ただいまー。

はぁ…、疲れたなぁ…。
あの上司、私ばかり仕事振振るなっての…。

あ、もう帰ってたんだね。
おかえりなさい、今日も一日お疲れ様。
遅くなってごめんね、すぐに夕食作るから…。

ん？
私の顔じろじろ見て、どうしたの？

べ、別に無理してないよ！
このくらい、全然余裕なんだから…。

あっ…、急に抱きつかないでよ…。

い、嫌じゃないけど…。
ちょっとびっくりしただけ…。

な、なに…？

だっ、だから無理なんかしてないってば…！
お願いだから、そんな近くで見つめないで…。

はぁ…ほんと、君には敵わないなぁ…。

ちょっと私の部署でトラブルがあってね。
本来全員で対処するべきなんだけど…、私にばかり仕事振られてね…。
しばらく終わらなそうだし、なんか疲れちゃったなー、って。

ごめんね、愚痴になっちゃって。
年上らしく、もっとしっかりしなきゃいけないのに…。

もっと俺に甘えろ、って…。

あ、あの…。
それなんだけど…。
笑わないで聞いてくれる…？

私…、甘え方がわからないの…。

私、年の離れた妹がいて、いつも家族に「お姉ちゃんだからしっかりしなさい」って言われてたから…。
妹に甘えられたことはたくさんあるけど、私が親に甘えたことはほとんどないの…。
ずっと我慢して育ってきたから、今更甘えるってどうすればいいのかわからなくて…。

あっ、君のことはちゃんと好きだよ？
好きなんだけど、今まで彼氏出来たことないし、頼ったことで負担にならないか逆に心配になっちゃうの…。

それに君、年下でしょ？
私は「頼りになるしっかり者のお姉ちゃん」でないといけなかったから、君に対しても無意識にそう思っちゃってるのかもしれないね…。
その時とは違うってわかってはいるんだけど…。

あ…。
確かに助けて欲しい時でも「別に大丈夫」って強がっちゃうかも…。

誰かに弱みを見せることは悪いことじゃない、か…。

私も素直に甘えられたらいいのになって思うけど…、いざそうなるとプライドが邪魔しちゃうのか、甘えられないんだよね…。

ふあっ…。
急に頭なでて…、どうしたの…？

そ、そうかな…。
私、頑張ってきたのかな…？

ふふ…、ずっと当たり前だと思ってやってきたから…、ちょっと恥ずかしいな…。
でもありがと。
君にそう言ってもらえると心強いよ。

こうやって「頑張ったね」って褒められたことなんてほとんどないから…。
誰かに認めてもらえるってこんなに嬉しいんだね…。

あの…さ。
君になら…、甘えてもいいんだよね…？
それならもっとなでてもらっていい…、かな。

えへへ…、気持ちいい…。

ええっ！？
か、可愛い！？私が…？

て、照れてない！

赤くなってないもん…。

うぅ…、そうだよ！
恥ずかしいの！
こういうの慣れてないんだから仕方ないでしょ！

だから可愛くないもん、ばかぁ！！

もぉ…、君といると調子狂うなぁ…。

でも…、そっか…。
君は…、私がこうして甘えてくれた方が嬉しいんだね…。

ありがとう…。
「年上とか関係なく甘えていいよ」って言ってくれたの、凄く嬉しかったよ。

じゃあ…さ。
もっと強く抱きしめて…？
君の言ってくれたこと、嘘じゃないって実感したいの…。

ぎゅーっ…。

うん…幸せ…♪

わかった…。
これからは疲れた時は「疲れた」って言うし、愚痴りたい時は愚痴らせてもらうね。
君なら…我慢しないで弱い姿を見せてもいいんだもんね…？

うん…、君と出逢えて、本当に良かった…。
これからは、遠慮なく甘えさせてもらうね…♪

いつも支えてくれてありがとう。
大好きだよ♡

・台本（ゆるボイ！）
【男性向け】甘え下手な年上彼女を甘やかしてみた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メア