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君のために、頑張ったよ?
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 恋人同士
  • 同棲
公開日2022年04月29日 18:12 更新日2022年04月29日 18:12
文字数
2098文字(約 7分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
頑張り屋で褒められたいヤンデレ彼女
視聴者役柄
彼氏
場所
あらすじ
あなたの幸せが一番で、あなたに尽くすことが幸せな彼女は、常識が欠けているようにあなた以外の利害を全く考えない。
だから、あんなことまでしてしまう……
本編
ただいまぁ。
ごっめーん、ちょっと用事済ませてたら、遅くなっちゃったぁ。
連絡する余裕もなくてさ、本当にごめん。

それで、今週のデートの件、どうなった?
ほら、仕事入るかもしれないって言ってたでしょ?

そっか、ちゃんと休みになったんだ、やったぁ。

子供みたいって……だって、最近忙しそうだったから、あんまりこうやってデートも出来なくて寂しかったんだもん。
久し振りのデートをはしゃぐ彼女をそういうふうに言うものじゃないと思うな。

んふふっ、なんだか君も嬉しそう。
そんな君を見てさらに私が嬉しくなっちゃう。

……そっか、行けるんだね、よかったよかった。

ん?
何か、聞きたいことでもあるの?

へー、上司さんの自分への態度が急に丁寧になった?
なんか、よくわからないけどいいんじゃないの?
理不尽に叱責したり、言行不一致なことされるより、仕事はやりやすいんでしょ?

あー、急に優しくされるとかえって不気味なのか……
でも、すぐに慣れるでしょ。
気にしない気にしない。

だけど、それってもしかすると私の策略が上手くいったからかもね。

んふふっ、私、頑張ったよ。

あっ、何したか君は知らないのか。
教えてあげる。

上司さんを、脅したの。

あれ、聞こえなかった?
私、君の上司さんを脅して、君への待遇を改善させたの。
特に休日は絶対休ませるとか。

あ、いや、刃物だとかそんな危険なこと、上司さんにはしてないよ?
わざわざそんなことしなくても上司さんには単純な弱点があったから。

助かるよね。
あんなわかりやすい不倫してくれて、証拠写真一枚パシャっとしただけでもう平身低頭。
一番に口に出したのは、奥さんへの謝罪じゃなくて、会社への口止めの懇願だったね。
なんか、男としてみっともなかったよ。

君は、そんなくだらない人にはならないでね?
君を見る限り、心配するまでもないけど。

って感じで、あっさりと私の言いなりになってくれちゃったから、私、君と一緒にいられる時間が欲しいって言って、無駄な残業や休日出勤を絶対にさせないようにしてもらったり、不機嫌だからって理不尽に君のことを怒ったりしないようにしてもらったり、頼んだんだ。

それ以上は特に何も言ってないけど、上司さんが急に君に優しくなったのは、ちょっとでも君の気に障るようなことしたら、私にそのこと言われて、隠したい不倫の証拠ばら撒かれちゃうかもって思ったってことでしょ?

とにかく、君に不利益があるわけじゃないならいいよね。
いつも疲れて帰ってくる君のために、私、頑張ったよ。

えへへ、えらいでしょ?

どうしたの?
……喜んで、くれないの?

でも、君が上司さんのこと嫌って言ってたから、上司さんがそんなことしないように方法考えて、いっぱい準備して脅したんだよ?

それに、上司さんが優しくなったのは嬉しいでしょ?
仕事、楽になったでしょ?

……そういうのは、よくない?

君のためなのに。
どうしたら君が喜んでくれるかなって、ずっと、いっぱい考えてやったのに。

そっか、君は喜んでくれないんだ……

(ここから涙声で)

……どうして?

私、君のために上司さんの弱み探して、夜遅くまで上司さんが不倫相手とホテルから出てくるところを撮るために夜の街に張り込んで、面識もない上司さんのこと脅したんだよ?

それなのに、君はそういう脅迫はダメって、褒めてくれるどころかさ……

私、わかんないよ……
どうすれば君が喜ぶのかわかんない……

君のこと思って頑張って、そんなこと言われちゃうんでしょ……?
私はただ、君にもっと笑って欲しくて、もっと幸せになって欲しくて、必死になってるのに。

私、間違ってるのかな。
私、悪い子なのかな。

君のために頑張るのは、悪いことなの……?

そうじゃないんだったら、何で君は喜んでくれないの?
私は君に喜んで欲しい。
君にえらいって褒められたい。
だからさ、何がダメなのか、ちゃんと教えてよ。

……人を傷付けるようなことは、ダメなんだ。

で、でも、そもそも君の心を傷付けてたのは上司さんの方だよ?
それなのにダメだなんて、君はそんな現状に甘んじようとしてたの?

君が良くても、私がそんな君のこと見過ごせないよ……

で、でも、ごめんね。
君は優しい人だから、君が幸せになれたとしても、そのせいで誰かが犠牲になっちゃうのは嫌なんだよね。

私、君が幸せになってくれれば、周りのことなんてどうでもいいって思っちゃってた。
君のことしか考えてないのに、君のそんな優しい考え方に気付けないで、私、君の何を見てたんだろうね。

そっか……
ただ、君のことだけを考えるのは違うんだね。

……ううん、もう、さっきのことは私が悪いってわかったから。

ねえ、これからどうすればいいかな。
上司さんに謝らないといけないよね。

……え?
上司さんの自業自得?

へ、へぇ……
意外と君も悪いとこあるんだ。
ちょっと、安心したかも。

だけど、これから悪いことは謝らないとダメなんだよね。
君がそういう私を望んでるなら、絶対に守らないと。

あ、あのね、私、君に言われて、言わなきゃいけないことがあるって気付いたの。
そう、今日の帰りが遅くなった理由なんだけど……

人を傷付けちゃいけないんだもんね。
私、やっちゃった。

でも、正直に言えば許してくれる?
謝れば許してくれる?

じゃあ、言うね。

私、幼馴染さんのこと、殺しちゃった。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
君のために、頑張ったよ?
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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