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天気操作系幼馴染とあまやどり
written by 夜木嵩
  • 監禁
  • 幼なじみ
  • 学生
  • ヤンデレ
公開日2021年07月14日 15:10 更新日2021年07月14日 15:03
文字数
2466文字(約 8分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
天気操作能力を持った一見普通の幼馴染
視聴者役柄
彼女の能力は知らない普通の少年
場所
帰り道→彼女宅
あらすじ
帰り道、急に降ってきた夕立のような雨を幼馴染の家で止むのを待つことにしたあなた。
だが、それは止む気配を見せず、あなたは帰れないまま。
本編
「ねえ君、今日、一緒に帰らない?
やった。どうせならどこか、寄り道する?
あっ、別にしたいって言ってるわけじゃないからね。
ただ君が早く帰りたいって言うならそれでもいいから。

そっか……うん、じゃあ帰ろっか。

久しぶりだね。
昔はこうして一緒に帰るのも珍しくなかったのに。
なんでだろね。歳を重ねるごとに距離が遠くなっていくような気がする。

ねえ、私たち、大人になったら他人になっちゃうのかな。
幼馴染って、その程度でしかないような気がして、ちょっと、切ない。
時の流れが何だか怖く思えるなあ。

それこそ、もし君に彼女なんてできちゃったら、彼女以外の女性と二人きり、なんて出来なくなるでしょ?
たとえ私が彼女より関係が長いと言っても関係なし。
君からというか、私が気を遣って君に声を掛けづらくなるんだと思う。

え、ごめん? それって、どういうこと?

……え? 今度、告白しようとしてた?
誰に?
あー、部活で一緒のあの子ね。
君、最近あの子のこと気になってるって言ってたもんね。

え? 私にそれを話した覚えはない?
そうだろうね。多分、君が男子たちと話してるのをちょっと聞いただけだから。
大丈夫、他の人には言ってないよ。

でも、そっか。勇気を出して告白。それも青春だもんね。
安心して。私は君の告白が失敗しろだなんて祈らないから。
さっき、あんなこと言っておいたせいで、恋の成就を手放しで祝えないことはバレバレだと思うけど、君の望む結果になるといいね。

あーあ、これだから青春と夏は嫌いなんだよな。
恋も熱くなれば空気も暑い、逃げ場のない茹だるような世界。

……そうだね。僻んでるよ。
当然、こんなこと言って、何かのためになるとは思ってないけど。

はあ、夏が憎けりゃ空の青さまで憎い。
……今日は雲でいっぱいだけど。
というか、真っ黒い雲だね。なんか、雨降りそう。

ねえ、なんか、冷たい風吹いてない?
さっきまで暑いって言ってたけど、なんか急に変わったよね。

……もしかして、雨降る?
お互い、傘持ってないよね。

急ごう! 私の家の方が近いから、一緒に避難しよ!」

(走る)

「はあ、はあ、なんとか降られないで済んだね……
それにしても、急に暗くなってきたし……

あ、降り始めた。
やっぱり、あの違和感は予兆だったんだね。
急いでよかった」

(激しい雨音)

「うわぁ……急に激しい雨降ってきちゃったね。
天気予報じゃ一切降るなんて言ってなかったのに。
でも、こういうのって、激しい分、止むまでは早いんだよね。
それじゃ、止むまでの間、君はここで雨宿りしてきなよ。
ちょっと、部屋で暇つぶししよっか。

いやー、それにしてもすごくちょうどいいタイミングだったね。
家に着いた途端に雨、降りだしたからね。
私たち、ツイてるのかも。

え? 雨宿りする羽目になった時点でツイてない?
いやいや、びしょ濡れにならなかっただけツイてるよ。
そうやって、プラスに物事を考えていかないと、幸せに気付けないぞ?
なーんて、私に言われたくないか。

さて、暇つぶししようとは言ったものの、何をしようか。
雨が降るって決まってたわけでもないし、君をもてなす準備は何一つ出来てないんだよね。

あ、でも、ゲームがあった。
どうする? 始めちゃうと何時間と熱中してやめられなくなる気もするけど。
わかった。じゃあ、やろっか」

「……ねえ、それはひどいー!
次からそれ禁止にしてよ!

えー、それを禁止にしたら何も出来なくなる?
仕方ないでしょ、私君みたいにゲーム得意じゃないんだもん。
そこまでしないと私が勝てないの。
うん、絶対に私が勝つまでは帰さないからね!

……って、雨、まだ止んでない。
おかしいな、数十分もすれば晴れるような雨だと思ったんだけど、もうすっかり夜になっちゃったのに止む気配すらないや。

大丈夫? 君も、そろそろ親とか心配してないかな?
そう、友達の家にいるって連絡したんだ。
……友達、ね。

ううん、気にしないで。
でも、どうする?
雨、止みそうもないよ?

あ、今行くのはやめた方がいいよ。
さっきまでなかったはずの風が吹いてきちゃったから、傘を差してもどうにもならなくなってる。
君が行くとしても、風が止むのを待ってからかな。
なんか、雨は朝まで待たないとダメな気がする。
どうしてもって言うなら、傘、借りてっていいけど。

そう、風が止むまで待つんだ。
いいよ、もし止みそうにもなかったら、私の家に泊まりなよ。
でも、まさかこうなるとは思わなかったね」

(暴風雨)

「うーん、やっぱり、ダメみたいだね。
今夜はお泊りにした方がよさそう。
いいよ、私は迷惑とか思ってないから。
むしろ、君が泊ってくれるのを喜んでるくらい。

それじゃあ、寝よっか。
うん、おやすみ」

(朝、晴れる)

「……おはよう。
え? 動けない?
そうだね。それ、私がやったんだもん。

あんまり暴れないでね?
そんなことしても無駄だし、身体が傷付くだけだよ。

どうして、か。
簡単なことだよ。
君を一生私の部屋に閉じ込めたい。それだけ。

ごめんね、君に告白させるわけにはいかないから。
だって、あの子も多分君のこと好きなんだもん。
嫌だよ。君が誰かのものになるなんて。
だから、こうするしかなかったの。

え? 雨が降らなかったらどうするつもりだったのか?
心配ありがとう。
でも大丈夫。そんなこと、あり得ないよ。

だって、あの雨、私が降らせたんだもの。
本来は予報通り一日中晴れるみたいだったから、君が傘を持ってるはずもなく、都合よく雨宿りさせることが出来たね。

あれ? もしかして、信用してない?
まあ、それもそうだよね。
普通の女子高生に天気なんか操れるはずないって思うもんね。

じゃあ、雷落としてみよっか。いくよ」

(雷鳴)

「はい。これでどう? 納得いった?
というか、君がそれに納得してなくても、結果君は監禁されてるんだから、今となってはそんなこと重要じゃないよね。

大事なのは、過去より未来だよ。
ああ、君のことを私が自由にできるんだね。
だから、これから私は君への愛で、君が私以外を忘れてしまうくらいに私色に染めてあげる。
……我慢、できないよ。こんなにも私の近くに君がいることなんてなかったもん。

帰れないね。君への愛は、止みそうにないから。」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
天気操作系幼馴染とあまやどり
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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