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壊れた愛でいいじゃない
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • お嬢様
公開日2022年09月05日 18:13 更新日2022年09月05日 18:13
文字数
2247文字(約 7分30秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
あなたを飼いたいお嬢様
視聴者役柄
普通の男性
場所
お嬢様のお部屋
あらすじ
目が覚めたら、見知らぬお嬢様のモノにされていた。
あなたを愛してやまないお嬢様の、普通じゃない愛情のお話。
本編
あら、やっと目を覚ましたのね。

眠っているあなたも、とっても可愛かったわ。
腕の中に抱えて、一緒に眠ってしまいたくなるくらい。

おやおや、起きたかと思えば、部屋中見回してなんだか落ち着かないわね。
私のこともチラチラ見て、どうしたのかしら?

……あ、そうだったわね。
あなたには、あまりに突然のことだもの。
落ち着けなくても不思議じゃないわ。

落ち着いて。
あなたのために、全部、教えてあげるのだから。

昨夜、あなたが仕事を終えた帰りのことよ。
あなたの家の前に、私が立っていたところまでは覚えているかしら。

あなたは自分に用があるのかと思って私に近寄った。
そこで、あなたを眠らせて、ここまで運んできたのよ。

見当はつくだろうけど、ここは私の家の中。
見ての通り、世間基準ではかなり満ち足りた暮らしをしているわ。

それで、私は誰かという質問だけれど……
謂わば、あなたの主、ということになるわ。

あなたとの接点?
そうね……あれはひと月ほど前の事だったかしら。
駅で、切符を買おうとして苦戦していた人のこと、あなたは忘れているわよね。
でも、それが私なの。

あれは、少しお父様と喧嘩をして、この家を出て行こうとしていたところだったわ。
使いが家出のお手伝いなどしてくれるはずもないから、私一人で遠くに行こうと電車に乗ろうとしていたのだけれど……

私、基本車で送ってもらっているし、遠出で新幹線に乗ることがあっても、切符だとかは完全に人任せで、どうやって乗るのか、全くわからなかったのよ。
券売機? というものがあるみたいで、それを見てみたのだけれど、どれが何なのかがさっぱりであたふたしていたの。

その時、あなたが声を掛けてくれて、切符の買い方を教えてくれたのだけれど。
……なんとなく、思い出した?
嬉しいわ。

それで、そんなあなたに惹かれて、結局、家に帰ることにしたの。
こんな素敵な人のいる街から出て行く必要もないし、あなたを手に入れるためには、この家の力を借りた方がいいと思ったから。

それから、使いに惚れた人が出来たと言って、あなたの何もかもを調べさせた。
だから、あなたは私の名前すら知らなくても、私はあなたの住所も電話番号も、いろんなことを知っているわ。

どうかしら、あなたの知らない人に、自分のことを知り尽くされているだなんて。

でも、怖がることはないわ。
これから、あなたは私のモノとして、大切に、愛情を込めて飼ってあげるのだから。
これからの毎日の中で、あなたも私のことを段々と知っていけばいいの。

え、どうかしたかしら?
ああ、飼うって?

言ったわよ。
つまり、あなたはこれから、私のペット兼旦那様なの。
あなたは私の大切な所有物。
もう、どこにも行かせない。

でも、こうなることは、決してあなたにとって悪いことだとは思わないのだけれど。

うちはお金ならばいくらでもあるから、人ひとり飼うことぐらい、何の心配もいらない。
あなたが今まで通りのお仕事を続けたって手が届くはずもない贅沢な暮らしが、無償で手に入るのよ?
しかも、私のペットなのだから、お仕事なんて行く必要はない。
この家の仕事をさせるつもりもないわ。

こんな暮らしのどこに、あなたが嫌がる理由があるのか、私にはわからない。
私はいくらだってあなたのこと、満たしてあげるのに。

そうか、ペット扱いが嫌なのね。
でもね、ペットになるのも、そんなに悪いことじゃないと思うの。

だって、このお部屋から出られないこと以外は自由で、私はあなたのことを沢山愛してあげるのだから。
別に、人権がなくなって、私への絶対服従を求めるとか、そんな悍ましい話はしてないの。
もちろん、私からあなたに求めるものはないわけではないけれど。

ねえ、私、思うんだ。
愛する人のあらゆる苦痛の源を取り除き、ひたすらに満たしてあげる。
これこそ、本気の愛情というものなのではないかしら。

こんな愛情をあなたに注げるのは、きっとこの世で私だけよ?
もう、嫌がる理由なんてないわよね?

……普通じゃ、ない?
私の愛が、おかしいって言いたいの?
そんなことないわよ。
むしろ、これこそ普通であるべきで、これほど相手を想った愛なんてないはずなのに。

私、あなたに乱暴するつもりなんかないわ。
欲しいものがあったら、何だって買ってあげる。
お願いだって、出来る範囲で聞いてあげる。

じゃあ、ここから出してほしい?
ごめんなさい、それは出来ないお願いね。
もう、あなたはここで暮らしてもらうのだから。

それに、嫌がることなんてないのに。

……でも、それはこれからわかるはずだから、何の問題もないわよね。

ひとつ、ちゃんとわかっておいてほしいのだけど……

愛に、決まった形なんて存在しないわ。
だから、あなたにとって知らない愛の形だってきっとあるはず。
まさに、今の私の愛がそうなのよね?

でも、それが間違いなんてことはないのよ。
愛は、お互いを幸せにすることが出来れば、何だって正しいのだから。

だから、壊れた愛に見えたって、いいじゃない。
人に飼われるような愛だって、いいじゃない。

私は、これ以上ない幸福であなたを満たしてあげる。
あなたは、ここにいてくれるだけでいいわ。
それが私の幸せだから。

とは言っても、もうあなたに拒否権なんてないのだけれど。
あなたは、幸せにされてしまうことを拒めない。
時間が経てば、もう外の世界も、私たち以外の人間も、どうでもよくなってしまうの。
でも、それの何が問題なのかしら。
だって、それで幸せなのだから。

ほら、全部、私に委ねてしまえばいいの。
もう何も考えなくていいのだから。

私の気持ち、一生をかけて受け止めてもらうわ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
壊れた愛でいいじゃない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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