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公開日2021年12月12日 18:18
更新日2021年12月12日 18:18
文字数
3299文字(約 11分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
新生徒会長
視聴者役柄
学園の一般生徒
場所
体育館/帰り道
あらすじ
あなたの彼女が生徒会長に。その最初のスピーチで話す内容は君への愛!?
そんなとこもあるけれど、しっかりもしてる素敵な彼女さんとのシチュエーションです。
そんなとこもあるけれど、しっかりもしてる素敵な彼女さんとのシチュエーションです。
本編
皆さんこんにちは。
新生徒会長となりました(任意の名前)です。
まず、私の当選は皆さんの票あってのことですので、その一つ一つの清き票に感謝申し上げます。
そしてもちろん、今回の選挙で同じ生徒会長候補として戦ってくれた意志ある生徒、並びにその候補者に票を投じた生徒も決して蔑ろにするのではなく、高め合いの意識を持って、その皆さんの意志もこれからの生徒会運営に反映させてまいりますので、どうか、宜しくお願いします。
さて、私のスローガンは選挙期間中幾度と口にしてきたので覚えてくださっている方も多くいるかとは思いますが、当選した今、実行する宣言として今一度お話させていただきます。
私の掲げるものは、IDイノベーション。
IDとは、関心のinterest、疑念のdoubt。
つまり、生徒全員にこの学園への関心を抱いてもらい、ささやかなことにも疑念を持って、その全員の疑念を革新へと深化させていきたいのです。
現代までの学問の発展は必ず、当たり前への疑いによってもたらされているのです。
人体の構造への好奇心がなければ医療が発展しなかったように、あるがままの受け入れに進歩はありません。
私には現在、愛し合う彼がいるのですが、恐らく最初、彼は私ほどの気持ちを抱いていなかったでしょう。
きっと皆さんもこのような片思いの経験はあるかと思います。
思わせ振りな態度では彼の気は引けない。
私はずっと思っていました。
「どうしたら彼は私を好きになってくれるのだろう?」と。
至極当然の思考回路ですが、これも立派な疑いだと言えると思います。
その時の私には、告白する勇気も、したところで上手くいく自信もありませんでしたから、どうにかその未来へ近付けるための方法を勉強のことよりも、部活のことよりも一番に考えていました。
そして、彼と距離感のある会話だけのもどかしい日々の最中、ふと私は私の感情を疑ったのです。
「どうしてこのままじゃいけないのか?」と。
きっかけはわかりませんでした。
私が彼を好きであること、恋人、そしてさらに大事な関係へと深まっていきたいことは私の中では疑うまでもない強固な願望だったのですから。
故に答えも理由も単純なものでした。
このままではいたくない。
彼のことをもっと知りたい。彼に私をもっと知ってほしい。
何よりも、卒業してしまったら彼のいない日々がやって来るのが堪えられない。と。
その疑いで気持ちが変わったわけではありませんでした。
けれども、そのおかげで私は私の気持ちをより深く理解した気がしました。
それと同時に、恋人になるには彼が私にそういった感情を抱かせるべきなのではないかと、具体的な私の目的が見えてきたのです。
彼に私のことを知りたいと思わせる。私のいない日々を望まないようにさせる。
そうして彼との距離を私から積極的に詰め、彼と趣味やとりとめのない雑談といろいろな話の出来る関係になって長くなったある日、ついに私は決心しました。
その時の彼の驚いた顔、そしてすぐさま差し出してくれた右手を今も覚えています。
晴れて恋人になってから、私は彼のことを知る度にますます惹かれていくばかりでした。
けれども、その惹かれる心を受け止めてくれる彼がいること。
そのたった一つ、今では何気なく感じてしまうけれど大切な存在が私の心を満たしてくれるのです。
誕生日に私の欲しいと言ったものをプレゼントしてくれた私をわかってくれている彼。
それでいて私のダメなところはしっかりと言ってくれる彼。
私との未来をちゃんと意識してくれて、一緒に向き合ってくれる彼。
そんな彼を私は……愛していますっ!
(歓声)
……って、あれ、私、そういうことを言おうとしたんじゃないような。
(ここから恥ずかしそうに早口で)
あぁぁ……失礼しましたっ!
