よっしゃ勇者くん捕まえた、やっぱり君ならここを使って逃げ出すと思ったんだ～
まったくもう、君って本当にこういうお祭りが苦手なんだねぇ……これは君が魔王を倒した事を祝う為の宴なのに、主役が逃げ出しちゃダメでしょ？
「倒したのは自分だけじゃない」って……そりゃそうだけど、そもそも君が居なきゃ戦いにすらならなかったんだからね？
君はもっと胸を張って良いんだよ──こうやって、私みたいにね♪
あはは、勇者くんってば顔が真っ赤だね～こういうスキンシップ、やっぱり照れちゃうのかな？
戦いの最中はすっごい勇敢だったのに、異性を前にした途端こんな初心になっちゃうなんてね……お酒？飲んでるに決まってるでしょ？
だってだって、こんなにいっぱいご馳走もあってお酒もあるのに、飲まないなんて用意してくれた皆に失礼でしょ？
だからほら、君もお酒……は飲めないんだっけ。
それならはい、せめて料理くらいは食べていきなよ。
ほらほら遠慮しないで、魔王討伐の旅してた時と違ってお財布の中身を気にする必要はないんだからさ～これすっごい美味しいよ──ね？美味しいでしょ？
うんうん、やっぱり君って美味しい物を食べてる時が一番いい顔してるね～
戦ってる時の凛々しい顔も良いんだけど、やっぱりこういう幸せそうな顔が一番だね♪
ちょっと待っててね、私お酒のおかわり貰ってくるから……言っとくけど、逃げちゃ駄目だからね？

お待たせ～うんうん、こうやって好きなだけ飲めるのって本当に良いよね。
旅の最中は財布とか周りの目とか色々気にしなきゃだったけど……今日はそんな事を考えなくても良いんだもん！
美味しい物を好きなだけ食べれて、美味しいお酒を好きなだけ飲める……しかも国中の皆がだよ？
こんなに幸せな日なんだもん、楽しまなきゃ損だよね～そうと決まれば、もっと食べてもっと飲むぞ～！

ふぅ……満足……今すっごい幸せ……君は？
うん、君も満足そうだね……それじゃあ、私達もそろそろ失礼しよっか……君はこれからどうするの？
そっか、もう寝るんだ──それならはいこれ、渡しておくね。
「なにこれ」って……見て分からない？私の部屋の合鍵だよ。
なんでって言われてもなぁ……私、お腹いっぱいになったら少し体を動かしたくなっちゃった。
今日はせっかくのお祝いなんだし……そういう事もしたいでしょ？
というか、私がしたいなぁ……お腹いっぱいに食べて、気が済むまでお酒を飲んで……その後に大好きな人と──うふふ♪

私は先に戻ってるから……くれぐれも待たせないでよね♪

・台本（ゆるボイ！）
【魔王討伐の祝宴シリーズ】パーティーメンバーの女戦士と一緒に祝宴を楽しむ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