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大切なのはアンタじゃなくて、愛しいあの子。
written by 藤碕いちる
  • 別れ話
  • カップル
  • 恋人同士
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1512文字(約 5分3秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
浮気をしても一度も怒らなかった彼女が告げた決別。
その理由は、彼女の大切なあの子に手を出したから。
彼女が好きなのは、親友の「彼女」で...
バイセクシュアルの彼女のお話になります。
本編
言いたいことは、それだけ?


ならさ、私からも言わせて?


もう別れて。アンタなんて見たくない。
さっさと私の前から、居なくなってよ。


何でって。わかんない?


ああ、今まで浮気したって黙認してきたもんね?


別になんとも思ってなかったから。
「浮気したんだ。あっそ」ぐらい?
実際、アンタの事なんて、どうでもよかったし。

それに散々、女の子を食い散らかしてるって噂も知ってたしね?
君が喰った女の子達から、嫌みったらしく色々言われてたの知らなかった?

「誰が」って?私がに決まってるでしょ。
アンタが喰った女の子達から、色々言われたたの。


今更、なににビックリしてるわけ?
私が知ってたこと?それとも食い散らかしてたこと?

それとも、アンタとはカモフラージュの為に付き合ってたこと?


なに?本当にわからなかったの?
まぁ、隠してたしね。結構、演技派だったでしょ。私。

私にとってアンタは、単なる便利な男ってだけだったから。
「愛してる」だの「好き」とか言ってれば、好きなんだって信じ込んでくれたでしょ。
簡単で良かったわ。

それにしても馬鹿だよねぇ。アンタ。
演技してる私になにがあっても戻って来てさ。
疑いを知らない自信家。だから、良いように使われるんだよ。


「なんで、今回は」って?

そんなの決まってるじゃない。
アンタは一番やっちゃいけないことをしたの。私が絶対許せないこと。


アンタ、本当に馬鹿だね。よく付き合ってたわ。私…

私の大切なあの子に手を出したでしょ?


あの子はあの子。私が世界で一番守りたい子。
誰だかわからない?


そう、いつも側にいるあの子。

アンタが最近、手を出した子よ。
まさか、そんなとこまでアンタと趣味が似てるなんてね。
皮肉だわ。


性別が何?女同士だから?

おかしい?気持ち悪いなんて言われるのは、百も承知よ。

好きなんだから、しょうがないでしょ。

私の気持ちは伝える気はないし。
親友のポジションでいられれば、それでいいの。
アンタよりもずっとずっと、あの子の方が大切。


アンタ?付き合ってた理由ねぇ…
私にも性欲はあるし?発散用ってとこ?

あとは男と付き合ってるって言うカモフラージュね。
あの子に安心感を与えられるでしょ?

私が一番大事なのは、あの子だもの。
あの子が泣かなければいいの。

今回はアンタがあの子を喰った。
それがもしもあの子の意思だったとしても、私は許さない。

私の大切なモノは全力で守るわ。


そうね。アンタの言ってることもわかる。
そうなったら、あの子を感じからめに縛って、私なしじゃ居られないようにしてあげる。

そこにアンタの存在は要らない。
だからさ、もう消えてくれない?

私の大切な人を喰ったところで、ジ・エンド。

アンタには渡すつもりないから。


(SE:可愛らしいスマホの着信音)

あ、あの子からだわ。

(今までとは違う愛しさが溢れているトーンで)
もしもし?どうしたの?

もう泣きそうな声してる。
何かあったのね?

うん。うん。わかった。

外じゃ不味いだろうから…

何でって。どうせまた大泣きするんでしょ。
泣き顔は、私以外見せちゃ駄目って言わなかったっけ?


甘くてもいいじゃない。

あとそうね… 30分ぐらいで家に戻れるから。
ウチに来てくれる?


わかった。もし、先に着いたら上がってて?
合鍵の場所、わかるわよね?

そう。
それじゃあ、30分後ね?


(通話を切っても目の前にいる彼に向かって、冷たい声で)
まだ居たの?
あの子のところに行かなくちゃ。

もう、私達の目の前に現れないでね?

(手に持っていた紙袋を差し出して)
ああ、コレ。アンタの私物。適当に入れてきたから。
持って帰ってくれる?

あとは適当に処分するわね?


それじゃあ、あの子を待たせちゃ可哀想だから。
もう行くわ。

もうあうこともないだろうけど。
最低な終わり方だったわ。じゃあね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
大切なのはアンタじゃなくて、愛しいあの子。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
藤碕いちる
ライター情報
藤碕綾いちるです。ご覧いただきありがとうございます。
全年齢に特化した台本師だったはずなのですが、
最近はR18のシチュエーション台本も書いております。

泣いたり、ほのぼのしたり。
優しい時間をお送りできるように頑張っています。

珍しいテイストの台本が多いと思いますので、
気になったものは是非物語としてでも読んでやって下さい。


「碕」の字が珍しいのは些細なこだわりです。
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