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公開日2022年11月13日 18:25
更新日2022年11月13日 18:25
文字数
2396文字(約 8分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幽霊少女
視聴者役柄
少年
場所
夜の公園
あらすじ
――本当は、騙したままでいたかった。
数年前隣に越してきた彼女とは、同じ学校ということもあり、今やいい感じの関係になりつつあった。
そんなある日の帰り道、もう少し一緒にいたいと誘われ、公園のベンチで話をすることに。
それは、彼女がずっと隠していた、自身の真実を明かす朧げな決心で……
数年前隣に越してきた彼女とは、同じ学校ということもあり、今やいい感じの関係になりつつあった。
そんなある日の帰り道、もう少し一緒にいたいと誘われ、公園のベンチで話をすることに。
それは、彼女がずっと隠していた、自身の真実を明かす朧げな決心で……
本編
(SE:弱風)
ねえ、ねっ、ねーえ。
もー、やっと振り向いた。
もう、帰っちゃうの?
まだ、一緒にいたい、な。
ベンチ座って話そう?
もう、この時期だと、帰り道も暗くなっちゃったね。
なんだか、切ない気分。
君がいるから、少しは安心だけど、夜って、なんだか怖いよね。
うん、最初は、慣れない土地で不安だったけど、隣に住んでるのが、君でよかった。
暗くて、怖い夜でも、君を頼りに出来るから。
でも、夜っていいよね。
世界が違う顔をしてる。
不思議だけど、残酷さも優しさも、夜は全部を持っているような気がするんだ。
夜っていうだけで、記憶も鮮明で。
幸せなことも、嫌なことも。
……後悔なんて、一生、ずっと忘れられないんだろうな。
え? なんかいつもの私らしくない?
気付いた?
確かに、ちょっと今、変な気分かも。
……ねえ、私、今日告白されちゃった。
んふふ。
誰だと思う?
そう、クラスのあの人。
話があるって呼び出されたときは、びっくりしちゃったよ。
私も、告白とか、慣れてないんだよねー。
あの空気感、言われることなんてだいたいわかってるのに、こっちも緊張しちゃって。
ねえ、なんだか君、むっとしてる。
今さ、焦らすなよ、とか、思ってるんでしょ?
その時のこととか細かく言わなくていいから、とっととお前の返事を教えろ!って。
その感じ、どうやら当たってそうだね。
ごめんね、私っていじわるだから。
でもね、安心して、いいよ?
君が望んでる通りだから。
よかったね。
彼氏持ちになったら、こうやって一緒に帰るわけにもいかないし。
これから暗い道、一人で帰ることにならなくて。
そしたら私も一緒?
さて、それはどうだったんだろうね。
暗いから、家まで送ってあげるよ。って、してくれたのかもよ?
なんて、告白断ったんだから関係ないんだけど。
そっか、もし君だったら、そういうカッコいいふり、出来ないね。
だって、いつものことだもん。
じゃあ、その分、もっと大胆なことしてくれないとね。
(切なそうに)でも、そっか……
あ、いや、何でもない……って、いや、そんなこと、ない、かも。
言わなきゃ、ダメだよね……
ねえ……あの、さ……ひとつ、大事な話、してもいいかな。
うん。
君じゃないといけないこと、だよ。
君だから、いつか、言わなきゃいけないと思ってた。
(間)
私ね、実は……幽霊なの。
(間)
そうだよね、信じられないよね。
今日まで、ずっと私たち、同級生として仲良くしてたんだもん。
足が見えないわけでも、君だけにしか見えてないわけでもない。
ねえ……だったら、手、触ってみて。
……ね? 触れられない、でしょ?
はっきりとわかる違いは、これぐらいなの。
だから、今までみたいに隠そうと思えば、それなりに上手くやっていけてしまう。
そうだよね。
君だって、言われなきゃわかんなかったのに、こんなこと言う必要、なかったかもね。
元々は、そのつもりだったの。
ただ暮らしていくだけなら、みんなと同じ人間のふりして生きていこうって思ってた。
困ることもあまりなければ、人が触ってくることなんて、多くないし、そのときは嫌がればどうにかなるから。
だけどね……心は、人のままなんだよ……。
人と仲良くしたいし、同じつもりでいたい。
周りも、まさか私が幽霊だとは思ってないからね。
何より、一番苦しいのは、恋、かな。
人としての恋の形しか知らないんだもん。
君と、手を繋いだり、ハグしたり、キスしたり。
色んな触れ合いがあって、心でも、身体でも通じ合って、気持ちを確かめて一つにしていく。
そんな未来を想ったりしても、すぐに気付かせられるの。
何ひとつ、私には出来やしないんだって。
でも、出来ないってわかってても、どうしても、人を好きになってしまった……
抑えることなんて、出来なかったんだよ……!