つ、つまりですね、私が言いたいことは、現状をよりよいものにするために、当たり前のように思われていることにまで疑いの目を向けて、対象と向き合っていくことが効果的ではないかということなんです。
(冷静に戻る)
私たち生徒会はこれからの一年間、生徒全員で学園の姿を確かめ、疑い、改善する、そのプロセスの第一歩を踏み出す機会作りを重視して活動して参りますので、皆さんの主体性あっての学園生活がキーになります。
私たちは精一杯のサポートをしますが、決して忘れないでください。
皆さんのための学園生活、切り開くのは皆さん自身です!
……以上で、私からの話を終わります。
(拍手)
(降壇の足音)
(場面転換)
待たせたかな?
うん。今日は生徒会の仕事ないから一緒に帰れるよ、やったね。
え? 今日のスピーチ?
(恥ずかしそうに)……うん、ちょっと暴走しちゃった。
何? あの後友達から凄くからかわれて大変だった?
それは、私もだよ。
どれだけ仲良いんだよとか、爆発しろとか結婚しろとか言われた。
多分私の生徒会長としての取り組みとかみんな全く聞いてない。
ふふっ、どうしようね。
でも、これもこれでいいかな。
あまり関わりない生徒からだと、生徒会長ってバリバリの生真面目で関わりづらいって印象を自然に抱いちゃうものだと思うから、これくらい緩い所見せた方が話しかけやすいよね!
ポジティブって、本当のこと言うと恥ずかしすぎてそう正当化しないと叫んでジタバタしたくなっちゃうだけなんだけどね。
ほら、今多分私の顔真っ赤でしょ?
やっぱり。
あんなの、生徒会長が生徒の前で言うことじゃないもんー。
あ、絶対誤解しないでもらいたいんだけど、私はあくまでも生徒会長として恥ずかしいことをしたってだけで、私個人としてなら君への愛、叫べるよ?
なんてったって、気持ちは本物だから!
あれ? 君は、そういうの出来ない?
そうだよね、恥ずかしいものは恥ずかしいよ。
皆に叫んだりしなくても、二人の間でだけ誓えれば愛は十分だから。
それに、君がなよなよしてても、私が二人の愛が呼ぶほうへ導いてあげるから。
これも、惚れた弱みかな?
ちょっと違うか……えへへ。
それにしても、私が壇上で愛していますって口走った時の君の反応、可愛かったなぁ。
うん、最初から最後まで、ずっと見てた。
君のいる場所、丁度真ん中くらいだったから君一点を見つめてても怪しまれなかったよ。
だから緊張しなさ過ぎてあんなこと言っちゃったのかもしれないんだけどね。
今度から気を付けないと。
あの、私ね、心配してることがあるの。
こうして私が生徒会長になったからには、仕事はどうしても忙しくなるでしょ?
そのせいで私たちの距離、広がっちゃったりしないかなって。
え? 大丈夫? どれだけ帰るのが遅くなっても待ってる?
そんな、それは流石に君に迷惑かけすぎて申し訳なくなっちゃうよ。
だから、気持ちだけ、ね。
でも、休日はもっと予定増やしたりしても大丈夫かな?
うん。わかった。
これで完全に公認カップルって感じだし、二人でいることを恥ずかしがることもないでしょ?
かえって何でも出来そうだね。
私たちの恋人関係には意外とプラスだったのかも。
何? 一つ聞きたいことを忘れてた?
あー、そうだね。なりたいよ。
恋人より大事な深い関係。
人生でたった一人の大切な異性。
……君しか、いないよ。
ねえ。君も、おんなじこと考えてくれてる?
そっか。当たり前……か。
その当たり前は私、疑わないからね?
あれ、そんなに私のことじっと見つめてどうしたの?
私に惚れちゃった?
(笑いながら)あ、もう惚れてるのか。
(男、彼女を抱き締める)
ひゃっ、急に抱きつかれるとびっくりだよ。
……でも、言葉じゃなくても不思議と気持ちは伝わるね。
じゃあ、私は君を信じるから、君も私のこと、信じてくれる?
ふふっ、私が愛してくれるならって、私、嘘はつけないよ。
あんな堂々とみんなの前で言っちゃったんだから、これで君のこと捨てたりなんかしたら全校生徒に何言われるかわかんないし。
もちろん、君を騙すなんて恋人として一番やっちゃいけないことだから。
え? 生徒会長として言ってることと逆?
