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君を神と崇める邪教の女に監禁される
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 監禁
  • 邪教
  • 崇拝
公開日2022年03月02日 18:58 更新日2022年03月02日 18:58
文字数
2161文字(約 7分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
男(視聴者役)を神と語る怪しげな女
視聴者役柄
ただの人
場所
神々しい内装の彼女の部屋
あらすじ
ある日突然監禁されたあなたの前に現れた女性は、あなたを神なのだと言う。
彼女はその常人には理解できない理論で語る宗教とも言うべき思想であなたに迫る。

※当作品はフィクションです。実在の人物・団体等とは関係ありません。
また、作者の思想を表すものでもありません。
本編
お目覚めになりましたか?

まあまあ、どうか落ち着いてください。
私は貴方様のこと、危害を加えようなどとは微塵も考えておりません。

まず、私の話を聞いていただけませんか?
貴方様次第ではこの拘束も解きますので。

ありがとうございます。
どうやら貴方様はお気付きになっていらっしゃらないようですので、この経緯のすべてをお話しましょう。

まず、貴方様は神なのです。
貴方様は冴えない日常を繰り返すただの世に溢れるつまらない人類の一人、と自覚していらっしゃるようですが、そんな卑俗な存在にはございません。

戯言たわごとだなんて神を否定すること、貴方様自身とはいえおやめください。

それとも、むしろ貴方様自身だから、なのでしょうか。
貴方様にとっての神という存在と、真なる神の存在に相違があるように思えます。

おそらく貴方様の頭にある神という存在のイメージは、人間とは比べ物にならない超越した能力を持ち、災害や天啓をもたらし、世界を自由に改変することができるというものでしょう。

ですが、真に考えるべき神という存在は、その存在ひとつでこの世を救済へと導くもの。
神自身が行動を起こすまでもなく、その身が放つ威光が神を神たらしめるのです。

つまりは、その威光を放つ存在こそが貴方様であり、貴方様こそが世を救済へと導く神なのです。
貴方様の意思に基づく特別な力は存在しないため、貴方様がその自覚を持たれないのも無理はございません。
ですが、紛れもなく貴方様は神なのです。

今この瞬間にその事実を受け入れるのが難しいようでしたら、それでも構いません。
自覚の有無は世の救済に重要ではありませんから。

さて、それを把握していただけないことには、今行われようとしていることも理解できませんが、問題ありませんか?

いえ、事実なのですから信じるかどうかの問題ではなく、貴方様が理解しているかどうかです。

では、話を続けますね。

貴方様が神だとすると、この監禁拘束に等しい現状は余計に意味不明なことでしょう。
なにしろ神とは崇拝すべき存在、逆らうことは許されないのですから。

私にも神を崇拝する強固な心は当然ございます。

されども神への敬意以上に守るべきものがあった。
そのことが神である貴方様を監禁するに至ったのです。

ええ、もちろん。
その守るべきものもお話しましょう。

貴方様の身に宿る神性はその血に流れているのです。
元を辿れば、貴方様の先祖からということになります。

つまり、貴方様の神性は子へと受け継がれます。
そのとき、貴方様自身の神性がどうなるのかは私にもわかりませんが、仮に貴方様が子を作ることなく亡くなってしまえば、神は世からいなくなります。

神のいない世は、一言で言えば無法地帯。
人はおろか、全ての生物の生命活動に適さない危険な世界へと変貌してしまうのです。

貴方様の神性を受け継ぐ子孫はこの世に必要不可欠ということです。
それゆえ、この私にこの世を守る一翼を担わせていただきたいのです。

具体的なことは言うまでもありませんよね?
貴方様もその仕組みは理解していらっしゃるでしょうから。

はい、確かに、貴方様も世の人と同じように人生を歩めば、家庭を築くことになるでしょう。

けれども、それが絶対である確証がなくてはいけないんです。
貴方様の神性を継ぐ子が生まれないなどということは、間違ってもあってはならないことなのですから。

それと、貴方様には、私でなければならない理由もお話する必要があるみたいですね。

貴方様も多少疑っていらっしゃることでしょう。
神の威光が世を救済に導くと言うにはあまりにも世は乱れすぎていると。

それは、貴方様の受け継ぐ神性が人の血によって薄まってしまっているからなのです。

かつて、貴方様の何代も前のこと。
その時代には人同士が争うことも、傷付け合うこともなく、苦しみのない世界がありました。

けれども現代は貴方様のご存じの通り、そんな世界とはまるで違う。
それが、神と人間の混血による、世を保つ力の弱体化による悪影響なのです。

これが続く限り、貴方様の何代も後のことにはなりますが、いつか神性はほとんど消えてしまう。
そしてこの世が徐々に壊れてしまう。

貴方様が誰か、世の人と結ばれれば、一時的に世の崩壊は免れますが、それは問題の先送りでしかない。
このままでは世の平穏を保つことが出来なくなってしまう。
そんな世の運命の分岐点に貴方様は立たされているのです。

世を救う道はただ一つ。
貴方様の血と私の血を子供に受け継がせること。

見てください、腕に刻まれた紋章。
これを肌に刻むことで神である貴方様との間の子の神性を目覚めさせる力が私に宿るのです。

この紋章を刻むのはこの世に私ただ一人。
この意味、聡明な貴方様であればわかりますよね?

ええ。
貴方様の子を孕むべき女はこの世に私だけなのです。

そして貴方様のすべきこともわかりますね?

はい、貴方様の理解が早くて助かります。

それで、貴方様はその使命、果たしていただけますよね?
世界の未来が懸かっているのですから、考える余地もないでしょうけれど。

万が一、首を横に振ったところで貴方様は監禁されているので、選択肢は用意されていませんが。

はぁ、反応もしてくれないとは。
ですが、どんな答えが待っていようと、もはや決まっていることですから。

それでは、これからの無礼、どうかお許しください。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
君を神と崇める邪教の女に監禁される
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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