゃ。
物は簡単に捨てたりしないで、大切に大切にして、壊れて使い物にならなくなるまで丁寧に扱ってあげなきゃ。
それが、自分のものにするっていう責任だと思うよ?
もちろん、あたしのことも。
だから、今、あなたのもとへ向かってるんだよ。
あたしはまだ、あなたに壊されてないもの。
まだ、あたしはあなたのものだよ?
……へぇ、それでも言うんだ。
まだあたしがあなたのものじゃないって。
じゃあ、今あたしの手にあるこの指輪って、どういう意味だったのかな?
……ただのおもちゃだって、確かに本物の婚約指輪じゃないのはわかるけど、あなたはどういう意味を持つかわかってて、この指輪をあたしの左手の薬指にはめたんじゃない。
きっと、その瞬間にあたしはあなたのものになったの。
それがただの冗談だったって言うんなら、こんな雨の中で必死で探して、びしょ濡れになったあたしを馬鹿にすることになるよ?
あなたの気持ちを信じてここまで生きてきたあたしを否定することになるね。
あたし、哀れだね。
それに、一番大事なことを忘れてる。
あたしにもだけど、自分にも嘘つくことになるって。
あたし、あの時のあなたの心の声が聞こえたんだって信じてるんだ。
耳では聞こえなかったけれど、いつもの声よりも強く、あたしの胸の奥で響いたの。
そんな気持ちが嘘だなんて、言わないよね?
そう、それでも嘘をつくんだ……
でも、もう、そんなの無意味な抵抗だよ。
ここまで来れば、あなたに逃げ場はないから。
あたし、あなたのことは諦めた。
だから、今からあたしがあなたの持ち主になるの。
あなたのこと、貰いに行くから待っててね。
あなたとは違って、決して捨てないからね」
(電話・切)
(鍵の開く音、ドアの開く音)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、あなたの後ろにいるの」
(電話・切)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、ゴミ捨て場にいるの。
……え? 俺は人形なんか捨ててない?
そうだろうね。あなたは人形なんか持ってなかったもの。
それにあたし、人形じゃないし。
さあ、だったら何者なんでしょうか、あたしは」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、公園の前にいるの。
はぁ……正体を教えろって、途轍もなくナンセンスなこと聞くわね……
でもいいわ、特別にヒントをあげる。あたしは都市伝説のお人形さんとは違うからね。
でも、そのお人形さんとあたしは同じ。持ち主に捨てられたの。
ええ。もちろんあなたのこと。あなたが捨てた、人形よりも大切なもの。
……はあ、わからないんだ。
もしかしてあたし、あなたに大切なものだって思われてなかったのかな……?
そうだったらあたし、本当に悲しいわ。
捨てられただけでも悲しいのに、あまつさえその存在さえも忘れられちゃうようなあたしだったのかな……
ねぇ、一体、あなたにとってあたしって何だったの?
って、答えられないよね。だって、まだあたしが誰かもわかってないんだもん……
でも、あなたに忘れられたなんて認めたくない。
ねえ、あたしが家に着くまでには思い出してよ?」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、あなたの住むマンションのエントランスにいるの。
それで、あなたはあたしの正体、わかった?
……。
あたし、今泣きたいよ……うぅ……
声に出したら本当に涙出てきた……
なんで……なんであなたはあたしのことを覚えてないのよ……
あたしはこんなにもあなたのことで頭がいっぱいなのに、この心はあなたを求めて止まないのに……
早く、思い出して。お願い。あたしからのお願い。
……いや、いいわ。思い出せないとしても、必ず思い出させるから。
それにしても、あなたのマンション、相変わらずエレベーターが来るのが遅いわね……諦めて階段を使おうかしら。
でも、なんだろう。こうしてあなたの家に向かう時のわくわくした気持ち、一階に降りてこないエレベーターに痺れを切らして階段を駆け上がっていたこと、鮮明に思い出せるんだ。
あなたは何にも思い出してくれないけれど。
今、階段を上ってるわ。一歩一歩、あなたのもとへ近づいているの……
待っててね」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、公園にいるの。
そう。家の前まで立ったんだけど、あたし、とっても大切なものを落としてきちゃったみたいで……
だから、もうすこし待っててね。
……雨、降ってきちゃった。
早く、見つけないと。
だって、あたしとあなたのつながりを示す、今、一番大切なものだから。
あの時あなたは、あたしと一緒に捨てたけど、二つともあたしに押し付けたからね。
まだ、ずっと大切に持ってたんだ。
……ここまで言えば、あたしが誰か、大切なものが何か、思い出してくれるかな。
そう……でも、必ずあなたのもとへ向かうから」
(電話・切)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
やっと見つけたの。
二つが重なって落ちててね、ちょっと、運命感じちゃった。
……え、雨?
心配してくれるんだ。あたしが誰かもわかってないくせに。
……っ! 思い出してくれたの!?
え? もうお前とは別れたはず……?
そうだね。あなたはあたしを捨てたんだもの。
でも、ダメだよ? 自分のものだからって雑に捨てちゃ。
物は簡単に捨てたりしないで、大切に大切にして、壊れて使い物にならなくなるまで丁寧に扱ってあげなきゃ。
それが、自分のものにするっていう責任だと思うよ?
もちろん、あたしのことも。
だから、今、あなたのもとへ向かってるんだよ。
あたしはまだ、あなたに壊されてないもの。
まだ、あたしはあなたのものだよ?
……へぇ、それでも言うんだ。
まだあたしがあなたのものじゃないって。
じゃあ、今あたしの手にあるこの指輪って、どういう意味だったのかな?
……ただのおもちゃだって、確かに本物の婚約指輪じゃないのはわかるけど、あなたはどういう意味を持つかわかってて、この指輪をあたしの左手の薬指にはめたんじゃない。
きっと、その瞬間にあたしはあなたのものになったの。
それがただの冗談だったって言うんなら、こんな雨の中で必死で探して、びしょ濡れになったあたしを馬鹿にすることになるよ?
あなたの気持ちを信じてここまで生きてきたあたしを否定することになるね。
あたし、哀れだね。
それに、一番大事なことを忘れてる。
あたしにもだけど、自分にも嘘つくことになるって。
あたし、あの時のあなたの心の声が聞こえたんだって信じてるんだ。
耳では聞こえなかったけれど、いつもの声よりも強く、あたしの胸の奥で響いたの。
そんな気持ちが嘘だなんて、言わないよね?
そう、それでも嘘をつくんだ……
でも、もう、そんなの無意味な抵抗だよ。
ここまで来れば、あなたに逃げ場はないから。
あたし、あなたのことは諦めた。
だから、今からあたしがあなたの持ち主になるの。
あなたのこと、貰いに行くから待っててね。
あなたとは違って、決して捨てないからね」
(電話・切)
(鍵の開く音、ドアの開く音)
(電話・呼)
「もしもし、あたしメリーさん。
今、あなたの後ろにいるの」
(電話・切)
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