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ヤンデレさんの夢の中
written by 夜木嵩
  • 学生
  • 同級生
  • ヤンデレ
公開日2021年07月12日 18:20 更新日2021年07月14日 14:58
文字数
2643文字(約 8分49秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
あなた曰く単なる同級生
視聴者役柄
彼女曰く私のダーリン
場所
夢の中
あらすじ
あなたにとってただの同級生のはずの彼女が馴れ馴れしい世界。
彼女があなたを「ダーリン」と呼ぶ世界。
何もかもが彼女の思うがままの世界。
それが彼女の夢の世界。
本編
「あっ、おはよう、ダーリン。
え? 私がダーリンって呼ぶの、おかしい?
でも、ダーリンは私のダーリンだもん。ね? ダーリン。

だけどダーリン。どうして今更それを気にするの?
私たち、ずっと前から愛し合ってるじゃない。
うん、そうだよ。私たちは将来を誓い合った仲なの。
永遠に切れない赤い糸が、私たちを結んでるんだよ。
出会った瞬間から運命を確信したもんね。

今日もカッコいいよ、ダーリン。
……どうしたの? いつもは私をかわいいって頭撫でてくれるじゃん。
今日のダーリン、なんだか変だよ?

うん、嬉しい。もっと撫でて。
私は、ダーリンのものなんだからね?
私の居場所は、ダーリンの腕の中なんだよ?
だから、ぎゅーってしてほしいな。

ふふっ、困り顔でぎゅっとしてくれるのも新鮮だね。
えへへ、ダーリンの匂い……ダーリンの腕の中、落ち着く……
このまま、離さなくてもいいんだよ?

えー? ダメ?
今日のダーリン、優しくない。
なんか、嫌なことあったでしょ。
ダメだよ? ストレス溜まってるからって彼女にぶつけちゃ。
これくらいだからまだいいけど、同棲始めたらDVに発展するみたいなこと、やめてよ?

私はダーリンを信じてるからね?
いつも私にだけ優しくて、私だけを見てくれて、私だけを愛してくれて、私だけと一緒に居てくれる大好きなダーリンのこと。

うん、そうだよ。
ダーリンは私のダーリンなんだから、私以外なんてどうでもいいの。
私とダーリンの二人だけが幸せなことが、ダーリンの幸せ。
だから、他の人に優しくするのも、話すのはもちろん、見ることも、他の人のことを考えるのもダメ。
ダーリンの一生を、全部私に捧げて?

私だってダーリン以外に関わるつもりはないから。
本当はこんな学校なんて他人だらけの空間から二人抜け出して、私たち以外の誰もが来ることの出来ないどこかでずっと愛し合っていたいくらいだよ。
私は、一生を全てダーリンに捧げるよ?
二人の幸せが私の幸せだもん。

そう。二人の幸せはダーリンの幸せで私の幸せ。
それ以外、何もいらない。

どうしたの、呆然としちゃって。
悪い夢でも見ちゃった?
私とダーリンが、別れる夢とか?
ダメだよ。私たちの愛の形は不変なんだから、夢でもそんな不安になるようなこと描いちゃダメ。
心の底からお互いを信じていれば、そんな夢、見ないよ。

でも、許してあげる。
どんな夢を見ても、結局この今が全てだもの。
私はダーリンの夢を覗いたり出来ないから、私たちの全てはここにしかないもんね。
ダーリンは私のこと、愛してるでしょ?

うん、それならいいの。
私からダーリンと離れることは絶対ないから。

ねえダーリン。
やっぱり変だよ。
いつもこんなに二人で話してたら、キスの一つや二つ、ダーリンがしてくれるはずなんだけど。
あ、わかった。もしかして、今日は私からしてほしい日なんだね?
もー、それならそうって言ってよ。
そんな不器用なところも好きだけど、気持ちはちゃんと伝えようね?

え? 周りにクラスメイトがいて気になる?
言ったじゃない。
私以外のことなんて考えちゃダメだって。
だから、そんなことどうでもいいんだよ。

……どうしても気になるなら、ここを二人きりの空間にしてあげる。

ほら。これで周りの目なんて気にしなくていいよ。
それじゃ、ダーリンに私の愛をあげる。
目、閉じた方がいいかな?

……あれ?
どうして、私の口を押えるの?
ダーリンが私とキスしたくないはずがないんだけど……

……もしかして、ダーリンじゃない?
今日は初めからおかしいと思ってたけど、そういうこと?

でも、匂いも雰囲気も、カッコよさもダーリンと同じ。
何よりも私がダーリンとダーリン以外を間違えるはずがない……

……そっか。ダーリンはダーリンでも、本物のダーリンなんだね。
ついに、私の夢の中に本物のダーリンを呼ぶことが出来た……!
私を愛してくれないのはやっぱり悲しいけど、本物のダーリンが私の中にいる……

どういうことって、そっか。流石に状況が特殊過ぎて、説明してあげないとわかんないよね。
いいよ、教えてあげる。

ここは、私の夢の中。
私は夢の中であなたと愛し合える世界を築き上げていたの。
それ自体は驚くことではないだろうね。
現実でも私はあなたを愛していた、というのは気付いていただろうから。

そして、きっとあなたは私の夢の中にいるということに大いに困惑している。
そうだよね。夢の中の登場人物は記憶の中から現れるというだけで、現実からやって来るものではない。
例えば、死んでしまった人でも夢に現れるように、現実と夢は繋がりを持たないはず。
多分、それがあなたの、というか一般的な認識だろうね。

でも、ここにいるあなたは現実のあなた。
そう、あなたは私の夢に侵されてるの。

しかも、初めのうちはあなたが意図しない動作をしたりしてたでしょ?
あれはね、夢の中のあなたと、夢に取り込まれたあなたが一体化していたの。
私もあなたを取り込んでしまったことに気付いてなかったから、夢の中のあなた、すなわち、私の描く私を愛しているあなたとして存在していたの。

でも、一切何も出来なかったわけじゃないみたいね。
いろいろ疑問を抱いて困惑していたのは本物のあなた自身でしょ?
それに、どうやら本物のあなたは私と愛し合いたくないみたいだから、特にキスへの強い拒絶は夢の中のあなたの意思を上回って表れたみたいね。

その時、私が本物のあなただと認識したことでやっと、あなたは本物のあなたとして自由に行動出来るようになった。
もちろん、私の夢という狭い空間の中だけで。
今ここで私とあなたは二人きり。
外の世界は存在しない、出られない。

え? 抜け出したいの?

嫌だよ。
私の夢が夢から覚めない限り、あなたはここから出られない。
そして、その間はあなたを私のものに出来る。
今あなたは自分の自由に動けているけれど、ここは私の明晰夢の中。
私はあなたをコントロールすることだってできる。

例えば、あなたが嫌がってるキスだって、強引にできてしまう」

(キス)

「ほら。今、あなた自身は何もしていないはず。
私の愛に抗う術なんて、ないでしょ?
現実じゃこんなことできないもの。
それなら私はここで二人きり、目覚めないままの幸せを選ぶわ。

ねえ、逃げないの。
私にその身体、乗っ取られて動けなくなるだけだよ?
それに、この世界はここだけって言ったでしょ?
逃げられないし、逃げさせない。

全ては私の望むまま……
夢が終わればきっと、あなたはここでの出来事は忘れてしまう。
でも、そんなこと関係ないわ。
だって、この夢は終わらないのだから。
さあダーリン、永遠の夢を一緒に見ましょ?」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレさんの夢の中
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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