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【男性向け】報復【ヤンデレ】
written by 平 朝臣
  • シリアス
  • ヤンデレ
  • 婚約者
  • 続編
  • 復讐
  • 報復
  • バッドエンド
公開日2021年07月23日 22:30 更新日2021年09月22日 01:30
文字数
2352文字(約 7分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
元婚約者
視聴者役柄
元『英雄』と呼ばれた男軍人
場所
現代をベースにした架空の二国家
あらすじ
5年前、『英雄』と呼ばれた貴方(視聴者)は、敵国の女軍人との取り引きによって、自らの地位や栄誉を捨て、愛する母国と想い人を人知れず守った。
戦後は、外出制限などあるにせよ、愛娘共々、平穏な日々を過ごしていた。 
こんな生活も悪くはない...そう思っていた矢先、久しぶりの外出から帰宅すると、そこで待っていたのは、女軍人ではなく、祖国で待っていたはずの元婚約者(演者)であったーーー。
本編
SE:ドアを開ける音

#笑顔で出迎える

あら、お帰りなさい。

今日は、久しぶりの外出だったけど、少しは羽を伸ばすことはできた?

ふふふ...でも、これからは、心配いらないわ。

国に帰れば、何も警戒することなく、外に出られるものね。

...あら?

どうして、そんなに、驚いてるのかしら?

だって、私は、貴方の婚約者なのよ?

その私が、貴方を玄関先で出迎えるなんて、おかしくはないと思うのだけれど...。

#合点がいったように

...あっ、分かったわ!

ここが、あの盗人女のテリトリーだからでしょ!

だから、私が待っていたことに違和感を覚えたのね!

ふふふ...なら、早く戻りましょうか。

戦後、私と貴方が、穏やかな結婚生活を送るはずだった、故郷に...。

...あの女と娘?

#一気に冷たい声になる

あぁ...そこに、転がってる肉の塊のことね...。

それなら、私が処分しておいたわ...。

まず、ドアを開けた瞬間に、2、3発、撃ち込んでおいて...。

それから、動けなくなった隙を逃さずに、止めの1発を、脳幹に撃ち込んだわ...。

ふふふっ...いくら、軍人といっても、無防備な状態で、しかも、至近距離から銃弾を喰らえば、あっけないものね...。

でも、娘の方は、見つからなかったわ...。

おそらく、この家のどこかに隠れてるのかもしれないけど...。

まぁ、そっちについては、元々殺すつもりはなかったから、問題ないわ...。

流石の私も、罪のない子供を手にかけるほど、冷酷ではないってことよ...。

そんなことより、一緒に、昼食なんかどうかしら...?

実は、丁度、今、出来上がったところだったのよ...。

ふふっ...貴方も、それで、構わないでしょ...?

それとも...。

SE:銃口を向ける音

#低い声で

もう食べ慣れてしまった、あの女の方が、よかったかしら...?

...私の手料理の方が、美味しかった...?

#一転して、明るい声になる

本当...!?

ふふっ、ふふふっ...よかったわ~。

やっぱり、異国の料理は、貴方の舌には合わなかったってことなのね。

なら、早く食べましょう?

どんな料理も、出来立てが、一番美味しいものね~。

SE:椅子に座る音

SE:食器具が動く音(指示があるまで流し続ける)