はぁっ、はぁっ、無理だよ……
だって、恋心は死んでなんかないんだもん。
素敵な人と出会ってしまったら、そりゃ、好きになっちゃうよ……。
それに、怖いのは、愛し合いが何も出来ないってことだけじゃない。
幽霊なんかじゃ、君から愛してもらえるはずもないから。
かといって、隠したまま恋人になろうとするのも、君を騙してしまうことになる。
君だって、触れ合えない恋したって、苦しいだけでしょ?
だから、君を嘘で傷付けることもできなくて。
本当は、言いたくなかった。
このまま、騙したままでいたかった。
でも、それじゃ、今のまま、手の届かない距離にいるしかないってことで……
ねえ……私、怖くて、まだ、君の目を見ていられない……
やっぱり、言わない方がよかったのかな。
それとない距離のまま、望まなければ、それでも一緒にはいられたもんね。
えっ、そんなこと……ない……?
いいの……?
本当に、いいの?
私、幽霊だよ?
君の欲求なんて、まともに叶えてあげられないよ?
それどころか、いつ消えるかだって、自分ですらわかってないんだよ?
それでも、私と、恋人でいてくれるの?
なんだ。
私、ずっと悩んでたのがバカみたいじゃん。
え?
死んだら触れられるようになるのかって?
それは、やめてほしいな。
そもそも、何で私がこの世に留まれてるのか、よくわかんないし、他に幽霊は見ないし。
多分、何にも残らないと思うよ?
そうしたら、私、会いに行けないから、このままでお願い。
ねえ、やっぱり、やめときなよ。
私のこと好きになったって、何にもできないんだよ?
ただ、同じ時を過ごすことしか出来ないんだよ?
そう……君がそれでもって言うんなら、喜んで私のこと、任せるけど。
あ、もちろん、欲求不満だとしても、他の女とは関係持ったりしちゃダメだからね?
そしたら、呪ってあげようかな。
多分そんな能力ないけど。
ねえ、そろそろ、帰ろっか。
あ、月。
さっきまで雲に隠れてたのに。
今日のこと、あの月を見れば、いつでも思い出すんだろうなぁ……
打ち明けたら、元には戻れなくなるから、君に拒まれたらって、怖かった。
むしろ、こんなこと言っても、君が笑ってくれるとは思えなくて。
だから、今、すごく、すごく、嬉しいよ……
(SE:弱風)
でも、やっぱり、手、繋げたらな……。
ねえ、ねっ、ねーえ。
もー、やっと振り向いた。
もう、帰っちゃうの?
まだ、一緒にいたい、な。
ベンチ座って話そう?
もう、この時期だと、帰り道も暗くなっちゃったね。
なんだか、切ない気分。
君がいるから、少しは安心だけど、夜って、なんだか怖いよね。
うん、最初は、慣れない土地で不安だったけど、隣に住んでるのが、君でよかった。
暗くて、怖い夜でも、君を頼りに出来るから。
でも、夜っていいよね。
世界が違う顔をしてる。
不思議だけど、残酷さも優しさも、夜は全部を持っているような気がするんだ。
夜っていうだけで、記憶も鮮明で。
幸せなことも、嫌なことも。
……後悔なんて、一生、ずっと忘れられないんだろうな。
え? なんかいつもの私らしくない?
気付いた?
確かに、ちょっと今、変な気分かも。
……ねえ、私、今日告白されちゃった。
んふふ。
誰だと思う?
そう、クラスのあの人。
話があるって呼び出されたときは、びっくりしちゃったよ。
私も、告白とか、慣れてないんだよねー。
あの空気感、言われることなんてだいたいわかってるのに、こっちも緊張しちゃって。
ねえ、なんだか君、むっとしてる。
今さ、焦らすなよ、とか、思ってるんでしょ?
その時のこととか細かく言わなくていいから、とっととお前の返事を教えろ!って。
その感じ、どうやら当たってそうだね。
ごめんね、私っていじわるだから。
でもね、安心して、いいよ?
君が望んでる通りだから。
よかったね。
彼氏持ちになったら、こうやって一緒に帰るわけにもいかないし。
これから暗い道、一人で帰ることにならなくて。
そしたら私も一緒?
さて、それはどうだったんだろうね。
暗いから、家まで送ってあげるよ。って、してくれたのかもよ?