だって、もう私たちはこれ以上よくする必要のないくらいの関係でしょ?
疑う必要なんて、何一つないんだよ。
だから私たち、お互い信じ合ってこの愛を温めていこうね。
(囁き)これは二人だけの約束だよ。
新生徒会長となりました(任意の名前)です。
まず、私の当選は皆さんの票あってのことですので、その一つ一つの清き票に感謝申し上げます。
そしてもちろん、今回の選挙で同じ生徒会長候補として戦ってくれた意志ある生徒、並びにその候補者に票を投じた生徒も決して蔑ろにするのではなく、高め合いの意識を持って、その皆さんの意志もこれからの生徒会運営に反映させてまいりますので、どうか、宜しくお願いします。
さて、私のスローガンは選挙期間中幾度と口にしてきたので覚えてくださっている方も多くいるかとは思いますが、当選した今、実行する宣言として今一度お話させていただきます。
私の掲げるものは、IDイノベーション。
IDとは、関心のinterest、疑念のdoubt。
つまり、生徒全員にこの学園への関心を抱いてもらい、ささやかなことにも疑念を持って、その全員の疑念を革新へと深化させていきたいのです。
現代までの学問の発展は必ず、当たり前への疑いによってもたらされているのです。
人体の構造への好奇心がなければ医療が発展しなかったように、あるがままの受け入れに進歩はありません。
私には現在、愛し合う彼がいるのですが、恐らく最初、彼は私ほどの気持ちを抱いていなかったでしょう。
きっと皆さんもこのような片思いの経験はあるかと思います。
思わせ振りな態度では彼の気は引けない。
私はずっと思っていました。
「どうしたら彼は私を好きになってくれるのだろう?」と。
至極当然の思考回路ですが、これも立派な疑いだと言えると思います。
その時の私には、告白する勇気も、したところで上手くいく自信もありませんでしたから、どうにかその未来へ近付けるための方法を勉強のことよりも、部活のことよりも一番に考えていました。
そして、彼と距離感のある会話だけのもどかしい日々の最中、ふと私は私の感情を疑ったのです。
「どうしてこのままじゃいけないのか?」と。
きっかけはわかりませんでした。
私が彼を好きであること、恋人、そしてさらに大事な関係へと深まっていきたいことは私の中では疑うまでもない強固な願望だったのですから。
故に答えも理由も単純なものでした。
このままではいたくない。
彼のことをもっと知りたい。彼に私をもっと知ってほしい。
何よりも、卒業してしまったら彼のいない日々がやって来るのが堪えられない。と。
その疑いで気持ちが変わったわけではありませんでした。
けれども、そのおかげで私は私の気持ちをより深く理解した気がしました。
それと同時に、恋人になるには彼が私にそういった感情を抱かせるべきなのではないかと、具体的な私の目的が見えてきたのです。
彼に私のことを知りたいと思わせる。私のいない日々を望まないようにさせる。
そうして彼との距離を私から積極的に詰め、彼と趣味やとりとめのない雑談といろいろな話の出来る関係になって長くなったある日、ついに私は決心しました。
その時の彼の驚いた顔、そしてすぐさま差し出してくれた右手を今も覚えています。
晴れて恋人になってから、私は彼のことを知る度にますます惹かれていくばかりでした。
けれども、その惹かれる心を受け止めてくれる彼がいること。
そのたった一つ、今では何気なく感じてしまうけれど大切な存在が私の心を満たしてくれるのです。
誕生日に私の欲しいと言ったものをプレゼントしてくれた私をわかってくれている彼。
それでいて私のダメなところはしっかりと言ってくれる彼。
私との未来をちゃんと意識してくれて、一緒に向き合ってくれる彼。
そんな彼を私は……愛していますっ!
(歓声)
……って、あれ、私、そういうことを言おうとしたんじゃないような。
(ここから恥ずかしそうに早口で)
あぁぁ……失礼しましたっ!
つ、つまりですね、私が言いたいことは、現状をよりよいものにするために、当たり前のように思われていることにまで疑いの目を向けて、対象と向き合っていくことが効果的ではないかということなんです。
(冷静に戻る)
私たち生徒会はこれからの一年間、生徒全員で学園の姿を確かめ、疑い、改善する、そのプロセスの第一歩を踏み出す機会作りを重視して活動して参りますので、皆さんの主体性あっての学園生活がキーになります。
私たちは精一杯のサポートをしますが、決して忘れないでください。
皆さんのための学園生活、切り開くのは皆さん自身です!
