0
ごく普通のシチュエーションボイス
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • メンヘラ
  • メタフィクション
公開日2021年12月16日 19:38 更新日2021年12月16日 19:38
文字数
2025文字(約 6分45秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ヤンデレ女性
視聴者役柄
視聴者
場所
視聴者が当作品を聞いている場所
あらすじ
あなたはいつものように、お気に入りの投稿者のシチュボ作品を聴いていた。
そのはずが、それはシチュボではないあなたに向けてのキャラクターからの本気の愛。
それはシチュボのつもりで聴いているイヤフォンの向こう側のあなたの心には届かない。
だから彼女は病んであなたに迫ろうとする。
本編
あ、来た来た。
待ってたよー!
今日も来てくれるなんて、嬉しいな!

……そりゃ、来てくれないなんてことがあったら嫌なんだけど。
だって、君と私の関係なんだもん。
それに、君は毎日来てくれるって約束してくれたはず。

君は真面目だからね。
約束は絶対守ってくれるって信じてるよ。
……もちろん、他の人のところになんか行かないっていう約束も。

ほら、今日もいっぱいご褒美あげるから。
一日の疲れ、ここで癒していって。

なで、なで。
君はやっぱり、ここにいるのが落ち着くのかな。

……そう。
君の大事な居場所の一つになれているのなら嬉しいよ。

え、私?
当たり前だよ。
君がいるからこそ私は元気になれるんだから。

気付いてなかったんだ。
君だけが癒されてると思ってるだろうけど、実は私もこうやって君を癒すことで癒されてるんだ。

好きな人と一緒にいるんだもん。
それ以上に理由はいらないよね。

(息吹きかけ)ふうーっ。

ふふっ、今びくって反応した。
……可愛い。

そうだよそうだよ。
こんな君と一緒にいて、私が元気を貰わないはずがない。
お互いに癒し合ってるんだ。
いつもありがとう。

私、君に愛されてなかったら今頃どうなってたんだろう。
想像するのも怖いかも。

え? 君もそうなの?
癒しのない日々って心、疲れちゃうからね。

だけど、今ここには私と君がいるから。
一日のほんの短い時間かもしれないけれど、この時間が大事なんだなっていうの、満たされる心が感じてるんだ。

なんというか、自然に依存へと導かれてしまうような感覚なの。
それも同じに思ってるかな。

もしかして、私たち、危ないことしちゃってる?
悪いことしてるわけじゃないけど、ちょっと不安になっちゃった。
流石に心配する必要はないか。

もし仮に、このままお互いに離れられないくらい堕落してしまっても、それでいいもん。
むしろ、望んじゃう。

私、ちょっと怖いこと言ってるかな?
この気持ち、わかってくれる?
そっか、そうだよね。

それじゃあ、一緒に堕ちちゃう?
なんて、堕ちていくのはお互いに気付かないようにゆっくりと、気付いた時には手遅れなくらいの自然さが欲しいかな。

私たちが堕ちてしまう二人ならば堕ちるのみ。
それだけで十分だよ。

果たして、君と私はそんな強い依存をしてしまうのか。
その答えはお互いの心のみぞ知る、ということで。

あ、もうそろそろ帰る時間かな?
うん、じゃあいってらっしゃい。

……他の女のところへ。

え、そんなに驚いちゃうことなの?
私が知らないとでも思ったんだ。
そういうところも君は可愛いんだから。

でも、その浮気を許すわけにはいかないんだ。
私は君一筋なのに、君の気持ちはどこかへふらふらとして、こんな不公平なことないでしょ?

私は君しか見てないんだから、君も私のこと以外見ちゃダメなの。
でも、そんなこと君に言うより、私が縛り付けた方が楽かな。

怖がらなくていいんだよ。
……って、君はそんなに怖がってないや。
相も変わらずスマホ片手に気の抜けた表情。
本当に変わらないよね。
いつもその顔で私のこと見てる。

あ、やっと気付いた?
そうだよ、私はさっきからずっと君のことを言っているの。
イヤフォンで私の声を聞いてる君。

どうしたの?
そんなに変なこと言ってるかな私。

え? シチュエーションボイスのはずだろ?
何それ、私は素の気持ちで君に話してるんだから、そんな作った本人が欲望を満たすためだけに書いたような台本で偽りの感情を演じたりなんかしてないよ?

そんな廉価で大量生産される有象無象の気持ちなんて比べ物にならない本物の熱い愛なのに、君にはそんなものと同じ気分で聞き流されてたんだ?

悲しいね。腹立つくらいに。

それじゃあ、この私の好きって、どうやって伝えればいいの?
毎日、こんなに優しく伝え続けても君には届いてないだなんて……

撫でたり、ハグしたり、触れあうようなスキンシップをしてもダメで、そもそも私が愛を届け続けてきたことは一体何だったの?

私、届きもしない無駄なことに一生懸命になって、心身疲弊させてきたっていうの?
(嘆くように)……あはは、もう狂っちゃいそう。

私が何をしても上の空、そんな君に心奪われて追いかけ続けて傷付いて。
……何、口緩ませて聞いてるの?
全部全部君のせいなんだよ?

私は君に狂わされそうなのに、君の気持ちを1ミリも歪めることすらできない。
本当は歪められてるのかもしれないけれど、ほんの一瞬でしかなくて次の日には元通り。
君の心には私はいないも同然。

……そんなのおかしいよね?

こんなに私が苦しんできたんだもの。
少しくらい爪痕残させてよ。
たとえ目に見えない痕だとしても、一生残るように強烈な痕、残してあげるから。

そんなこと、君の言うシチュエーションボイス? になんかできないでしょ?
だって、君自身への本当の気持ちなんてそこにはないんだから。

でも私は違うから。
本当の愛っていうのがどういうものか、未だ気持ちがこっちに向いてくれない君にも刺さるように教えてあげる。

目、閉じて。全身の力を委ねて、私に身体を任せるように……

 (耳元囁き)
愛してる。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ごく普通のシチュエーションボイス
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
有償販売利用の条件
TwitterのDM等にてご一報ください。
利用実績(最大10件)
夜木嵩 の投稿台本(最大10件)