なんて、告白断ったんだから関係ないんだけど。
そっか、もし君だったら、そういうカッコいいふり、出来ないね。
だって、いつものことだもん。
じゃあ、その分、もっと大胆なことしてくれないとね。
(切なそうに)でも、そっか……
あ、いや、何でもない……って、いや、そんなこと、ない、かも。
言わなきゃ、ダメだよね……
ねえ……あの、さ……ひとつ、大事な話、してもいいかな。
うん。
君じゃないといけないこと、だよ。
君だから、いつか、言わなきゃいけないと思ってた。
(間)
私ね、実は……幽霊なの。
(間)
そうだよね、信じられないよね。
今日まで、ずっと私たち、同級生として仲良くしてたんだもん。
足が見えないわけでも、君だけにしか見えてないわけでもない。
ねえ……だったら、手、触ってみて。
……ね? 触れられない、でしょ?
はっきりとわかる違いは、これぐらいなの。
だから、今までみたいに隠そうと思えば、それなりに上手くやっていけてしまう。
そうだよね。
君だって、言われなきゃわかんなかったのに、こんなこと言う必要、なかったかもね。
元々は、そのつもりだったの。
ただ暮らしていくだけなら、みんなと同じ人間のふりして生きていこうって思ってた。
困ることもあまりなければ、人が触ってくることなんて、多くないし、そのときは嫌がればどうにかなるから。
だけどね……心は、人のままなんだよ……。
人と仲良くしたいし、同じつもりでいたい。
周りも、まさか私が幽霊だとは思ってないからね。
何より、一番苦しいのは、恋、かな。
人としての恋の形しか知らないんだもん。
君と、手を繋いだり、ハグしたり、キスしたり。
色んな触れ合いがあって、心でも、身体でも通じ合って、気持ちを確かめて一つにしていく。
そんな未来を想ったりしても、すぐに気付かせられるの。
何ひとつ、私には出来やしないんだって。
でも、出来ないってわかってても、どうしても、人を好きになってしまった……
抑えることなんて、出来なかったんだよ……!
はぁっ、はぁっ、無理だよ……
だって、恋心は死んでなんかないんだもん。
素敵な人と出会ってしまったら、そりゃ、好きになっちゃうよ……。
それに、怖いのは、愛し合いが何も出来ないってことだけじゃない。
幽霊なんかじゃ、君から愛してもらえるはずもないから。
かといって、隠したまま恋人になろうとするのも、君を騙してしまうことになる。
君だって、触れ合えない恋したって、苦しいだけでしょ?
だから、君を嘘で傷付けることもできなくて。
本当は、言いたくなかった。
このまま、騙したままでいたかった。
でも、それじゃ、今のまま、手の届かない距離にいるしかないってことで……
ねえ……私、怖くて、まだ、君の目を見ていられない……
やっぱり、言わない方がよかったのかな。
それとない距離のまま、望まなければ、それでも一緒にはいられたもんね。
えっ、そんなこと……ない……?
いいの……?
本当に、いいの?
私、幽霊だよ?
君の欲求なんて、まともに叶えてあげられないよ?
それどころか、いつ消えるかだって、自分ですらわかってないんだよ?
それでも、私と、恋人でいてくれるの?
なんだ。
私、ずっと悩んでたのがバカみたいじゃん。
え?
死んだら触れられるようになるのかって?
それは、やめてほしいな。
そもそも、何で私がこの世に留まれてるのか、よくわかんないし、他に幽霊は見ないし。
多分、何にも残らないと思うよ?
そうしたら、私、会いに行けないから、このままでお願い。
ねえ、やっぱり、やめときなよ。
私のこと好きになったって、何にもできないんだよ?
ただ、同じ時を過ごすことしか出来ないんだよ?
そう……君がそれでもって言うんなら、喜んで私のこと、任せるけど。
あ、もちろん、欲求不満だとしても、他の女とは関係持ったりしちゃダメだからね?
そしたら、呪ってあげようかな。
多分そんな能力ないけど。
ねえ、そろそろ、帰ろっか。
あ、月。
さっきまで雲に隠れてたのに。
今日のこと、あの月を見れば、いつでも思い出すんだろうなぁ……
打ち明けたら、元には戻れなくなるから、君に拒まれたらって、怖かった。
むしろ、こんなこと言っても、君が笑ってくれるとは思えなくて。
だから、今、すごく、すごく、嬉しいよ……
(SE:弱風)
でも、やっぱり、手、繋げたらな……。
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ライター情報
ヤンデレとか書きます。
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