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もう二度と、愛しい君が傷付かないように
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • ヤンデレ化
公開日2023年01月09日 18:18 更新日2023年01月09日 18:18
文字数
2206文字(約 7分22秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼を想ってた女子
視聴者役柄
失恋した男子
場所
高架下→女子宅
あらすじ
彼女に別れを告げられ、傘を差して帰る気力もないあなたは、呆然と高架下で雨宿り。
そんな姿を見かけた女友達に声を掛けられ、言われるがままに家までついて行くことに。
密かに想いを募らせていたその女友達は、あなたの見せる憂鬱な顔を前に、想いが歪んではち切れさせてしまう。
本編
 (SE:雨 継続)

どしたの、雨の中、こんな場所で。

傘でも忘れた?
それなら私の……って、傘、持ってるし。

なんかあったの?

って、おーい?

全然こっち見てくれないじゃんか……

んんー……

(大声で脅かす)わっ!

なんか、ボーっとしてたけど、大丈夫?

私、さっきから何回も声掛けてたのに、全く気付いてなかったよ?
それとも、私のこと、嫌いで無視してた?
もしそうなら、私、凄いショックなんだけど。

わー、よかったー。
けど、じゃあ何で……?

……フラれた?
そ、そういうことね……ははは……

本当に、ごめんっ!
私、何にも知らないで君に話し掛けちゃって!

つらい、よね。

でも、それだけ君は彼女さんのこと、大事だったってことだよね。
人のことを大事に出来る。
それって、素晴らしいことだと思うよ。

彼女さんが羨ましいなぁ……

だけど、君のその気持ちをいらないって言って、挙げ句の果てには君のことを傷付けた。

酷い女だね。
何にもわかってない。

でも、そんな女に君が愛されてたとしても、それも嫌かな。

ねえ。
こういう時ほど、ひとりは余計につらくなるものだよ。

泣いてるところ、見せられたって嫌いになんかならない。
私の胸だって貸してあげる。

だからさ、私でよければ、いっぱい頼って?

今から、一緒に家、来る?

来よ? 全部忘れよ?

いいよ、なら隣来て。
傘の中、おいで。

ほら、もっと身体寄せてくれないと、濡れちゃうよ?

 (間)
 (SE:雨 終了)

本当に、来てくれるんだね。
それとも、拒む気力がないだけ、とか?

それでもいいや、ここで君が元気になってくれるなら。

君はそこに座ってて。

……なんだか、従順なアンドロイドって感じの挙動だね。
今なら、何でも言うこと聞いてくれたり?

それなら、私と……なんて、やめとくね。
そういうの、よくないもんね。

今日はさ、君の望むままにするといいよ。

言いたいことがあるなら、全部ここで吐き出しちゃえ。
泣きたいのなら、もう枯れるくらいに泣き尽くしちゃえ。
私は止めたりしないから。

もし、誰かに甘えたいなら、私がいるよ?

抱きしめてほしい?
わかった。

でも、いいの?
彼女にフラれてすぐ、他の女の胸の中、なんて軽そうじゃない?
フッたわけじゃないから、いいか。
君を癒すため、だもんね。

……ふふっ。
嬉しい。
私のこと、頼ってくれるんだね。

私はさ、こんな君のこと、好きだよ?

なんだか、傷心中の弱ってるところに付け入るみたいで、やってること、悪い女と同じだけど。
でも、好きなの。

さっきは、ごめんね。
君は、辛いとき、とにかくそっとしておいてほしかったのかもしれないのに、無理に家まで連れてきちゃって。

でも、人の目に入る場所で、あんなにつらそうな姿を見せる君が悪いんだからね?
私には、無視できないよ……

ね、ねえ……

今、私が思ってること、言ってみてもいいかな。
全然、断ってくれてもいいから。

……聞くだけ!
本気にしなくていいから、聞いてほしいの。

君には、もう私以外のこと、考えないでほしい。
こうして、傷付いたりしちゃうから。
君のためになんて、全部、思い通りに行くわけじゃないから。

私はさ、君がこれから、こんなつらい思いしたりしないように、ずっと、永遠に、愛し続けてあげる。
私は、誓えるよ……?

君がずっと、私のことだけを大切にしてくれるのなら、君を、君の幸せを、私は一生、私の命に代えてでも、守り抜いてみせるから。

こんなにも愛しい君が、誰か私の知らない女の身勝手に笑顔を奪われるなんて、こんな世界、私は許したくない。
君は、私が愛してあげないと……
私が守ってあげないと……

これくらい当たり前のことなんて、悲しいこと言わないで。

私は、嫌なんだよ。

一番は、君が、君の望む人と結ばれて、そのまま一生を幸せに添い遂げること。
私がその相手になれたなら、それ以上はなかったけれど、選ばれなくって。
ただ、それが君の望むことなら、私が割り込むなんて、ただ君の邪魔になるだけだから、何も言わず、ふたりを眺めてた。

そうしたら、こんな結末になってた。

私は、君の悲しい涙も、その塞ぎ込んだ気持ちも、頭の中を埋め尽くされるくらい、同じように痛みを感じてしまうみたいなの……

もう、君に不確かな恋なんて、させたくないよ。

だって、どんなに相手が君のことを好きって言ってても、それがずっと続くとは限らない。
人間なんて、基本は自分のためなんだから、その好意すらも自己都合なんだよ?
だから、君を大切にするって言ったその口で、平気で君の心を切り刻むようなことを言ってくる。
やっぱり、人の言う愛なんて、薄っぺらくて何にも信じられないんだ!

君の失恋で、よくわかったよ。
けれど、もっと早く気付けていれば……

ごめんね。
君のこと、ちゃんとそばで見てないと、何にもわからなかった。
ふたりの関係がもう崩れてたってこと、君にフラれたこと知らされるまで、気付けなかった。

だからさ、君には、そばにいてほしいんだ。
君のことがよくわかるように。
君へと手を伸ばす悪魔を、見逃さないように。

私が全部、守ってあげなくちゃ。

もう二度と、愛しい君が傷付かないように。

だから、君の全てを、私に委ねてくれたら……なんて、勝手に思っちゃってる。

断るのも、君の権利だけど……嫌だよ?

君に拒まれるのも、そうして君が傷付く道を歩むのも。

……これも、私の自己都合なのかもしれない。

そうだとしても、君が私を信じてくれるなら、私は君への愛に責任、持つよ。
何か、紙にだって記していい。
裏切ったら、弱みでも晒せばいい。

私は、本気だから。

……お願い。
どうか、君の幸せを、守らせてほしい。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
もう二度と、愛しい君が傷付かないように
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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