0
飼い猫が満月の夜にクールな女性に
written by 言葉の落葉
  • ファンタジー
  • クール
  • 囁き
公開日2021年09月07日 16:14 更新日2021年09月07日 16:14
文字数
1828文字(約 6分6秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
飼い猫
視聴者役柄
飼い主
場所
あらすじ
あなたが残業から帰ってくると家に見知らぬ女性が。

どうやら、その正体はあなたの飼い猫のようで…。

実はご主人様想いの猫に癒されるそんなお話です。
本編
「(玄関が開く音)

お、おかえりご主人


遅い、遅過ぎる…私を待たせるなんていいご身分だね。


これはあれだよ?お詫びはサーモンを所望する…ってなに?


いや、扉を閉めるな、閉めるな。


だからって扉の隙間から見るのもやめなさいよ。


どちら様ですかって…ご主人は自分が飼っているものすら分からないの?


なに?言ってみて。


そう、猫、私はご主人の飼っている猫。


ほら、ここに耳、そして、ほら、尻尾があるでしょ?


なんで人の姿をしているのかって?


今日は何の日?


そう、満月よ。


でそれがどうかしたって?


いや、だから!私は満月の日に人の姿になれるの!


なんでって言われても私もつい数ヶ月前からのことだから詳しいことはわからない…。


いつもはご主人が寝てる時に変身するからね今日はついてるね!ご主人!


まぁ安心して、満月が終わればまた猫の姿に戻るからさ。


ところでご主人…


またこんな時間に帰ってきて…ざんぎょう?ってやつ?


顔も疲れきって今にも倒れそうって感じだよ?


大丈夫?


今からご飯作るから待ってろって?そんな状態で?


(ため息)


しょうがない…私がご飯を作るからそこに待ってて。


私?私はさっき隠しおやつ食べたから大丈夫だよ
(笑いながら言う)


え?料理はできるのかって?


私が何のためにご主人が料理をするのを見てたと思っているんだ…決して美味そうな料理を盗み食いするためじゃないよ?じゃないよ?


それに猫は頭がいいんだ、何回か見れば道具の使い方だって覚えるよ


とくに私はスーパー賢いにゃんこだからね!


まぁ任せて!


最近、カップラーメンとかコンビニ弁当とかしか食べてないからご主人の体が心配だし…。
(ボソボソと呟く)


いや、なんでもない。


さっそこに座って待ってて


(料理をする音)




ほら、できたよ


こ~~ら寝ないの


料理できたよ


さっ召し上がれ。


自慢の飼い猫の手料理だよ?


いや待って、いくらなんでもそんなにがっつかなくても料理は逃げないよ?
(笑いながら言う)


え?美味しいからつい?


…………。


あ、当たり前でしょ?私にかかれば余裕だよ


(しばらく経って)


まさか、全部食べ切るなんてな…想定外だった…。


残ったやつは明日のお弁当用にしようと思ってたのに…。
これじゃあとで明日分も作っておかなきゃ…。
(ボソボソと呟く)


ん?あぁ、なんでもない、なんでもない。


ちょっと待て、そのまま寝る気か?


風呂は入ってサッパリしてきなよ。


その方が体にもいいよ?


ほ~ら、ワガママ言うんじゃないの!


ん?風呂なら沸かしてあるよ?


この私がご主人がご飯を食べている間に沸かしておいたの。


ほら、さっさと行った、行った。


(風呂場の音※なんでもいい)


着替え置いとくからね。


(しばらく経って)


お?サッパリしてきた?……って髪の毛がびしょ濡れのままだよ


あ~もう、本当に手のかかるご主人だなぁ
(タオルで拭く音)


(ドライヤーの音)


ふーこれでよしと…。


じゃああとは寝るだけだね


布団は敷いておいたからね


じゃあ…おやすみ…


うわぁ
(布団に倒れ込む音)


ちょっ、何するのご主人


いきなり抱き寄せないでよ…。


今は猫の姿じゃないんだから…。


な、なでるなぁっ…


べ、別に嫌じゃないけど…。


今日はありがとうだって?


そ、そうだね、感謝されて当然よね…もっと褒めてよね。


そうだ、明日の晩御飯はマグロの刺身を所望するからね。


うんと高いやつ。


わかった?………。


はぁ、もう寝てるし。


まったく、しょうがないご主人だ…。


もう、こんなになるまでがんばっちゃってさ…。


おつかれさま…。


どうせ、今日も自分じゃなくて他の人のために遅くまでお仕事してたんでしょ?


私はわかっちゃうんだからね


ほんとに頑張り屋さんなんだから…。
(耳元で囁く)


あの日もそうだったよね…私を拾ってくれたあの雨の日…。


道の隅にダンボールと一緒に置かれていた私をご主人はみつけてくれた。


私を見つけた瞬間、土砂降りだってのにさ、傘なんて放り投げて私を抱きしめてくれたよね…。


私、うれしかったんだ…ホントだよ?


このまま誰にも見つからずに独りぼっちなんだぁなんて考えてたからね…。


でもうれしかったのと同時に怖かった…また拾われてもすぐに捨てられるんじゃないかって…。


だから爪でご主人の顔たくさん引っ掻いちゃったんだよね。


けど、それでもご主人は私をぎゅっと抱きしめてくれた。


こんな私を受け入れてくれて…ありがとね。


私はね…いや、なんでもない


さぁ、ご主人のお弁当作りしなきゃ


あ、そうかご主人が起きる頃には私は猫に戻ってるのか…。


また、満月の夜に会おうね…ご主人。


(離れていく足音)


(駆け寄ってくる音)



私はさ…




私は…




そんなご主人のことが……




大好きだよ
(耳元で囁く)
(キス音)」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
飼い猫が満月の夜にクールな女性に
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
言葉の落葉
ライター情報
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
言葉の落葉 の投稿台本(最大10件)