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囚われのお姫様のメリーバッドエンド耳かき
written by くるっくー
  • 耳かき
  • ファンタジー
  • お姫様
  • 悪堕ち
公開日2023年01月08日 00:39 更新日2023年01月08日 00:47
文字数
1883文字(約 6分17秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
囚われのお姫様
視聴者役柄
勇者
場所
魔王城の、姫が囚われている一室
あらすじ
魔王討伐のため、そして、攫われた姫を救うため、単身魔王城に乗り込んだあなた(勇者)。
そこであなたは、探していた姫を発見する。
しかし、そこで見た彼女の様子は、あなたがよく知るものとは違っていて……。
本編
ああ、勇者様! 来てくれたのですね!
貴方なら、絶対に私のもとへ来ると信じていました。

ふふ、どうされました?
折角の再会だというのに、なんだか、あまり嬉しそうではありませんわ。
……なんて、わかっております。私のこの姿が気になっているのですよね?

すごいでしょう! 魔王様が、私に力を分けてくださったの。
どうやら、私には素質とやらがあったのだそうです。闇の力と融合するための、ね。

……目を覚ます? 私が?
ふふふ、何を仰ります。確かに貴方の知る私とは姿が違うかもしれませんが、私自身は何も変わってはいませんよ?
勇者様の方こそ、私を忘れてしまったの?
ああ、そんなの、とっても悲しいわ。でも大丈夫。

(頭を乗せて膝枕の体勢に)
こうすれば、きっと思い出してもらえるもの。

抵抗は無駄です。ここに足を踏み入れた時点で、貴方は私の思うがまま。
さあ、始めましょう?
勇敢だった貴方が、唯一、仔犬のように弱弱しい姿に変わる、耳かきの時間を……。

(耳かき開始)

……くすっ。不思議です。貴方に耳かきをするのなんて、もう何年ぶりだかもわからないのに。
こうして膝枕をして、耳元を見下ろしたとき、はっきりと思い出せるのです。どこを掻かれるのが好みだったとか、逆に、どのぐらい奥を掻くと痛がってしまうとか。

貴方は、どうですか?
……そう。まだ私が正気ではないと、お思いなのですね。

そうですね……。では、これまでのことを話しておきましょうか。
ここへさらわれてから、何があったのか。

貴方は覚えていますね?
パレードの最中、突如魔物たちが現れ、襲い掛かってきた時のことを。

あの日、連れ去られた私は、魔王のもとへ差し出されたのです。
一体何をされてしまうのか……私は恐ろしくて仕方なかった。

ですが、魔王は私に、意外なことを言い放ったのです。
『お前の望みを言え』と――。

怯えきった私には、ただ『助けてほしい』としか考えられません。
しかし、魔王が私に向かって手をかざすと、奇妙なことに、私の中の恐怖心がすーっと消えていきました。
そして、私が本当に望むものを探していくうち、頭の中に現れたのは……。

(耳元で囁く)
貴方の、お姿だったのです。

(梵天開始)

幼少期にいつも遊んでいた。でも、身分の違いによって、次第に疎遠になっていった。
あの人と会いたい。いや、ずっと一緒にいたい。
その想いが、私の中で激しくなるのを感じました。

魔王は、私をさらった目的を話しました。それは、私がつけていた、母の形見のペンダント。
そこには魔力が秘められており、その力を奪って、世界の支配者となる……と。
私は、ペンダントを差し出すことをためらいませんでした。
なぜなら、世界が魔王の手に堕ちるとき、立ち上がるであろう方は……。

ええ、私は、あの方と取引をしたのです。
そして今、私の目の前には、あの頃から、さらに立派になったお姿の、

(耳元で囁く)
あの頃のまま、お耳の弱い、勇者様。

(耳に息を吹きかける)

ふふ……それでは、反対側のお耳を向けますよ。

(反対側の耳を向ける)

わかりましたか?
私は、変わってしまったのではなく、自分の気持ちに正直になれただけ。
そのきっかけを与えてくださったのが、魔王様だったのです。

まだ、受け入れられない、といった顔をしていますね。
それでしたら……。

あの頃みたいな感じで、耳かきしてみよっか。
ね、ゆーちゃん?

(耳かき開始)

くすっ、覚えてる?
最強の勇者になるって言ってたから、ゆーちゃん。
最初はこのあだ名を嫌がってたけど、それでも言い続けてたから、結局ずっとそのまま。

そういえば、ゆーちゃん、耳かきもはじめは嫌がってたんだよ。
私が部屋から耳かき棒を持ち出して、誰かで試してみたかったからお願いしたのが最初だったんだけど、これは多分覚えてないよね

耳に物を突っ込むとかみたいに、気味悪がってたけど、実際やってみたら、むしろゆーちゃんのほうが気に入っちゃって。
その日以来、二人きりになれる場所を探して、耳かきしてさ。
でも、いつの間にか、そんなこともできなくなっちゃってた。

……ゆーちゃんは、この世界を取り戻したいんだよね。
でも、そしたら私は、またお姫様に戻ってしまう。私はそんなの嫌だ。
ここにいれば、王族だとか、そうじゃないとか、何も関係ないの。
私たちが、こうして一緒にいてもいいの。

ねぇ、もし、私の想いを受け入れてくれるのなら……。
目を閉じて、力を抜いて、私に委ねてほしいな。

……ふふ、ありがと。

(梵天開始)

……うん、とってもいいお顔になった。
気持ちよくて、眠たくなってきたときの……何回も見た覚えのあるお顔。
ゆっくり休んでいいからね。ここはもう、私たちだけの世界だから……。


(耳に息を吹きかける)
お休みなさい。これから2人で、ずーっと、素敵な夢を見ていこうね……。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
囚われのお姫様のメリーバッドエンド耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
くるっくー
ライター情報
名義変更しました。(普段のHNと表記変えてたけどややこしくなるだけだったので統一します)
くるっくぅ→くるっくー

耳かきで負ける、屈服させられるシチュエーションが大好きです。

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