……以上で、私からの話を終わります。
(拍手)
(降壇の足音)
(場面転換)
待たせたかな?
うん。今日は生徒会の仕事ないから一緒に帰れるよ、やったね。
え? 今日のスピーチ?
(恥ずかしそうに)……うん、ちょっと暴走しちゃった。
何? あの後友達から凄くからかわれて大変だった?
それは、私もだよ。
どれだけ仲良いんだよとか、爆発しろとか結婚しろとか言われた。
多分私の生徒会長としての取り組みとかみんな全く聞いてない。
ふふっ、どうしようね。
でも、これもこれでいいかな。
あまり関わりない生徒からだと、生徒会長ってバリバリの生真面目で関わりづらいって印象を自然に抱いちゃうものだと思うから、これくらい緩い所見せた方が話しかけやすいよね!
ポジティブって、本当のこと言うと恥ずかしすぎてそう正当化しないと叫んでジタバタしたくなっちゃうだけなんだけどね。
ほら、今多分私の顔真っ赤でしょ?
やっぱり。
あんなの、生徒会長が生徒の前で言うことじゃないもんー。
あ、絶対誤解しないでもらいたいんだけど、私はあくまでも生徒会長として恥ずかしいことをしたってだけで、私個人としてなら君への愛、叫べるよ?
なんてったって、気持ちは本物だから!
あれ? 君は、そういうの出来ない?
そうだよね、恥ずかしいものは恥ずかしいよ。
皆に叫んだりしなくても、二人の間でだけ誓えれば愛は十分だから。
それに、君がなよなよしてても、私が二人の愛が呼ぶほうへ導いてあげるから。
これも、惚れた弱みかな?
ちょっと違うか……えへへ。
それにしても、私が壇上で愛していますって口走った時の君の反応、可愛かったなぁ。
うん、最初から最後まで、ずっと見てた。
君のいる場所、丁度真ん中くらいだったから君一点を見つめてても怪しまれなかったよ。
だから緊張しなさ過ぎてあんなこと言っちゃったのかもしれないんだけどね。
今度から気を付けないと。
あの、私ね、心配してることがあるの。
こうして私が生徒会長になったからには、仕事はどうしても忙しくなるでしょ?
そのせいで私たちの距離、広がっちゃったりしないかなって。
え? 大丈夫? どれだけ帰るのが遅くなっても待ってる?
そんな、それは流石に君に迷惑かけすぎて申し訳なくなっちゃうよ。
だから、気持ちだけ、ね。
でも、休日はもっと予定増やしたりしても大丈夫かな?
うん。わかった。
これで完全に公認カップルって感じだし、二人でいることを恥ずかしがることもないでしょ?
かえって何でも出来そうだね。
私たちの恋人関係には意外とプラスだったのかも。
何? 一つ聞きたいことを忘れてた?
あー、そうだね。なりたいよ。
恋人より大事な深い関係。
人生でたった一人の大切な異性。
……君しか、いないよ。
ねえ。君も、おんなじこと考えてくれてる?
そっか。当たり前……か。
その当たり前は私、疑わないからね?
あれ、そんなに私のことじっと見つめてどうしたの?
私に惚れちゃった?
(笑いながら)あ、もう惚れてるのか。
(男、彼女を抱き締める)
ひゃっ、急に抱きつかれるとびっくりだよ。
……でも、言葉じゃなくても不思議と気持ちは伝わるね。
じゃあ、私は君を信じるから、君も私のこと、信じてくれる?
ふふっ、私が愛してくれるならって、私、嘘はつけないよ。
あんな堂々とみんなの前で言っちゃったんだから、これで君のこと捨てたりなんかしたら全校生徒に何言われるかわかんないし。
もちろん、君を騙すなんて恋人として一番やっちゃいけないことだから。
え? 生徒会長として言ってることと逆?
だって、もう私たちはこれ以上よくする必要のないくらいの関係でしょ?
疑う必要なんて、何一つないんだよ。
だから私たち、お互い信じ合ってこの愛を温めていこうね。
(囁き)これは二人だけの約束だよ。
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ライター情報
ヤンデレとか書きます。
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