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ヴィランのヤンデレ女幹部に死ぬほど愛されるヒーロー ~変革編~ 
written by 平 朝臣
  • シリアス
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • ボーイッシュ
  • ボクっ娘
  • ヴィラン
  • 女幹部
  • 王子様系
  • イケメン女子
公開日2022年10月12日 21:25 更新日2022年10月12日 21:43
文字数
1914文字(約 6分23秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ヴィランの女幹部
視聴者役柄
ヒーロー
場所
人気のない廃墟
あらすじ
本編
SE:ゆっくりと向かってくる足音

SE:足音が止まる

フフッ…待っていたよ、『ヒーロー』君…。

突然、こんな場所に呼び出してしまって、すまないね。

せめて、お茶の一つでも用意してあげたかったんだが、残念なことに、席を取れなかったんだ。

どうしても、2人っきりで話をしたかったが故にね。

だから、どうか許して欲しい。

…そんなことより、要件を早く言え、か…。

#肩をすくめながら

やれやれ…初対面とはいえ、あまりいい印象は持たれていないようだね…。

フッ…とはいえ、それも仕方のないことだ。

何故なら、このボクが、全ての『ヴィラン』を統べるかの組織に所属し…。

なおかつ、その最高幹部の1人として、名を連ねているんだからね。

だが、今日、キミを呼んだのは、組織人として、キミを討つためなんかじゃない。

むしろ、個人的な事情によるものが、大きいのさ。

まあ、有り体に言うとするなら…。

フフッ…キミを、勧誘しに来たのさ。

ボクと同じ道を、共に歩むために、ね…。

#余裕の笑みを浮かべながら

…って、おやおや。

随分と、早い回答だな。

まさか、そこまで強く拒絶されるとは思わなかったよ。

確かに、『ヒーロー』であるキミが、『ヴィラン』へ寝返るなど、到底許されるはずがないだろう。

キミを支持する一般市民にとっても、政府にとっても…。

そして、幾度となく、キミに苦しめられてきた、組織にとってもね…。

しかし、よく考えて欲しい。

キミは、『ヒーロー』と呼ばれてはいるが、それを決めたのは、一体誰だと思う?

もっといえば、ボク達を『ヴィラン』と定義したのは、何者だと思っているんだ?

…おや?

どうしたんだい?

急に、黙り込んでしまって…。

フッ…その反応を見るに、キミも、薄々気づいているようだね。

そう…実は、『ヒーロー』も『ヴィラン』も、本質的に違いはないんだ。

両者を区別するのは、民衆や権力者に過ぎない。

彼らにとっての『ヒーロー』とはすなわち、作られた存在なんだ。

各々の理想、願望、欲望…それらを体現させるためのね…。

要するに、キミは、その事実を直視せずに、『ヒーロー』を演じ続けて来たんだよ。

自分は、悪人なんかじゃない…自分は、善人なんだと…。

そうやって、自らに言い聞かせ、他人にアピールし、己が身を守るために…。

それに…キミも、よく知っているはずさ。

強大な『力』を持つ者を、持たぬ者達が嫉妬し、畏怖し、排除するという現実を…。

だからこそ、ボクは、『ヴィラン』となったんだ。

ボクみたいな人間でも、安心して生きられる明日を、その手で掴むために…。

…これで、分かってくれたかな?

別に、ボクは、キミと戦いたいわけじゃない。

同じ『力』を持つ者として、1人の女として、キミを好ましく思っているからこそ、助けたいんだ。

もちろん、組織が簡単にそれを許してくれるとは、思っていないさ。

だけど、ボクは、絶対に諦めないよ。

どんな手を尽くしてでも、キミを救ってみせる。

勝手にキミを『ヒーロー』に奉り上げ、都合のいいように解釈し、その苦しみを理解しようともしない連中からね…。

SE:女幹部がバッと手を差し出す音

さぁ、来るんだ!

ボクと一緒に、この歪んだ世界を変えるために!

#意気消沈しながら

…そう、か…。

キミは、全部理解した上で、『ヒーロー』を続けるつもりなんだね…。

それでも、守りたい世界があるからこそ…。

#静かに、狂ったように笑い出す

フ、フフッ…フフフフ…。

なるほどね…。

ならば、その守りたい世界とやらを侵された時、キミは果たしてどうするのか…興味が沸いてきたよ…。

例えば、そう…。

キミの彼女や妹の個人情報を、全世界にバラまかれたりとか…ね…。

…おやぁ?

何故、そんなに怒るんだい?

別に、隠すほどのものでもないじゃないか。

だって、キミは、罪なき市民を守る『ヒーロー』なんだろう?

まさかとは思うが、その守るべき市民が、キミの彼女や妹の個人情報を片手に、プライバシーを堂々と侵害し、根拠のないデマを拡散する…。

そんな浅ましくて愚劣な行為を働くなどと…思ってはいないだろうね?

…フフッ…その無言は、肯定と受け取らせてもらうよ。

まあ、安心してくれ。

今はまだ、そこまでの情報を、手に入れてはいない。

でも、それを可能にするだけの手段はあると、覚えておいてくれ。

特に、キミの彼女についてはね…。

ふぅ…さて、と…。

それじゃ、今日はこれで、お開きとさせてもらおうか。

…ん?

何か、言いたいことでもあるのかい?

…どうして、そこまでするのか、教えてほしい、か…。

フフッ…簡単な話だよ。

ひとえに、キミを愛しているからさ。

そして、愛しているからこそ、ボクの全てを賭けて、実現させたいんだ…。

誰にも邪魔されることなく、キミと愛し合える未来をね…。

フフフ…では、失礼させてもらうよ。

今度会う時は、いい返事が聞けることを期待している…。

SE:女幹部がゆっくり立ち去る足音
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヴィランのヤンデレ女幹部に死ぬほど愛されるヒーロー ~変革編~ 
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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