それにしても、何年ぶりかしらね...。

こうして、貴方と食事するのは...。

実は、私も、正直、諦めかけてたのよ...。

貴方が、敗走する部隊の殿しんがりを務めたせいで、捕虜になったって、聞いた時は...。

でも、私は、ひたすら待ち続けたわ...。

貴方が、無事に帰還することを、信じて...。

...けど、そんな努力も虚しく、貴方が帰ってくる前に、祖国は敗戦してしまったわ...。

停戦協定締結という名の、実質的な降伏によって...。

SE:食器具が動く音が止まる

#声を震わせながら

あの日の屈辱は、今でも、国民の脳裏に、深く刻まれているわ...。

抵抗することすら出来ないまま、領土を割譲させられた後、敵の軍によって、その土地の家屋や宗教施設は、徹底的に破壊されたの...。

まるで、私達が住んでいた痕跡を、一つ残らず消し去ろうとするかのようにね...。

#涙声になりながら

しかも、それだけじゃないわ...。

戦中から停戦までの短い間に、占領された地域では、避難できなかった住民が、次々と殺されていったの...。

男性や老人は言うに及ばず、女性や子供に至っては、慰み者にされたり、人身売買にかけられたとも聞くわ...。

だから、首都を包囲された時も、残った私は、恐怖に怯えていたのよ...。

貴方が戻ってくる前に、殺される以上の辱しめを受けることに...。

ぐすっ...うぅ...。

#憎悪を込めながら

それなのに...貴方は、何をしてたの...?

虜囚となってのうのうと過ごすどころか、戦後は、敵の女軍人と結婚して、挙げ句、娘までつくって...っ!

この...裏切り者っ!

SE:食器が割れる音

#興奮のあまり息を切らせる

ハァ...ハァ...ハァ...ハァ...。

っ...。

#突然、狂ったように笑い出す

...ふ、ふふっ...あはははっ!

でも、これで、ようやく気づいたのよ!

恋愛も、戦争も、本質は同じだってことをね!

ふふ、ふふふ...そうよ...!

邪魔する敵は、全員皆殺しにすればいいんだわ!

そうすれば、私達が離れ離れになるなんて、絶対にあり得ないのよ!

うふふ、あははっ...なんで、こんな簡単なことに気づかなかったのかしら...。

こんなに手っ取り早くて、素晴らしい方法を知っていれば、貴方を奪われずに済んだのにね...。

ふふ、ふふふ...ねぇ、貴方も、そう思うでしょ...?

...え?

それでは、報復の連鎖が止まらなくなる...?

#急に無機質で冷たい声になる

どういう意味かしら、それ...。

言ったはずでしょ...?

二度と刃向かえなくなるように、皆殺しにするって...。

それとも、貴方がいつも言ってた、理想論のことかしら...?

#嘲笑する

ふふっ...貴方のそういうところだけは、どうしても好きになれないわね...。

さっきも言った通り、恋愛も、戦争も、一緒よ...。

限られたものを手にいれるために、競い、奪い、時には、殺し合う...。

だからこそ、確実に手にいれるためには、障害となる敵を、殲滅させる必要があるのよ...。

貴方のような、大切なものを、守るためにもね...。

まぁ、これ以上の問答は不要だわ...。

どうせ、不毛な論議になることは、目に見えてるものね...。

それじゃ、死体と食器を片付けて、さっさと出ていきましょうか。

ちなみに、その後の逃走や出入国についても、準備してあるから、安心していいわよ。

...どうかしたの?

まさか、今更、娘が心配になったとかじゃないでしょうね?

はぁ...残念だけど、諦めた方がいいわ。

流石に、連れていくわけにもいかないし、今は、どうやって逃げ切るのかを考えた方が賢明よ。

だから、もう...。

...そう。

#微笑みかけながら

なら、行きましょう...。

貴方と私...二人だけの世界に...。

SE:ドアを開閉する音

(場面転換)

(10年後)

SE:ドアチャイムを鳴らす音

SE:ドアを開ける音

は~い、どちら様です...ひっ!?

SE:銃口を突き付ける音

#怯えた声で

あ、あの...お金でしたら、すぐに用意いたしますので...!

...え?

お金なんか、いらない...?

じ、じゃあ、何で...。

...お母さんの仇?

それに、お父さんを返してもらう、って...。

#正体に気づく

っ...!?

ま、まさか、貴女は...っ!?

SE:銃声
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【男性向け】報復【ヤンデレ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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