上半身が人、下半身が6本足の蜘蛛の身体で出来た魔族、アラクネ。

アラクネを匿っていたニンゲンは仕事柄で一緒に家で過ごしていた。ある日、目を覚ますと真っ暗な屋根裏部屋で拘束されていて…

…あら、やっと目が覚めた。

おはよ、ニンゲンさん。目覚めた感想を聞きたいのだけれど…

『どういう状況』って…そうね、動けない上、真っ暗だからよく分からないわよね。

えぇ、ニンゲンさんも知ってるでしょ？

私はアラクネ、わかりやすく言うなら蜘蛛人間ってところでしょうけど…まぁそんなこと今はいいわ。

そ、ここは私の部屋。照明とかも用意してくれたみたいだけど…真っ暗な方が好きなのよ、ごめんなさいね。

動けないのは、私がニンゲンさんを糸でぐるぐる巻きにしてるからよ。

なんでって…そっちの方がいいでしょ？

確かに、私は人間社会に溶け込めないわ、ニンゲンさんが私を家に住まわせてくれたことにも感謝するし、仕事柄なのか、ずっと家にいてくれていることにもとても嬉しいし…

でも、拘束するってのは別に逃がさないためとかそういうためだけにあるわけじゃないのよ？

私が、あなたを、独り占めしたかった…それだけよ。

『別に縛らなくてもずっと君と一緒にいる』？

…嬉しいわ、そう言ってくれてありがとう。

でもね、そういうことじゃないの。

『拘束している状態』ってのが、とても、とても興奮するのよ。(嬉しそうに)

あぁ、暴れないで？別に取って食おうってわけじゃないのよ？

むしろ紐とか糸って言うのは暴れると私でも解けなくなるから、下手に暴れたりすると…一生このままになるわよ？

ふふ…いい子ね、そう。だけど、私が満足するまでは、もうちょっとこのままでいてね？

そう、そのまま、落ち着いて…？(ゆっくりと)

(何かを刺す音)

あぁ、ごめんなさい！一瞬で済ませたつもりだったのだけれど…痛かったかしら？

そうよね、痛いわよね…でも、安心して？じきに痛くなくなる筈だから…

ほら、痛くなくなってきたでしょう？

『何をしたか』…？そうね、簡単に言うと、私の毒針を刺したのよ。

首元を中心に暑く感じるのがわかるでしょう？

『毒』とは言ったけど普通の人間が死ぬほどでは無いわ。その辺は安心して？

今…気持ちが高ぶる感じがしない？そう、私の毒は特別でね…

ニンゲンさんに対しては興奮剤…そう、媚薬の効果があるのよ。

どう？ニンゲンさん。気持ちよくなってきたんじゃない？

さっきはちょっと騙してごめんなさいね？でも、こうするしか無かったのよ…？

ふふ…そろそろかしら。ニンゲンさん、身体が痺れて動けなくなってきたんじゃない？

そう、感覚が麻痺する効果もあるのよ。

でも、大丈夫。目が覚める頃には普段通り…というか前より快調にはなってると思うわよ？

だから、今だけでいいの。私に身体を預けて？

私があなたのこと、心まで隅々に私のことしか考えられなくなるくらいまで、いーっぱい満たしてあげるから…

怖がらないで？大丈夫よ？私とニンゲンさんの仲じゃない。

そう、目を瞑って。

深呼吸して。

気持ちいいことしか考えられなくして…？

じゃあ…良いかしら。

いっぱい、愛してあげるからね…？

・台本（ゆるボイ！）
アラクネのお姉さんが貴方を暗闇のなか蜘蛛糸で拘束して溺愛する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
黒峰 鷹